うる星やつら チェンジ・ザ・ライフ 第3章 確信 (Page 2)
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 「ダーリンどんな落書き彫ったっちゃ?」と言って木の落書きを見ると、そこには
   ヒョットコの泣き顔に【うわーん、暗いよ狭いよ】
 とセリフ付きで落書きが彫られていた。それを見たラムも
 「もう、ダーリンったら」と言って笑った。そんなラムが、あたるを追い回す面堂の視界に入り面堂は
 「ラ、ラムさん……」と呟くと、更に逆上し
 「諸星!貴様には地獄すらなまぬるい!」と、どこかて聞いた様なセリフを言うと、あたるに全身全霊の一振りを入れた。しかしあたるは、間一髪の所で面堂の一太刀を真剣白羽取りで受け止め
 「お、落ち着け面堂!」と言った。しかし面堂は
 「これが落ち着いてなど居られるか!」と言い、刀を握る手に力を込めた。あたるは、必死にこらえながら
 「あの落書きには意味が有るのだ!」と言った。すると面堂は
 「意味だと?一体どんな意味が有ると言うのだ」と問いかけたが、刀を握る手の力は緩めない。あたるも真剣白羽取りの状態のまま
 「いいか、俺が夢で見た木は間違いなくあの木だ!だから俺の見た夢が予知夢なら、次にあの夢を見た時に夢の中の木に、俺の落書きが有るはずだ!」と言った。あたるの話を聞いた面堂は
 「なるほど、だが仮にそうだったとして、なぜあの落書きなのだ?」とあたるに問うと、あたるは
 「あぁ、別に深い意味はないんだが…ついな」と言い笑った。その言葉に面堂は更に怒りの炎を燃え上がらせ
 「貴様に今日を生きる資格は無い!」と、またまたどこかで聞いた様なセリフを吐き、刀を握る手に更に力を入れた。
 そうこうしてる間に日は暮れた。いつまでも終わらない二人の追いけっこに痺れを切らしたラムが
 「もう!二人とも、いい加減にするっちゃー!」と言って電撃を放った。
  バリバリバリバリバリー
 二人は電撃をもろに喰らい
 「うぎゃゃゃゃゃー!!」
 と断末魔の叫びを上げると気絶した。そんな二人を黒服達は、そそくさと車に押し込みヘリの所まで運び、ヘリに放り込んだ。
 実に見事な連携である。きっと面堂家の黒服達は常にこの様な事態に対処できる様、訓練を怠らないのだろう。その鮮やかな手際に感心しながら他のメンバーもヘリに乗り込んだ。

 やがてヘリは面堂家の敷地内に有るヘリポートに着陸したが、未だに面堂とあたるは気絶したままで、目を覚ます気配はまったく無かった。それを見た黒服は
 「若、到着しましたよ」と声をかけると同時にどこからか取り出した木槌で立て続けに、面堂とあたるを殴った。その衝撃で二人は目を覚まし、面堂は自分が木槌で叩かれた事を悟ると、黒服に
 「貴様!主を木槌で殴るとは何事だ!」と怒鳴ると黒服は
 「でも、目が覚めたでしょ?」と言った。しかし面堂は
 「アホか!もっと他に起こし方が有るだろうが!」と言った。そんな黒服達を見たメガネは
 (こいつら手際がいいんじゃなくて、普段面堂にこき使われてる鬱憤を晴らしてるだけだな)と思った。
 みんなヘリから降りると、それぞれの家に帰る事にした。帰りは黒服がそれぞれの家に車で送ってくれるらしいので、みんな車に乗り込んだ。
 帰りの道中にしのぶが
 「私、一緒に行って意味あったのかしら?」と呟いた。それを聞いたパーマは
 「意味?そんな物有る訳ないだろう。俺達は、いつだってあたると面堂に振り回されているのさ」と言って笑った。それを見たしのぶは
 「はぁ、虚しいわぁ」と言うと、大きなため息をついた。
 みんな家に送り届けられ、最後にあたるとラムも家の前で降ろされた。時刻は夜7時を回っていた。

 その夜、あたるが寝ようとして布団に潜り込んだ時、押し入れの中からラムが顔を出し
 「ダーリン…大丈夫だっちゃ?」と言った。するとあたるは
 「あぁ、所詮は夢だからな。それに、同じ夢を見るとも限らん」と言って布団を被った。それを見てラムは
 「…ダーリンの落書きが有ったら、予知夢だっちゃね…」と言った。あたるはラムに背を向け
 「いいから、もう寝ろ」と言うと目を閉じた。ラムは、そんなあたるを見て
 「おやすみ…ダーリン」と言って、押し入れの襖を閉めた。そしてあたるは深い眠りに落ちて行った。

 あたるが目を覚ますと、グレーの髪のラムが心配そうにあたるの顔を覗き込み
 「あ、ダーリン!大丈夫だっちゃ?」と言った。あたるはゆっくり体を起こすと何やら呆然とした様子で
 「ラム…俺は、どのくらい寝てた?」とラムに聞いた。するとラムは
 「う〜ん、だいたい30分くらいだっちゃ」と言った。それを聞いたあたるは、勢いよく振り返り
 「さ、30分?夢の中では約丸一日経ってたぞ」と驚きを隠せずに居るとラムが
 「夢?本当にどうしたっちゃ?ダーリン」とあたるに問いかけた。するとあたるは
 「…また高校時代の夢を見たんだが、どうもその夢が気になってな」と言った。それを聞いたラムが
 「高校時代の夢?どんな夢だっちゃ?」と聞くと、あたるは

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