うる星やつら チェンジ・ザ・ライフ 第1章 はじまり (Page 3)
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 「らしいって、お前はその病気を知らんのか?」とラムに問いかけた。するとラムは
 「うん…調べる手段も無いし、聞いても教えてくれないっちゃ」と言った。更に、あたるは
 「そのブレスレットで症状を抑えているって事は、お前にブレスレットを着けた奴はラムの病気が何なのか分かってるって事だよな?」と聞くとラムは
 「だと思うっちゃ」と答えた。それを聞いたあたるは
 「どうも怪しいなぁ…それほど危険な感染症なら普通は隔離して治療をするはずだが、そのブレスレットを着けて平然と外出させるなんて……そのブレスレットが壊れる可能性も有る。そんなリスクを無視して外出させるなんて」と言うと、ラムは
 「う〜ん、何でもこのブレスレットの効果が1日しかもたないみたいで、1日一回このブレスレットを別の施設…って言うか研究所みたいな所に持って行かなくちゃならないっちゃ」と言った。ラムの話を聞いたあたるは
 「益々怪しいな、病名を告げない上に危険を犯してまで別の施設に行かせる。しかも、誰か一緒に行く訳でもない……ラム、お前本当に病気なのか?」とラムに聞くと、ラムは
 「え?どう言う事だっちゃ?…まさか、ダーリンうちの事疑ってるっちゃ?」と言って、悲しそうな顔をした。しかし、あたるは
 「いや、お前を疑っている訳ではない。お前が騙されている様な気がしてならんのだ」と言った。あたるの言葉にラムは
 「騙されてる?うちが?」と戸惑いを隠せずにいると、あたるはラムの手をとり
 「ラム!そのブレスレット外せ!」と言った。するとラムは
 「何言ってるっちゃ!そんな事したらダーリンも感染してしまうっちゃ!」と言って手を引っ込めたが、あたるは
 「多分大丈夫だ…根拠は無いが」と言った。しかしラムは
 「ダメだっちゃ!」と言って、ブレスレットを着けた手を後ろに回した。そんなラムに、あたるは穏やかに
 「ラム、もしお前がブレスレットを外した事で俺が感染しても、俺は構わないと思っている。いや、むしろお前の苦しみを分かってやれるんだ。治療に向けて一緒に頑張れるじゃないか」と言って微笑んだ。その微笑みは、ラムが初めて見るものだった。その時、フッとあたるは思った
 (ん?待てよ…俺は何を言ってるんだ!俺がこんな事を言うハズないぞ……そうか!分かった!これは夢だ、夢に違いない!)
 その瞬間あたるは、異常な睡魔に襲われた。そして、もうろうとする意識の中であたるは
 (夢なら覚めろ!!)と強く念じた………次第に意識は遠くなり、あたるは眠りに落ちた。そして次の瞬間あたるは勢いよく起きた。そう、やはり夢だったのだ。あたるは周りを見て自分の部屋だと分かると、ホッと胸を撫で下ろした。
 しかし今見た夢を思いだし、急に不安になりラムが寝ている押し入れの襖をゆっくりと開けた。すると、そこには気持ち良さそうに眠っているラムとテンの姿が有った。もちろんラムの髪の毛の色もいつもと変わらなかった。 あたるは襖を閉めながら
 (しかし、とても夢とは思えん程リアルだったなぁ)と思った。そしてあたるは再び布団に入ったが、さっきの夢が気になり結局その後は全く眠れずに、気がつけば日が昇っていた。
 あたるは、寝ていられず布団から出ると学校へ行く準備を始めた。すると押し入れの襖が開き、ラムが目を擦りながら顔を出し
 「ダーリン…おはようだっちゃ」と言った。あたるはラムの方を振り返ると
 「あぁ、おはよう」と答えた。するとラムは時計を確認した後
 「ダーリン、ずいぶん早いっちゃね?」と言った。あたるはラムに背を向けたまま着替えをしながら
 「まあな」と言うと、ラムの顔をみて
 (しかし、あの夢は何だったのだ……あの時のラムの顔が頭から離れん…)と思った。そんなあたるの視線にラムは
 「ダーリンどうしたっちゃ?うちの顔に何かついてるっちゃ?」と言うと、押し入れから出てきてあたるの顔を覗き込んだ。そんなラムにあたるは、自分がラムを見つめていた事に気付き
 「い、いや!何でもない!」と言って、そそくさと支度をすると
 「あ〜、腹へった」と言って部屋を出た。あたるの後ろ姿を見ながらラムは首をかしげ
 「変なダーリン」と言った。すると
 「ラムちゃんおはよう」と大きな欠伸をしなからテンが押し入れから出てきた。ラムは振り返りテンを見ると
 「あ、テンちゃん。起きたったゃね」と言うとニコリと笑いテンを抱き上げ
 「おはようっちゃ」と言った。ラムはテンを抱いたまま部屋を出ると1階の茶の間に向かった。茶の間には、既にあたるとあたるの父がテーブルで朝食の準備が整うのを待っていた。
 ラムは
 「あ、おはようございますっちゃ」と言うと台所に向かい、せかせかと朝食の用意をしているあたるの母に
 「おかぁさま、おはようございますっちゃ。うちも何か手伝うっちゃ」と言った。するとあたるの母は
 「あらラムちゃん、おはよう。じゃあ、そこの料理を運んでくれる?」と言った。それを聞いたラムは

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