うる星やつら―アナザーワールド― エピソード12 (Page 2)
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 「サクラさーん!」と叫んだ。すると、奥からサクラが出てきて
 「おぉ、来たか」と言うと、あたるが
 「チェリーは?」と聞いた。しかしサクラは
 「叔父上は、まだ戻っておらぬ」と言い、続けて
 「とにかく、ピグモンに向かうとしよう」と言って、家を出た。
 あたる達がピグモンに着くと、時間は3時半を回ったところだったが、錯乱坊はまだ来ておらず、あたるは
 「チェリーのやつ、まだ来とらんではないか!」と言い、パーマも
 「このままチェリーが来なかったら、ヤバイんじゃないか?」と言うと、サクラが
 「う〜む、まだ時間も有る事だし、もう少し待ってみようではないか」と言って、あたると、パーマをなだめた。
 一方、元の世界ではラムがランを呼んで来るとランの家に向かい、あたるはピグモンに向かった。あたるがピグモンのそばまで来ると、サクラとバッタリ出くわした。サクラは、あたるを見るなり
 「お主一人か?」と聞くと、あたるは
 「あぁ」と言い、それを聞いたサクラは
 「お主にしては珍しく大人しいな。やはり多少未練が残るか?」と聞いた。するとあたるは
 「…………そんなんじゃない」と言った。サクラも、あたるの様子からそれ以上の詮索はぜず、話題を変え
 「ラムの話では、4時まではピグモンの近くで待機する様にとの事だが……」と言うと、あたるは
 「そうな話は聞いてないが……」と言った。しかし、サクラが言う事なのであたるはピグモンの近くでサクラと待機する事にした。時間は3時40分になろうとしていた。その時、後ろから
 「どうしたの?2人でこんな所で」と声がしたので、あたるとサクラが振り返るとそこにはしのぶが立っていた。あたるが
 「あぁ、しのぶか……いや、サクラさんがこの辺で待機する様にラムに言われたらしくてさぁ」と言うと、しのぶは
 「え?そうなの?」と言った。その時、ラムがランを連れて来て
 「あれ?まだみんな集まってないっちゃ?」と言った。あたるはラムの後ろに居るランを見て
 「あのぅ、もしかして、この子がランちゃん?」とラムに聞くと、ラムは
 「そうだっちゃ、ランちゃんには今回の事で本当に助けてもらったっちゃ」と言い、ランの方を向いてニコリと笑った。するとあたるはランの手を両手で握り
 「いやぁ、君がランちゃんか、ラムの事いろいろ助けてくれたみたいだねぇ、なんだったらお礼にデートでもどう?」と言うと、ランは
 「いやだぁ、ダーリンったら。そんな事、ラムちゃんに怒られちゃう」と言った。そんなあたるに制裁を加えたのはラムでは無く、しのぶだった。しのぶの右ストレートがあたるに炸裂し、あたるは道路わきのブロック塀に殴り飛ばされた。そして、しのぶは
 「見境無く口説くな!」と言った。それを見ていたラムは
 「もぉ、ダーリンったら」と言い、心の中では
 (どっちのダーリンも、本質は変わらないっちゃねぇ)と思った。
 時間は、刻一刻と過ぎていく。時刻は既に3時50分を過ぎたが、未だ、面堂、メガネ、パーマ、カクガリ、チビ、温泉マークは現れない。しのぶは時計を見て
 「もう時間も無いのに、みんなどうしたのかしら」と言った。あたるは、しのぶの言葉を聞き
 (やっぱり、あいつら…………)と思った時
 「あ〜、間に合ったぁ〜」と言いながらパーマが走って来た。すると、その後ろから
 「パ、パーマ、待ってくれ〜」と言いながらメガネ、カクガリ、チビが走って来た。それを見てラムは
 「あ、パーマさん!それに、メガネさん、カクガリさん、チビさんも、来てくれたっちゃね」と言って、満面の笑みを浮かべた。すると、チビが
 「メガネが、帰る前にこっちの牛丼食べておきたいなんて急に言い出してさぁ」と言い、カクガリも
 「それで、急遽帰りに寄ることになったんだ」と言った。するとメガネは
 「ばか野郎!べつの世界の牛丼がどんな味か確かめずに帰れる訳無いだろう!」と言った。それを聞いて、あたるが
 「で、どうだったんだ?」と聞くと、パーマが
 「向こうと、全く変わらなかったよ」と言って、肩をすくめた。そんなパーマにメガネは
 「おだまり!!味より、それを食す事に意味があるのだ!」と言って、腕を組んだ。それを見てラムは
 「メガネさんらしいっちゃ」と言って笑った。
 その時、パラパラパラパラと上空から音がし、みんなが見上げると、そこには一機のヘリコプターがホバリングしていてドアが開くと、はしごが下ろされ面堂が降りてきた。そして、地面に降り立つと
 「遅くなり、申し訳ありません。向こうに帰る前にタコ達に別れを言って来たものですから」と言った。するとラムが
 「終太郎も来てくれたっちゃね」と言うと、面堂は
 「ははは、ラムさん、ぼくは女性との約束は死んでも守る男ですよ」と言って笑った。それを聞いたあたるが小声で
 『何を偉そうに、本当は帰る気無かったくせに』と言うと、面堂は刀に手をかけ
 「諸星、何か言ったか?」と言い、あたるは

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