うる星やつら チェンジ・ザ・ライフ 第5章 逆襲 (Page 4)
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 「何で?確かにここに木が有ったハズだ…」と呟いた。そんなあたるをバス停のベンチで見ていたお婆さんが
 「そこには木が有ったんじゃが、突然消えてしまったんじゃよ」と言った。それを聞いたあたるは
 (消えた?)と思い、ハッと何かに気づきお婆さんの所に駆け寄ると
 「お婆ちゃん、消えたって…その木が消えたのっていつ?」と聞いた。するとお婆さんは
 「う〜ん、いつだったかのう?昨年だったかのう?いや、5年位前かのう?はたまた昨日じゃったか、良く覚えとらんのう」と言うと首をかしげた。それを聞いたあたるは
 (昨日かもって…ダメじゃ完全にボケとる)と思い、再び木の所に行くと
 (しかし、実際に木が無いんだから本当に消えたのかもしれん…だとすると、もしかして)と思うと、あたるは木が有った所に手を伸ばした。しかし、あたるの手は無情にも空を切った。あたるは、ラムのあの機械が木に何か影響を与えたのではないかと思ったのだ。それなら、目に見えないだけで木は、そこに有るハズだと思ったのだが、現実はそんなに甘くはなかった。せっかくブレスレットを切断できる道具が手に入ると思っていたあたるは、落胆を隠せなかった。そんなあたるに、またお婆さんが
 「そこには木が有ったんじゃが、突然消えてしまったんじゃよ」と声をかけた。あたるはそんなお婆さんの方を向くと
 「お婆ちゃん、その木が消えたのはいつ?」と、ダメ元で聞いてみた。するとお婆さんは
 「う〜ん、いつだったかのう?昨年だったかのう?いや、5年位前かのう?はたまた昨日じゃったか、良く覚えとらんのう」と言った。あたるは激しいデジャブに襲われた。あたるは諦めて、何か手がかりは無いかと木が有った場所を調べていると、またバス停のベンチからお婆さんが
 「そこには木が有ったんじゃが、突然消えてしまったんじゃよ」と言った。あたるは、振り返ると
 「もう!ええっちゅうんじゃ!!」と叫んだ。するとお婆さんは
 「最近の若い者は、人の言う事も聞けんのかのう」と言った。あたるは、もうお婆さんの事は相手にしない事を心に誓うと再び手がかりを探し始めた。
 あたるはしばらく調べてみたが何も手がかりになる様な物は発見できず、木が有った場所の土を掘り返してみても何も出てこなかった。その時後ろから
 「ダーリン!!」と声が聞こえ、振り返るとラムがこちらに向かって走って来ていた。あたるは立ち上がり振り返ると、ラムはあたるに抱きついて来て
 「良かったっちゃ、本当に心配だったっちゃ」と言った。するとあたるは
 「だから、大丈夫だって言ったろうが」と言った。ラムはあたるの顔を見てニッコリと笑うと
 「うん!」と頷いた。そして、あたるの後ろを見て
 「あ!木が!」と言った。それを聞いてあたるは
 「あぁ、そうなんだ…木が消えちまった」と言った。するとラムは
 「何でだっちゃ?昨日まで有ったのに」と言って木が有った場所をマジマジと見つめた。そんなラムにあたるは
 「実は、過去のラムがあの木の根本に、なんちゃらカッターってのを埋めてこちらに送ってくれたハズなんだが、肝心の木が消えちまったんだ」と言うと、ラムは
 「え?もしかして、ディメンションカッターだっちゃ?」と言い、あたるは
 「あぁ、確かそんな名前だったかなぁ」と言った。そして更に
 「それで、木が有った場所を探してみたんだが、それらしき物は見つからんのだ」と言った。ラムはあたるの話を聞くと
 「もしかして、昔のうち達の行動が未来を変えてしまったのかもしれないっちゃ」と言った。

            第6章  変化に続く

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