うる星やつら チェンジ・ザ・ライフ 第1章 はじまり (Page 4)
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「分かったっちゃ」と言うと、嬉しそうに料理の盛られた皿を茶の間のテーブルに運んだ。
あたるは、そんなラムを見ながら
(やっぱりこれが現実だよな……)と思った。それと言うのも、さっき見た夢がどうしても頭から離れなかったからだ。
テーブルに料理が並ぶと、まるで餓えた獣の様にあたるとテンが朝食を食べ始めお互いのオカズの取り合い始めた。ラム達はテーブルを持ち、そそくさと部屋の端に移動した。テンは口からチロチロと火をちらつかせ、あたるはフライパンで迎撃の体勢だ。その時、半分呆れた顔で見つめるラムの顔があたるの視界に入った。そんなラムを見たあたるは、夕べ見た夢を思い出し
(あれは本当に夢だったのか?)と思った。その一瞬をテンは見逃さなかった。テンは
(今や!!)と思うと、大きく息を吸いあたるに向けて火を吐いた。あたるは
(しまった!)と思い咄嗟にフライパンで防ごうと思ったが間に合わず、モロにテンの火炎放射を浴びてしまった。
髪はちぢれ、顔は黒焦げになりプスプスと煙を上げるあたるに対しテンは
「どや!思い知ったか!それが人のオカズに手を出した者の末路や」と言うと茶の間を出て外に飛んで行った。フワフワと飛びながらテンは
「あー、せいせいしたで。何日ぶりやろか?こんな気分がええの」と言いながら満面の笑みで上空へと飛んで行った。
あたるは茶の間を出るとカバンを持って玄関に行き
「行って来ます」と言うと玄関を出て行った。それを見たラムは
「あ!ダーリン、うちも行くっちゃ!」と言い食事もそこそこにあたるに続いて
「行ってきま〜す」と言うと慌てて玄関を出て行った。茶の間に残ったあたるの母は
「は〜………やっと落ち着いてご飯食べられますね」と言いながら食事を続けた。
学校に向かう途中も、あたるは夢の事が気なって仕方なかった。そんなあたるを見ていてラムは
「どうしたっちゃ?ダーリン」と言いながらあたるの顔を覗いた。しかしあたるは考え事に集中しているのかラムの声が届かない様子だった。
ラムは、そんなあたるを心配しながらも、あたるの後をついて学校に向かった。
学校に着いても考え事をしているあたるを見たメガネは、ラムに
「ラムさん、あたるの奴どうかしたんですか?」と聞くとラムは
「それが、今朝から何だか様子が変なんだっちゃ」と答えた。それを横で聞いていた面堂は、スタスタとあたるに近付くと
「おい、諸星。珍しく考え事か?」と声をかけた。しかしあたるは面堂の方チラリと見たが、何も答えなかった。そんなあたるに面堂は
「まぁ、お前が考え事するなんてどうせサクラさんをお茶に誘う方法でも考えて居るんだろうがな」と言った。するとそれを聞いていたラムはあたるの所に飛んで行き、あたるに
「ダーリン!それ本当だっちゃ?」と言って胸ぐらを掴んだ。突然ラムに言い寄られたあたるは
「ちょ、ちょっと待て!何か変な話になってないか?」と言うと面堂の方を向き
「お前が変な事言うからだ!!」と怒鳴った。しかし面堂は
「ふん、やはりこう言う時普段の行いが出るものだな。そもそもお前が考え事などしているから誤解されるのだ」と言った。それを聞いたあたるは
「なに言ってやがる!俺が考え事しちゃ悪いか!異常だとでも言うのか?」と言った。するといつの間にかあたるの横に居たメガネが
「あぁ、充分異常だと思うぞ、あたる」と言ってあたるの肩に腕を回した。そして
「考えるより速く行動するお前が考え事なんて、どう考えてもおかしいだろう。さぁ、正直に言ってみろ」と言った。しかしあたるは、そんなメガネの腕を振り払うと
「いいから、放っておいてくれ!」と言って教室を出て行ってしまった。それを見たラムは
「あ、ダーリン待つっちゃ!」と言うと、あたるの後を追った。
第2章 疑念 に続く
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