うる星やつら―アナザーワールド― エピソード11 (Page 2)
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サクラは、あまりの衝撃の事実に一瞬固まったが、すぐにラムから渡された機械を見て
「これは何なのだ?」と言うと、錯乱坊は
「ラムの話じゃと、メッセージらしいが」と言った。その機械は、一見薄型のモニターの様に見えたが、何も表示されておらず、横にいくつかのボタンが有るだけだった。サクラは、そのボタンの中の一番大きなボタンを押してみた。すると、機械にラムの顔が写し出され、メッセージを伝え始めた。
夕方になり、友引高校も放課後を向かえ、あたる達が校舎から出てくると、校門の前にサクラが腕を組んで待っていた。それを見てあたるは一瞬でサクラの横に行き
「サクラさん、いくら待ち遠しいからって学校まで迎えにくるなんて」と言って、腕を肩に回そうとした瞬間
みしっ
サクラの肘鉄が顔面にめり込んだ。それを見てメガネが
「ああなると分かっていても、敢えて果敢に挑むあたるの姿勢には、いつも感服させられる」と言い、パーマも
「あたるには、学習するって概念はないらしいな」と言った。そんなメガネ達をよそに、面堂はサクラの所に行くと
「サクラさん、わざわざ学校に来たって事は何か進展が?」と聞いた。するとサクラは
「うむ、実はラムからメッセージが届いてな」と言った瞬間、全員が驚きあたるは一瞬で立ち上がり
「ラムから?」と言い、面堂は
「しかしラムさんは、向こうの世界に居るはずでは?」と言ったが、サクラは
「とにかく、全員うちに来て欲しい。詳しい話は、向こうでしよう」と言うと、しのぶに
「しのぶ、すまぬが温泉先生を呼んで来てくれぬか」と言い、しのぶは
「わかったわ」と言うと、校舎内に戻って行った。サクラ達は先に家に戻り、ほどなくしてしのぶと温泉マークも、サクラの家に到着した。
全員集まるとサクラは錯乱坊がラムから預かってきた機械をテーブルの上に置き
「これで、ラムからのメッセージが見られる。とりあえず、みんな見て欲しい」と言うと、モニター横に有るボタンを押した。
《みんな元気だっちゃ?みんながこのビデオレターを見ているって事は、チェリーが無事にそっちに行けたって事だっちゃね》
映像がそこまで流れた時、あたるが
「チェリーって、どう言う事だ?」と言ったが、サクラが
「まぁ、とにかく最後まで見んか」と言ったので、あたるも大人しく続きを見た。
《みんなをこっちに戻す方法が分かったっちゃ》
映像がここまで流れると、今度はサクラと錯乱坊を除くみんなが一斉に歓喜の声をあげた。するとサクラは、再び
「いいから、続き見んか!」と言い、みんなまた映像を見始めた。
《方法は簡単だっちゃ、こっちとそっちで同じ時間に、入れ替わったみんながピグモンの前に居ればいいだけだっちゃ。そうすれば自然に入れ替わりが起きて、元に戻るはずだっちゃ。それで集合の時間だけど、明日の午後4時にしたいのでその時間にはピグモンの前に集まって欲しいっちゃ。それじゃぁ、よろしく頼むっちゃね》
そこで映像は終わった。ラムのメッセージを聞いた面堂が
「向こうに戻る方法って、そんな単純な事だったとは……」と言うと、しのぶが
「方法は簡単でも、実現が難しかったのね……それにしても、チェリーがこのラムからのメッセージを持って来たって、どう言う事?」と錯乱坊に聞くと、横に居るサクラが
「どうやら叔父上は、自由に向こうとこっちを行き来できるらしいのじゃ」と言うと、それを聞いたあたるは
「なに!おのれは、今までそれを黙っとったのか!」と言い、錯乱坊の襟首を掴んだ。するとサクラが、あたるの手をほどき
「まぁ、良いではないか。無事に戻れるのだから」と言った。あたるは、渋々錯乱坊から手を離した。するとパーマが
「所で、もう一人のチェリーは何処に?」とサクラに聞くと、サクラは
「さぁのぅ、空き地にでも居るのではないか?」と言った時、面堂がラムのビデオレターの機械のモニターを見て
「これは何だろう?」と言い指を指すと、みんな面堂の指の先を見た。すると、そこには何か矢印の様なマークが付いていた。それを見たメガネが
「これって、ページをめくるマークじゃないのか?」と言うと、あたるが
「分からなければ、押してみればいいんじゃないか?」と言うと同時に、そのマークに触れると一瞬モニターが真っ暗になり、再びラムが写し出されメッセージを伝え始めた。
《もう1つ大事な事が有るっちゃ。入れ替わりが済んだら、すぐに空間を閉じなければならないんだけど、それにはサクラとチェリーの力が必要だっちゃ。両方の世界から同時にそれぞれの世界のサクラとチェリーが、霊力を空間の歪みに放出すれば空間が徐々に閉じて行くはずだっちゃ。よろしく頼むっちゃ》
ラムのメッセージが終わると、カクガリが
「おい、チェリーを見つけないとマズいんじゃないか?」と言い、メガネも
「そうだな……」と言い、錯乱坊の方を向くと
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