うる星やつら チェンジ・ザ・ライフ 第7章 復活 (Page 4)
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 「つまらないとかの問題じゃなかろう!第一、耐電スーツなしでは寝られんだろうが!」と言うと、ラムは目を輝かせて言った。
 「じゃあ!耐電スーツ無しで大丈夫ならいいっちゃ?」それを聞いたあたるはラムに問いかけた。
 「どう言う事だ?」するとラムは
 「簡単だっちゃ。うちが寝なければいいんだっちゃよ」と言って、あたるの腕に抱きついた。だがあたるは
 「お前には危機感と言うもんが無いのか!お前狙われてる事忘れとりゃせんか?」そう言うと、腕をラムから引き離した。するとラムは少し考えてから言った。
 「忘れてたっちゃ」そしてラムは
 「ダーリンに心配かけるから、ダーリンの言う通り押し入れで寝るっちゃね」と言って、さっさと押し入れに入ると
 「ダーリン、おやすみぃ」と言って、押し入れの襖を閉めた。あたるはその場に取り残され
 (……惜しい事をしたか?…)と思うと、部屋の電気を消して布団に入った。そして、あたるは深い眠りに落ちた。

 あたるは目を覚ました。まだ外は真っ暗で、最初に目に写ったのは見慣れた天井だった。あたるは起き上がり周りを見渡すと、間違いなく自分の部屋だと言う事を確信した。しかし、妙な違和感を感じる。その訳は、自分が居るのが過去か未来か、良く分からなくなっていたのだ。何度も意識だけが過去と未来を行ったり来たりしているうちにどちらが本当の自分の現実なのか分からなくなっていた。しかも今回は、どちらも自分の部屋で目覚める事になった為に、余計に混乱してしまったのだ。
 あたるが今の状況を理解しようとしているその時、背後に気配を感じ振り返った。すると誰かが居る。部屋が暗いのでシルエットしか見えないが、そのシルエットを見てあたるは瞬間的に思った。
 (ラム!)しかし、良く目を凝らして見てみるとラムではないと分かった。それはしのぶだったのだ。どうやら、ここは未来らしい。しのぶは座ったまま寝ている様だった。あたるはしのぶを起こさない様に立ち上がると机に向かい鍵を取り、一番下の引き出しに手をかけた。
 (頼む!有ってくれ!)そう念じながらあたるは引き出しを開けた。そこには
  ……
  ……
  ……
 有った。
 過去で隠したディメンションカッターが引き出しの中に有ったのだ。あたるはゆっくりとそれを取り出すと近くに有ったバッグの中に入れた。
 その時、背後に気配を感じたあたるはゆっくりと振り返った。するとそこには目を覚ましたしのぶが目を擦りながらあたるを見ていた。しのぶは言った。
 「あたるくん…大丈夫なの?」あたるはバッグを下に置くと
 「あ、あぁ。しのぶが部屋まで連れて来てくれたのか?」と聞いた。するとしのぶは
 「そうよ。あたるくん急に意識を無くしちゃって大変だったんだから!」と言って、腕を組みほっぺを膨らました。あたるは、そんなしのぶの肩を抱くと、真顔で言った。
 「俺の事が忘れられないなら、素直に言えばいいのに」しのぶは手慣れた手つきで、あたるの手をつねり上げると
 「ラムが居なくなって元気が無さそうだったから心配してたけど、無用の心配だったみたいね」と言った。そしてあたるの部屋のドアを開けると
 「じゃあ、もう心配無いみたいだし、私帰るね」と言って、部屋を出ようとした時あたるは、しのぶを見送りながら小声で言った。
 「ありがとうな…」その瞬間、一瞬しのぶは立ち止まったが、すぐに部屋のドアを閉めて出て行った。
 あたるは、すぐにディメンションカッターを入れたバッグを手に取ると、急いで駅に向かった。そして、あたるは駅に急ぎながら思った。
 (これでラムのブレスレットを外す事が出来るハズ!これで、ラムの超能力が復活する!待っとれよ、ラム!)あたるは、いつの間にか走っていた。

          第8章  逆転に続く

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