うる星やつら―アナザーワールド― エピソード12 (Page 4)
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 「では、全員その窓の所に集合してくれ」と言った。あたるは、ラムの方を振り向くと
 「ラム、俺は何もしてやれないが…………諦めるなよ!」と言うと、ピグモンの窓の所に走って行った。ラムは、そんなあたるの言葉に胸が熱くなり
 (ダーリン……ありがとうだっちゃ)と思い、大きな蒼い瞳に涙を浮かべた。そして、温泉マークが消え、面堂、しのぶ、メガネ、パーマ、カクガリ、チビと消え、次にサクラが消え、最後にあたるの姿が消えた。全員ラムを見て微笑みながら消えて行った。すると、すぐに温泉マーク、面堂、しのぶ、メガネ、パーマ、カクガリ、チビ、サクラと現れ、最後にあたるが現れた。それを見たラムは
 「ダーーーリーン!」と叫びながら、あたるに抱きついた。あたるはラムを受け止めると
 「ラム……ありがとな」と言って、ラムを抱きしめた。しかし、次の瞬間ただならぬ殺気を感じ振り返ると、そこには目を怒りで血走らせた面堂、メガネ、パーマ、カクガリ、チビが今にも飛びかかろうとしていた。あたるが、慌ててラムを引き離そうとしていると、サクラが
 「お主ら、今はじゃれあってる場合では無いぞ!そこをどかんと、どうなっても知らんからな!」と言うと、錯乱坊と二人で霊力を集中し始めた。あたる達は、慌ててその場から逃げ出すと
 「サクラ!準備はええか」と錯乱坊が叫び、サクラも
 「いつでも大丈夫じゃ!」と言い、お互いに頷き合うと、2人共一気に霊力を放出した。それを見たランは、すぐに空間の歪みを機械で確認した。そしてランは
 「どんどん歪みが小さくなっていってるわ!」と言った。
 やがて錯乱坊とサクラに疲れが見えて来て、放出している霊力も弱まって来た。ちょうどその時、ランが
 「これだけ歪みが縮小すれば、もう大丈夫。後は、放っておいても自然に塞がると思うわ」と言った。するとサクラが
 「では、もう良いのだな?」と息を切らしながら言った。ランは
 「うん、もう休んで」と言った。それを聞いて、サクラと錯乱坊は霊力の放出をやめ、ぐったりとその場に座り込んだ。そして錯乱坊が
 「しかし、キツいのう。こりゃ、何か旨いもんでも食わして貰わんとなぁ」と言い、サクラも
 「うむ、わたしもいささか疲れたわい」と言った。
 錯乱坊とサクラを見守っていたあたる達も、歓喜の叫びを上げていた。
 そんな中、ラムだけは涙を流していた。それを見たあたるは
 (ラム……泣いているのか?)と思い
 「ラム、どうしたんだ?」と聞いた。するとラムは
 「あ、うん……やっと終わったと思ったら、涙が出てきちゃったっちゃ」と言った。そんなラムのルクシオンの数値を、ランが計測して思わずラムに
 「ラムちゃん!体に異変ない?」と聞くとラムは
 「う〜ん、別に何とも無いみたいだっちゃ」と言った。するとランは、機械を見つめたまま
 「ルクシオンの、ルクシオンの数値がどんどん少なくなってる!」と言うと、ラムは
 「え?」と驚きの表情を見せ、それを見たランは
 「大丈夫だった!大丈夫だったのよ!ラムちゃん!」と言うと、ラムの両手を掴んだ。ラムは、信じられないと言う顔をしてランの両手を握り返すと
 「ありがとう……ありがとうランちゃん……」と言って、涙を流した。


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