うる星やつら チェンジ・ザ・ライフ 第8章 逆転 (Page 3)
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 「それなんだけど、ダーリンは家に帰ってたから知らないと思うけど、何故か全く騒ぎになって無いんだっちゃよ」思いもよらないラムの話にあたるは思わず声をあげた。
 「そんなバカな事有るか!研究員2人からIDカードと、カードキーを奪ってるんだぞ!気付かないハズが無い」確かに気付かないのは不自然だった。そこでラムは一つの可能性について話した。
 「これは、あくまで可能性の話だっちゃよ。もしかすると組織内部にうちらに協力してくれている人が居るかもしれないっちゃ」確かにそうだったら、騒ぎにならなかった事にも頷ける。そこであたるはラムに言った。
 「もしそうだったとすると、そいつは研究所に居るはずだよな?」するとラムはニコリと笑い
 「だから、研究所に潜り込む必要が有るっちゃ」と言った。そんなラムを見たあたるは呆れた様な顔で
 「そんな笑顔で言う事じゃなかろう」と言いつつも、重大な事に気づいた。
 (ハッ、ブレスレットが無ければ研究所が有る異空間に行けんではないか!)そう思ったあたるは2つになったブレスレットをくっつけてみた。しかし当然ながら、元に戻るハズもなかった。それを見たラムは
 「ダーリン、大丈夫だっちゃよ、うちに任せるっちゃ」と言うと、あたるの手からブレスレットを取りウインクをして上空に飛び上がった。久しぶりに空を飛ぶラムを見たあたるは思わず見とれてしまっだが、すぐに我に返り呟いた。
 「そうだった…ラムは飛べるんだよな」
 ラムは上空でUFOを呼び寄せるとすぐに中に入った。一年間も放置されていた割には中は思いの他綺麗だった。どうやら、お掃除ロボットがちゃんと掃除をしてくれていた様だ。ラムはすぐにブレスレットを何かの機械にセットすると機械はガタガタと音を立てて動きだし、やがてブレスレットは機械から出てきた。そして、ブレスレットはラムの腕から外れる前の状態に戻っていて、ちゃんと機能している様だった。それを見てラムは
 「よし、出来たっちゃ」と言うとそのブレスレットを持って急いであたるの元に向かった。
 その頃あたるはラムの帰りをバス停で待って居たが、暇をもて余していた所に駅から若い女性が出て来るのを見て
 (お!綺麗なねぇちゃん。ここで声をかけなければ一生後悔する)と思うと、一瞬でその女性に近づくと女性の肩に手を回して言った。
 「お嬢さん。是非僕と一緒にお茶でも飲みませんか?」女性が、突然現れて肩に手を回してきた男に驚き戸惑っていると、あたるは更に
 「僕は、君の様に美しい人を見た事がない!二人で親睦を深めましょう」と言って、女性の手を握った。女性は
 「は、はぁ」と未だ現状が把握できてない様子。そしてあたるは畳み掛ける様に
 「僕がいい所に連れて行ってあげますよ。にゃはははは」とだらしない笑顔を見せたが、次の瞬間あたるは背中に強烈な殺気を感じ、恐る恐る振り返った。するとそこには怒りの形相のラムが立っていて、硬直したあたるに言った。
 「へぇ〜、いい所って何処だっちゃ?うちも連れて行って欲しいっちゃね」ラムは、パチパチと放電している。そんなラムを見たあたるは突然滝の様に汗を流しながら握っていた女性の手を離し
 「ラ、ラム、落ち着け、なっ」とラムをなだめようとしたがラムは
 「ちょっと目を離せば、すぐこれだっちゃ!」と言うと更に激しく放電を始めた。あたるは慌てて
 「ま、待て!早まるな!」と言ったがラムは聞かず
 「うちは1年も電撃使えなかったから、1年分おみまいしてあげるっちゃ!」と言うと手を十字に重ねた。まるでウルトラマンの必殺技の様だ。それを聞いたあたるは孟ダッシュで走りだし
 「バカ野郎!1年分の電撃なんて喰らったら死んでしまうだろうが!」と叫んだが、ラムは一向に聞く耳を持たずに
 「ダーリンだったら大丈夫だっちゃ!うちの電撃の味を思い出させてあげるっちゃよ」と言うと電撃を放った。あたるは間一髪の所で避けて難を逃れたが、ラムは更に
 「ちょこまか動くんじゃないっちゃ!」と言って再び電撃を放った。そして今度はあたるも避けきれずに、モロにラムの電撃を喰らってしまった。
  バリバリバリバリバリバリ
 あたるはその場に倒れプスプスと煙を上げている。ラムはあたるに近づくと、あたるに言った。
 「これに懲りたら、もう他の女にはチョッカイ出さない事だっちゃね」あたるはフラフラと立ち上がると小声で呟いた。
 〈ラムの超能力も戻って、この一年間単調だったガールハントにも、スリルと言うスパイスが加わったんだ。チョッカイ出すなと言う方が無理と言うもんだ。にゃはははは〉そんなあたるの呟きをラムは聞き逃さなかった。ラムは
 「今、何か言ったっちゃ?」とあたるに詰め寄ると、あたるは
 「べ、別に何も言っとらんが…」と言ってそっぽを向いた。そして、誤魔化す様に別の話題を切り出した。
 「ところで、ブレスレットはどうなったのだ?」あたるが話題を切り替えたのでラムは、少し不満そうに言った。

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