うる星やつら チェンジ・ザ・ライフ 第1章 はじまり (Page 2)
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 「はは…夜が明けちまった……」と呟いた。そしてあたるは、いつの間にか眠りに落ちていた。そんな時だった、再び現れたラムが待合所で眠っているあたるを見つけたのは。ラムはあたるに近付くと
 「やっぱり…やっぱりダーリンだったっちゃ…」と呟いた。そして更に
 「ダーリン、もしかして…ずっとうちのことを……」と言うと、大きな瞳一杯に涙を浮かべた。そしてラムは
 (こんな、こんなうちの事をダーリンは…ダーリンは待っててくれたっちゃ?)と思うと、涙は止めどなく流れ落ち、その場に立ち尽くした。その時、人の気配を感じてか、あたるが目を覚ました。あたるは呆然と目の前に立っている人物を見て、それがラムだと気付くと勢い良く立ち上がり
 「ラム!!」と叫んだ。そしてラムが泣いているのに気付くと
 「ど、どうした!何か有ったのか?」と言ってラムの肩を掴んだ。するとラムは俯き首を小さく振り
 「ううん、違うっちゃ」と言うと顔を上げ、涙の笑顔で
 「ダーリンが、こんなうちの事を待っててくれたのが嬉しくて…」と言った。あたるはわけが分からず
 「昨日も言っていたが、お前一体どうしたって言うんだ。分かる様に説明せい!」と言った。するとラムは突然あたるに抱きつき
 「ダーリン!うちを助けて!」と言った。あたるは更に混乱し
 「ちょ、ちょっと待て!助けてとはどう言う事だ?ちゃんと説明しろ!」と言うと、ラムの両肩を掴んで引き離しラムの目を真っ直ぐ見つめた。ラムは、あたるの目を見ると小さく頷き話始めた。
 「あの日、ダーリンと喧嘩をして家を飛び出した後だっちゃ。うちは急に空中でバランスを崩して近くの木の上に落ちたっちゃ」とそこまで話した時あたるが
 「落ちた?お前がか?」と言うと、ラムは頷き話を続けた。
 「その時の衝撃で、うちは気を失ったみたいで、次に目覚めた時は見知らぬ部屋のベッドの上だったっちゃ。うちが目を覚ますと、部屋の中に一人の男が椅子に座ってうちのことを見ていたっちゃ」と言った。それを聞いたあたるは
 「ちょっと待て、すると木の上に落ちたお前を誰かが助けて、そこに連れて行ったって事か?」と聞き、首をかしげた。そんなあたるにラムは
 「その部屋に居た男の話だと、うちが木の下に倒れていたから助けて連れて来たって言ってたっちゃ」と言った。それを聞いたあたるは
 「う〜ん、何か怪しいなぁ…目覚めた場所ってどこだ?」とラムに聞くと、ラムは
 「それが…はっきりしないっちゃ……目覚めた後も、頭がボーっとしていて記憶も曖昧なんだっちゃ」と言い、更に
 「それで、再び意識が遠くなって次に目が覚めた時には、この町に居たっちゃ」と言った。ラムの話を聞いたあたるが
 「すると、この町のどこかの家に居るのか?」と聞くと、ラムは
 「うん…でも家って言うか、何かの施設の様な所だっちゃ」と言って少し首をかしげた。すると、あたるは
 「そんな訳のわからん施設なんぞ抜け出して帰って来れば良かったではないか!飛んで来るなり、UFO呼ぶなりして」と言うと、ラムはうつむき
 「それが出来なかったっちゃ………」と言った。それを聞いたあたるが
 「……そんなに帰りたくなかったのか?」と言うと、ラムは大きく首を振り
 「違うっちゃ!帰りたくても帰れなかったんだっちゃ…」と言って、再び目に涙を浮かべ顔を両手で覆った。そんなラムを見た時、あたるはラムの腕に付いている妙なブレスレットの様な物に気付いた。それは、とても地球上の物とは思えない物だったが、そもそもラムが宇宙人なのだから地球外の物を身に付けていても不思議ではない。しかし、あたるはそのブレスレットが妙に気になった。しかし、今はブレスレットの事より何故ラムが帰れなかったのか聞く事の方が重大だと思い、ラムに
 「帰れなかったとは、どう言う事だ?そもそも助けてとは?」と聞いた。するとラムは
 「実はうち……うち、病気なんだっちゃ…」と言った。それを聞いたあたるは
 「病気?どんな?それが帰れない事と関係有るのか?」と言って、ラムをみつめた。ラムは、小さく頷き目に涙を一杯ためてあたるをみつめながら
 「うちは、何かの感染症に感染してるらしいっちゃ……そのせいで超能力も使えなくなって、髪の色も変わってしまったっちゃ」と言った。そして、ブレスレットをしている左手を、あたるの目の前に突き出すと
 「今は、このブレスレットで症状を抑えているから大丈夫だけど、外したらダーリンにも感染してしまうっちゃ」と言った。それを見てあたるは
 (だから逃げる時に空を飛ばなかった…いや、飛べなかったのか…)と思ったが、ふと違和感を感じ
 「そんな大変な感染症なら、何故こんな所に居るんだ?地球より、お前の星の方が治療に適しているのでは?」と言った。するとラムは
 「それが出来れば苦労はしないっちゃ…この感染症はとても危険で、感染者は星を出る事が出来ないらしいっちゃ」と言ったが、それを聞いたあたるは

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