うる星やつら―アナザーワールド― エピソード9 (Page 4)
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 「ご馳走さま」と言って、茶の間を出て2階の自分の部屋に行った。あたるは部屋の電気も点けずに部屋の片隅に座りこみ、部屋を見渡すと、思っていたより閑散としていて、何も無い事に気付いた。あたるはそんな部屋に1人だと言う事を改めて実感し
 「この部屋って、こんなに広かったっけ……」と言うと、押し入れの前に行き押し入れの襖を開けた。押し入れの中には、布団が入っているだけだった。あたるは再び押し入れの襖を閉めると、部屋の真ん中に仰向けになった。あたるは天井を見つめながら
 (ラム、俺、戻れるよな?俺達、また会えるよな?)と思ったが、急に不安になった。それは、もう一人のあたるの存在だった。あたるは
 (まさか、ラムに限って俺を裏切る事は無いよな?いくら向こうに居る俺が俺と同じ様でも、俺じゃない。ずっとラムと一緒に居たのは俺だ、ラムはそれを分かってるはずだ!)と思ったが、どうしても不安が消えずラムに会いたい気持ちが膨らんでいった。
   ーーーー元の世界ーーーー
 その頃、元の世界のあたるはラムを意識して態度がぎこちなくなっていた。そんなあたるにラムが
 「ダーリン、どうしたっちゃ?」と声をかけると、あたるはあたふたしながら
 「お、俺は別に何とも思ってないからな」と言って
 (し、しまったテンパって訳の分からん事を口走ってしまった)と思った時
 ピンポーン、ピンポーン
玄関のチャイムが鳴った。あたるは、先程の発言を誤魔化す様に
 「誰だ?こんな時間に」と言うと、部屋を出た。それを見てラムは
 「あ、ダーリン待って」と言いながらあたるの後を追って玄関に向かった。玄関では、あたるの母が来客を迎えていた。尋ねて来たのはサクラと錯乱坊だった。その2人を見たあたるは
 「あ、サクラさん!それに……チェリー……何でお前まで」と言うと、あたるの後ろからラムが
 「あ、チェリー!何でこっちに?向こうに居るはずじゃぁ……」と言うと、サクラが
 「実はな、それについてお主に知らせておかねばならん事が有って、この様な時間で申し訳ないが馳せ参じた訳じゃ」と言った。それを聞いてラムは
 「え?ウチに話?」と言うと、サクラは
 「うむ、実は向こうの世界との連絡方法なのだが…………」と言った。

 全く違う環境での生活を余儀なくされたあたる達。そこに現れたサクラの一言で、事態は急変する。

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