うる星やつら―アナザーワールド― エピソード9 (Page 3)
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 (本当に、俺とラムは一緒に住んでるんだな)と思った。
 食事を終え、あたるとラム、テンはあたるの部屋でくつろいでいたが、ラムが時計を見て
 「あ、もうこんな時間だっちゃ。テンちゃん、お風呂入るっちゃ」と言ったがテンは、風呂に入りたくないらしく
 「あ、わ、わいは今日はええみたいや」と言って、ラムから目を逸らした。しかし、ラムは
 「何言ってるっちゃ!お風呂は、ちゃんと入らないとダメだっちゃよ!」と言うと、テンのオムツを掴み
 「じゃぁダーリン、ウチ達お風呂入ってくるっちゃね」と言った。あたるは
 「あ、あぁ……」と言って、平静を装ったが内心では
 (ふ、風呂だと?ま、まぁ一緒に住んどるんだから当然と言えば当然なんだが……)と思い、更に
 (まてよ、一緒に住んでるって事は、ここで寝てるんだよな?……一体どこで寝てるんだ?)と思って、妙に緊張してきた。
 しばらくして、ラムとテンが部屋に入って来て
 「ダーリンも入っちゃえば?いいお湯だったっちゃよ」と言った。あたるは何故か抵抗出来ず
 「あ、あぁ、じゃぁ俺も入ってくるか」と言って、部屋を出て風呂に入りに行った。ラムは、そんなあたるを見て
 (ダーリン、ずいぶん素直だっちゃね?……もしかして、向こうのダーリンって素直だっちゃ?)と思ったが、すぐに
 (そんな訳ないっちゃよね)と思って、笑った。
 あたるは風呂から上がると、自分の部屋に戻った。すると、テンはラムに寝付かされたのか既に寝ていた。あたるが部屋に入ると、ラムが
 「あ、ダーリン。お風呂気持ちよかったっちゃ?」と言ったので、あたるは
 「あぁ、まあな」と言って、机の上に有った雑誌を手に取り、ラムに
 「な、なぁラム」と声をかけるとラムは
 「何だっちゃ?ダーリン」と言い、あたるは
 「い、いやぁ……俺とお前は、一緒に住んでるだよな?」と聞くと、ラムは
 「だっちゃ。それがどうかしたっちゃ?」と言ってあたるの顔を覗きこんだ。あたるは、そんなラムを見て思わず目を逸らし
 「い、いやぁ、お前は何処に寝てるのかなぁ?って思ってさぁ」と言うとラムは
 (あ、ダーリンもしかしてウチとダーリンが一緒に寝てるのか気になってるっちゃね)と思った。そしてラムは、そんなあたるに悪戯をしてみたくなり
 「ウチは、ダーリンの部屋で寝てるっちゃよ」と言うと、ニコリと笑った。あたるはラムの言葉で完全に勘違いをして
 (こ、この部屋でって事は……やっぱり一緒に……)と思い、急にラムを意識してしまった。そんなあたるを見てラムは
 (ダーリン、赤くなってるっちゃ)と思い、そんなあたるを可愛いと思った。しかし、すぐに
 (ダメだっちゃ。このダーリンは、向こうの世界のダーリンだっちゃ。あまり深く関わると大変だっちゃ)と思い直し
 「ダーリン、この部屋って言ってもウチが寝てるのは、ここだっちゃ」と笑いながら押し入れの襖を開けた。あたるはラムの言葉で、一緒に寝ては居ない事を知り少しホッとしたが、ラムの言った押し入れを見て
 「こんな所で寝てるのか?」と言うと、ラムは
 「うん」と笑顔で言った。そのラムの笑顔を見てあたるは
 (何でこんな押し入れなんかで寝かせてるんだ!)と思い
 「ラム!俺がこっちに居る間は押し入れなんかで寝ないで、部屋に布団を敷いて寝ろよ」と言った。ラムはあたるが思いもしない事を言ったので、戸惑いながらも嬉しくて
 「うん!」と満面の笑みで答えた。
  ーーーーパラレルワールドーーーー
        3時間前
 パラレルワールドのあたるが自宅に帰り玄関を開けると、あたるの母が台所から
 「あたるー、帰ったの?」と声をかけてきた。あたるは
 「あぁ」と答えると、あたるの母がエプロンで手を拭きながら
 「遅かったのね?すぐご飯になるから着替えてらっしゃい」と言うと、再び台所に戻った。あたるは何も言わずに階段を上がると、自分の部屋に入った。あたるは制服を脱ぎながら、自分の部屋を見渡した。その部屋は、あたるの知ってる自分の部屋とはまるで違うものだった。着替えが終わった頃、下の階から
 「あたるー、ご飯出来たわよー」と、あたるの母の声がした。あたるは部屋を出ると階段を降りて茶の間に行くと、そこにはテーブルの前に座る母と父の姿が有った。あたるは席につくと
 「頂きます」と言い、夕食を食べ始めた。親子3人の食事は、とても静かだった。あたるは、いつもラムが座ってる方をみたが、勿論ラムは居ない。あたるは親子3人の食事が、これ程までに淋しい物だと言う事を改めて知った。そんなあたるの様子に気付いた母が
 「あたる、何か元気ないみたいだけど何か有ったの?」と聞くと、あたるは
 「別に」と言うと箸を置き

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