うる星やつら チェンジ・ザ・ライフ 第8章 逆転 (Page 4)
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 「もちろん直ったっちゃよ。しかも、今度は簡単に外れる様にしたっちゃ」それを聞いたあたるは
 「簡単に外れるって、お前またそれ着ける気か?」と驚きの表情を見せるとラムは
 「これ、装着してないと起動しないみたいなんだゃよね」と言って自分の腕に装着した。するとたちまちラムの髪は緑からグレーへと変化を始めた。それを見てあたるは
 「おい!もしまた外れなくなったらどうするんだ!」と言ってブレスレットをしたラムの手を取った。するとラムは
 「大丈夫だっちゃよ。このボタンを押せば簡単に外れるっちゃ」と言って小さなボタンを押した。すると
  カチャッ
 と言う音と共にブレスレットは簡単に外れた。ラムの髪も今度はグレーから緑色に変わっていって元通りに戻った様だった。あたるはそんなラムを見て
 「だ、だけど、そのボタンが壊れる可能性も有るから充分注意しろよ」と言った。するとラムは、そんなあたるに
 「やっぱりダーリンは、うちの事心配してくれてるっちゃ」と言って抱きついた。ラムに抱きつかれたあたるは、回りを気にしながらラムを引き離すと
 「いちいた抱きつくな!俺はただ、またそのブレスレットを外す為に苦労したくないだけじゃ」と言うと、続けて言った。
 「それより、早く研究所に行こう」

 ラムがブレスレットを着けて、亜空間を次々に移動していく。あたるはラムからはぐれない様に必死に後をつけていると、やがて二人はあの研究所の前に到着した。そこであたるが言った。
 「お前はブレスレットが有るから問題なく入れるが、俺はどうしたらいいんじゃ」そんなあたるの言葉にラムはニヤニヤしながら言った。
 「うちにピッタリくっついて行けば大丈夫なんじゃないっちゃ?」あまりにお粗末なあたるの作戦を皮肉たっぷりに言うラムにあたるは
 「う、うるさい!そんな事より、何か考えろ!」と言った。ラムは困った様子で
 「そんな事言ったって、この前みたいに誰か来てくれれば何とかなるけど……」と言った。するとその時、後ろから誰かが話しかけた。
 「おい!お前ら、こんな所で何してる」その声を聞いてあたるとラムは振り返った。すると、その瞬間3人は同時に
 「あっ!!」と叫んだ。そこに居たのは前にあたるとラムが捕獲してIDカードを奪った研究員だったのだ。研究員はすかさず
 「お前たちは、この前の!」と言った。しかしあたるとラムがこのチャンスをのがす訳が無かった。あたるとラムはお互いの顔を見てニヤリと笑うと研究員に飛びかかった。研究員は後退りしながら叫んだ。
 「や、やめろーー!」結局研究員は、研究服とIDカードをあたるに奪われ、ロープです巻きにされてしまった。
 あたるとラムは研究施設の中に入ると一直線にいつもラムが電気エネルギーを奪われている部屋に向かった。ラムはあたるに小さく頷くとなに食わぬ顔で中に入った。あたるはその様子をドアの隙間から伺っていた。あたるが部屋の中の研究員をもう一度よく見ると、やはり泉だった。泉はラムに近づきながら言った。
 「ラムさん。どうやらブレスレットを外す事に成功した様ですね」それを聞いたラムは驚き、思わずブレスレットを外し後ろに飛び退き言った。
 「お前!どうして…」泉はラムの質問には答えずに、あたるが隠れているドアの方を向くと
 「諸星くん、警戒する事は無いよ。出て来てくれないか?」と言った。あたるは突然の泉の言葉に驚きながらも
 「バレちまっちゃあ、仕方ない」と言いながら部屋の中に入って行った。泉はあたるに対して笑いかけると操作盤のボタンを押した。すると
  ガチャッ
 という音と共にドアが閉まりロックされた。あたるは一端ドアを見たが、すぐに泉の方を向き質問した。
 「お前はどっちなんだ?」それを聞いた泉は
 「さすがだね、こんなに早く気づくとは思わなかったよ」と言った。あたると泉の会話を聞いていたラムは訳が分からず、思わずあたるに聞いた。
 「ダーリン、どう言う事だっちゃ?」するとあたるは泉から目を離さずに言った。
 「こいつの名前は【泉 健太】おそらく、組織の人間じゃない」あたるの言葉に泉は
 「ほう、僕の名前まで分かっているんだね」と言った。そしてあたるとラムの方に近づきながら
 「過去で僕に会ったかな?」と言うと、ニヤリと笑った。あたるは驚き、思わず叫んだ。
 「な、何で!」泉はあたるとラムの少し手前で立ち止まると
 「なぜか?それは、僕が諸星くんの意識を過去の君とリンクさせたからだよ」と言って不敵な笑みを浮かべた。それを聞いたあたるとラムは、あまりの衝撃に言葉を失った。
 そして泉は、研究服を脱ぎ捨てると言った。
 「さぁ、これで形勢逆転だ」

         第9話  目的に続く

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