うる星やつら―アナザーワールド― エピソード6 (Page 2)
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 「先ほど諸星が言っていた無邪鬼だが、そいつは夢を操る妖怪の一種じゃ。だから、夢から覚めてしまえば忘れてしまうのだ」と言ったが、面堂が
 「ならば何故、諸星は覚えてるんですか」と言うと、サクラは
 「まぁ、何らかの理由で諸星が無邪鬼と深く関わっておったのじゃろう」と言うと、更に
 「と言う訳じゃ。とにかく今は、こんな所で討論してる場合では無かろう」と言った。面堂は、サクラの説明で渋々マッハ軒のシャッターを開け、中に入った。面堂は、メニューの1つを上にスライドさせ……ようとしたが、全く動かない。するとあたるが
 「おい、何やってるんだ?」と面堂の横に行くと、面堂は
 「くっ、なぜかこれが動かん!」と言って、更に力を込めた。それを見ていたメガネは
 「なぁ、場所が違うんじゃないのか?」と言うと、他のメニューを調べ始めた。しかし面堂は
 「いや、ここに間違いない」と言って力を入れていたが、全く動かないので諦めた。するとサクラが
 「ここは、私達が居た世界とは別の世界。もしや、お主の言っている様な地下の格納庫など無いのかも知れぬぞ」と言った。それを聞いた面堂は
 「……なるほど、確かにここは我々が居た世界とは違う世界。考えられますね」と言うと、力なくテーブルの椅子に座り込んだ。しかし、そんな面堂にしのぶが
 「でも、それなら尚更ここに居るのマズくない?」と言うと、面堂も
 「そうですね、とにかく人目に付かない所に移動しましょう」と言うと、椅子から立ち上がり店を出た。
 店を出るとサクラが
 「仕方ない、私の家に行くか……」と言った。それを聞いた面堂は
 「サクラ先生!それは危険過ぎます、万が一もう一人のサクラ先生に出くわしてしまったら」と言ってサクラを引き止めようとしたが、サクラは
 「いや、叔父上が大丈夫だったのだ。私も大丈夫だろう」と言った。しかし面堂は、なおも
 「しかし、もしダメだったら……」と言ったがサクラは
 「そうなったら、そうなったで仕方有るまい」と、もう覚悟を決め
 「何より、今私達が行ける所はそこしかないじゃろう?」と言った。そうしてサクラを始め、あたる達はサクラの家に向かう事にした。サクラの話を聞いていた錯乱坊は
 「わしは、いつもの空き地に行くとするかのう」と言い、続いて温泉マークも
 「私も、アパートへ戻ります」と言った。それを聞いてサクラは
 「温泉先生は、元々こちらの人間だから問題無いし、叔父上は既に2人だから身を隠す必要も無いと言う事か」と言うと、温泉マークと錯乱坊はそれぞれ自分の戻るべき場所に帰って行った。
 サクラは、家に着くと何の迷いも無く玄関を開け
 「誰かおらぬか」と声をかけた。すると奥から、パタパタと足音がして錯乱坊にそっくりな女性が現れ
 「おや、サクラではないか。こんな時間にどうしたのじゃ?それよりお前、今日は旅行じゃなかったのかい?」と言った。彼女はサクラの母で、あたる達を見ると
 「こんな時間にお客を連れてくるなんて、只事ではないね?」と言うと
 「とにかく、上がりなさい」と言って中に案内した。部屋に入るとサクラはすぐに
 「母上、落ち着いて聞いて欲しいのだが……」と言うと、自分が別の世界から来た事を話した。するとサクラの母は
 「なるほどのう。それで、お前達はここに置いて欲しいと言う事かい?」と言うと、サクラは
 「そうなのじゃが……疑わんのか?」と母に問いかけた。しかしサクラの母は
 「お前が言うのなら、本当なのだろう?」と言うと、奥の部屋に案内し
 「ここなら、しばらく居ても良いぞ」と言い、部屋を出ていった。サクラは部屋を出る母に、無言で頭を下げた。部屋は、ゆうに20畳はある大部屋で8人でも、まるで狭さを感じさせなかった。時間は既に午前3時を回っていた。サクラは各々に自分で布団を敷かせ、朝まで仮眠を取る事にした。

 その頃ラムはUFOの中でランからの連絡を待ってるうちに寝てしまっていた。そして、朝が来た。
 あたるは何故か、いつもより早く目が覚めた。部屋を出て階段を降り、洗面所で顔を洗うと茶の間に行った。茶の間では、いつもの様に父が新聞を広げ、母は朝食の用意をしている。
 あたるがテーブルの前に座ると、あたるの母が朝食のおかずを運んで来て、テーブルの前に座っているあたるを見ると
 「あら、あたる。今日は早起きなのね、珍しい。ところでラムちゃんとテンちゃんは?」と言った。あたるは、母の言った事が良く分からず
 「え?誰と誰?」と母に聞き返すと、あたるの母は
 「だから、ラムちゃんとテンちゃんよ」と繰り返した。しかし、あたるは
 「だから、ラムとテンって誰だよ!」と言うと母は、あたるの額に手をあて
 「熱は無いみたいね」と言うと、あたるは母の手を払いのけて
 「熱なんか有るか!」と言った。するとあたるの母は
 「あんたがラムちゃんとテンちゃんを知らない訳ないでしょ!寝ぼけてるの?」と言った時

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