うる星やつら チェンジ・ザ・ライフ 第9章 目的 (Page 2)
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 「そうか…とにかく僕は出来る限り君達に協力するから。多分、僕と君達の目的は同じ…僕は君達が動き易い様に手を回しておくから、困ったら連絡して欲しい」そう言って、あたるに小型の通信機を手渡した。あたるが通信機を受けとると、それを見ていたラムが泉に聞く。
 「これが通信機型の発信器って事はないっちゃ?」すると泉はラムの目を見つめ、
 「ラムさん、僕はそんな姑息な真似をする人間じゃ有りません」と言った。そんな泉にラムは険しい表情で
 「……分かったっちゃ。でも、もしも裏切る様な事が有ったら、その時は覚悟するっちゃ」と警告した。
 泉はラムの話が終わると無言で頷き、操作盤の所へ行くと何かのボタンを押した。すると
  ガチャン
 と言う金属音がドアの方から聞こえた。どうやら、ドアのロックを解除した様だ。あたるはドアの所へ行くとドアを開けてみた。すると、さっきまでピクリとまも動かなかったドアが何の抵抗もなく開いた。あたるとラムは部屋から出ると泉の居た部屋を後にした。その後あたるとラムは、ブレスレットの指示に従い亜空間を抜けて、雀の宮に戻った。そしてラムがあたるに聞く。
 「ねぇダーリン。あいつの事、どう思うっちゃ?」あたるは、少し考えてから答えた。
 「気にくわんなぁ。知らなかったとは言え、ヤツの計画通りに動いちまったのが気にくわない!まるで手のひらで転がされてるみたいじゃないか」するとラムは
 「そんな事ないっちゃよ。確かにあいつがダーリンの意識を過去とリンクさせた結果、うちのブレスレットを外す事が出来たかもしれないけど、それはあくまで切っ掛けに過ぎないっちゃ。うちを救ってくれたのはダーリンなんだっちゃよ」と言うとあたるの両手を握りしめた。そんなラムの言葉を聞いたあたるは微笑みながら
 「そうだな」と言うと、一転険しい顔つきになり
 「さて、これか らどうするか…」と言った。するとラムはあたるの顔を見て
 「そんなの決まってるっちゃ」と言ってニヤリと笑い、あたるも不敵な笑みを浮かべて言った。
 「だよな。やるか」
 「当然だっちゃ」
 「この1年の報いを受けさせんとな」
 「だっちゃ、うちとダーリンを敵に回した事を後悔させてやるっちゃ」二人はとりあえず武器を調達する為にラムのUFOに行く事にした。

 UFOの中で武器を探すあたるとラムだったが、もともと戦闘用のUFOじゃないので武器らしい物は無かった。そこでラムは
 「こうなったら、何かの道具を使って対処するっちゃ」と言った。するとあたるは
 「どんな道具が有るんだ?」とラムに尋ねると、ラムは何かの道具を出して言った。
 「石ころボウシ」それは、表面が石の様な帽子だった。ラムはそれを持って説明を始める。
 「この帽子を被ると、誰にも気に止められなくなるっちゃ」それを聞いたあたるが
 「姿が見えなくなるのか?」と聞くと、ラムは首を振りながら言った。
 「違うっちゃ。見えなくなるんじゃなくて、誰からも気にされなくなるっちゃ。道端に転がっている石なんて、誰も気にしないっちゃよね?そんな風になれる帽子だっちゃ」それを聞いたあたるは、わなわなと肩を震わせて怒鳴った。
 「それじゃあ、ドラ○もんの秘密道具そのままじゃないか!」そんなあたるにラムは
 「ダーリン、何を怒ってるっちゃ?じゃあ、これはどうだっちゃ?」と言うと、何やら服の様な物を出してテキパキとした手つきであたるに着させた。その出で立ちは、赤と黒の詰襟つきの軍服に腰のベルトには銃とサーベル。白いヘルメットにグレーのゴーグル姿だった。着せ終わったラムは満足気だ。そんな格好をさせられたあたるが
 「おい、まさかこの服は、スピードが通常の3倍…」と言いかけると、すかさずラムが
 「そう!ダーリン良く知ってるっちゃね。その服はスピードが通常の3倍の人が着ていた軍服だっちゃ」と微笑みながら言った。あたるはワナワナと全身を震わせながらラムに聞いた。
 「着ていた軍服って事は、これ着てもスピードが通常の3倍になる訳じゃないんだな」あたるの質問にラムは何を言っているんだとばかりに
 「当たり前だっちゃ。着るだけでスピードが通常の3倍になんてなる服有るわけないっちゃ」と言った。それを聞いたあたるは大声で怒鳴った。
 「お前!ふざけてるんじゃないだろうな!こんなガ○ダムのシ○アそのまんまの服で、しかも何の効果もない無い服着せてどうしようっちゅうんじゃ!!」あたるは服を脱ぎ捨て、ヘルメットを叩きつけた。それを見てラムは
 「もう、ダーリンったらそんなに起こらなくても…」と言って次の道具を探し始めた。あたるはそんなラムに
 「まとも物は無いのか!まともな物は」と言うと、ラムの手元を覗き込んだ。するとラムが次に手にしたのは何かの巻物だった。その時あたるは見た。一瞬だったが確かに見た。そこには間違いなく【北斗】と書かれていたのだ。しかも日本語で!
 あたるはラムの肩に手を置き言った。

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