うる星やつら チェンジ・ザ・ライフ 第7章 復活 (Page 3)
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 「やっぱり、ここしかないか…」ラムは何気なく引き出しの中を覗いてみた。すると、そこにはおびただしい数の写真やノートが入っている。そしていくつか見えている写真には街で撮ったであろう女性が、何人も写っていた。あたるはラムが背後に居るのに気づくと、狼狽えながら言った。
 「な、何勝手にみてるんだ!」しかしラムは既に怒りに満ちた表情になっており
 「その引き出し、いつも鍵をかけてると思ったら、そう言う事だったっちゃね」と言うと、バチバチと放電を始めた。それを見たあたるは、何とかラムをなだめようと
 「こ、これは違うんだ!これには訳が…」そう言った瞬間、ラムは電撃を放ちながら言った。
 「何が違うっちゃーーー!!」
  バリバリバリバリバリバリ
 電撃はあたるに直撃し、あたるが手に持っていた数々の写真や、ノートは全て灰と化した。あたるは畳の上に落ちて墨と化したノートを拾いあげると、そのノートはパラパラとまるで紙吹雪の様に無惨に散った。その様子を見てあたるは、涙を流しながら言った。
 「お、俺のコレクションが…3年かけて集めたこの町の美女名鑑がぁぁぁぁ」そんなあたるにラムは
 「何が美女名鑑だっちゃ。そんな物無くなって良かったっちゃ」と言うと、プイッと横を向いた。あたるは怒りの表情を見せ
 「お前なぁ!俺がどれだけ苦労してあれを集めたと思ってるんだ!振られても振られても、めげずにアタックを続けやっと住所と電話番号を聞き出したり、平手打ちや肘鉄を喰らいながらも健気に話しかけた結果があのノート達には詰まっていたと言うのに、お前は!」とラムに言ったが、ラムはそんなあたるを冷ややかな目で見ながら
 「言いたい事はそれだけだっちゃ?どうやらダーリンにはまだお仕置きが必要みたいだっちゃね」と言うと、再びバチバチと放電を始めた。それを見たあたるは、慌てて言った。
 「な、何を言ってるんだ、人の話を良く聞け!俺は、よくぞ燃やしてくれたと言いたかったんだ」ラムは、仕方ないといった表情で放電をやめた。あたるはそんなラムを見て
 (くそ!ラムのやつ覚えとれよ)と思った。あたるは机の一番下の引き出しをもう一度確認して、ラムに
 「おいラム。例の道具有るか?」と聞くとラムはディメンションカッターを取りだし言った。
 「これだっちゃ?」あたるはラムの差し出したディメンションカッターを手に取ると
 「これを、この引き出しに隠す」と言った。それを見てラムは
 「あ、なるほど。ここなら安全だっちゃね」と言った。あたるはディメンションカッターを引き出しに入れると鍵をかけて言った。
 「これで、未来で俺がこの引き出しの中からこの道具を手に入れられるハズだ」ラムは感心して
 「さすがダーリンだっちゃ。引き出しからあんな物が出て来なければ最高だったっちゃ」と皮肉タップリに言った。あたるは苦笑いをしながら
 「まぁ、これで未来も何とかなるだろう」と言うと制服を脱ぎ着替え始めた。ラムも
 「うちもUFOに行って着替えて来るっちゃ」と言ってカーテンを開けようとしたが、あたるがそんなラムの腕を掴んで言った。
 「待て!」いきなりあたるに腕を捕まれたラムは
 「どうしたっちゃ?ダーリン」と言って振り返った。するとあたるは
 「泉の事も有るし、今日は外に出るのはマズイと思うぞ」と言って、ラムが開きかけたカーテンを閉めた。ラムは嬉しそうにあたるに抱きつくと言った。
 「ダーリン、うちの事心配してくれるっちゃね」しかしラムは、あたるが珍しく拒まなかったので不思議そうにあたるを見て
 「ダーリン、嫌じゃないっちゃ?」と尋ねた。あたるはそんなラムを見て言った。
 「べ、別に嫌な訳ではない。お前が人前で平気に抱きつくから拒むだけじゃ」それを聞いたラムは幸せそうな笑顔で
 「やっぱりダーリンは優しいっちゃ」と言った。あたるは急に照れ臭くなり
 「じ、じゃあ俺は風呂に入ってくるからな」と言って、逃げる様に部屋を出た。あたるは階段を降りながら
 (ラムのヤツ、たまにああいう顔するんだよな)と思った。
 あたるが風呂から出て部屋に戻ると既に布団が敷いてあり、ラムがいつもの虎縞ビキニ姿で布団の上に座っていた。それを見たあたるは言った。
 「布団を敷いておいてくれた事は礼を言おう。で、お前は何故そこに座っとる」ラムは満面の笑顔で
 「今日は、うちダーリンと寝るっちゃ」と言うと、布団に潜り込んだ。するとあたるは布団を掴むと引き上げながら叫んだ。
 「おまえなぁーー!」布団はあたるに一気に引っ張られ、ラムは転がる様に布団から放り出された。そしてラムは壁にお尻をぶつけ
 「いった〜い」と、お尻をさすりながらあたるに言った。
 「もう!何するっちゃ!」するとあたるは
 「こっちのセリフじゃあ!」と言って布団を元通りに戻した。ラムは、口を尖らせながらふて腐れた様子で呟いた。
 「あ〜あ、つまらないっちゃ」それを聞いたあたるは

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