うる星やつら チェンジ・ザ・ライフ 第9章 目的 (Page 3)
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 「ラム…お前、遊んでるな」ラムは巻物を手にしたまま振り向くと、ひきつった笑顔で
 「バ、バレたっちゃ?」と言った。あたるは
 「お前、こんな時に何考えとんじゃ!!」と怒鳴ると
 「もういい、俺が自分でさがす!」と言って道具を探し始めた。あたるは勢い良く啖呵を切ったものの、やはりどれが使える道具か判らずにラムに聞いた。
 「な、なぁラム。何かいい道具は無いのか?」するとラムは皮肉たっぷりにニヤニヤしながら
 「自分で探すんじゃなかったっちゃ?」と言った。そんなラムにあたるは
 「そ、それはお前が真面目に探さないからだろ?」と言い、更に
 「第一、そもそも使える道具なんて有るのか?」と尋ねると、ラムは
 「失礼だっちゃね、ちゃんと有るっちゃよ」と言って、何かを手に取った。そして、それをあたるに渡すと得意気に
 「その道具は、自分の周りの空間を歪ませて姿を見えなくするっちゃ」と言った。それを聞いたあたるは
 「凄いじゃないか!こんないい道具が有るなら何故最初から出さんのだ」と言ったが、ラムは言いにくそうに言った。
 「ただ、止まってる時は見えないけど動くと見えてしまうっちゃ」ラムの言葉にあたるは思わずコケてしまい
 「それじゃあ何の役にも立たんではないか!」と大声で言った。とは言いつつも、他にめぼしい道具も無くあたるは、渋々その道具を使う事にした。
 二人は雀の宮に戻り、とりあえずラムが暮らしていた施設に行く事にした。その施設の外観は福利厚生施設の様で、誰が見ても犯罪組織のアジトだとは思わない造りだった。あるとラムは近くの茂みに身を潜め、少し様子を伺う事にした。施設に出入りする人影は無く、まるで人の気配がしない。あたるはその建物を見てラムに聞いた。
 「お前は1年間も、ここで暮らしてたのか?」ラムは無言で頷いた。そしてラムは
 「うちは、ダーリンとうちの生活を奪った連中を絶対に許さないっちゃ」と言った。ラムの表情からは、強い意思が伝わって来るのが分かった。
 あたるは改めてラムに聞いた。
 「この施設の情報、お前はどれくらい分かってるんだ?」あたるの質問にラムは
 「実は、中での行動は制限されていてあまり詳しくは分からないっちゃ」と言った。それを聞いたあたるは
 「そうか…だったら、いっその事正面から堂々と入ってやるか」と言うとラムも
 「だっちゃね」と言って微笑んだ。それを聞いたあたるはニヤリと笑うと
 「もしバレたら、その時は全面戦争じゃ!」と言った。そして、あたるとラムはゆっくり茂みから出て建物に向かおうとした時、突然背後から声をかけられた。
 「ちょっと待って!」あたるとラムは驚いて振り返ると、そこには泉が立っていた。泉は、あたるとラムの手を引き茂みに戻すと言った。
 「そのまま正面から乗り込むなんて無謀すぎる!」あたるがよくよく泉を見ると、泉はまるで忍者の様に黒い服を着こんでいる。そこであたるは泉に聞いた。
 「そろそろ本当の事を教えてもいいんじゃないか?」泉は仕方ないと言った表情で
 「そうだね、もう僕の方も充分な情報は得たし、教えてもいいかな。僕の正体と目的を」と言った。するとラムがバチバチ
と放電しながら言った。
 「そんな前置きはいいから、さっさと言うっちゃ!うちは今、すこぶる機嫌が悪くて暴れたくて仕方ないっちゃ」ラムの迫力に圧倒された泉は慌てて言った。
 「じ、実は僕は銀河パトロールの隊員なんだ」それを聞いたラムが
 「その銀河パトロールが犯罪組織なんかで何やってるっちゃ」と聞くと、泉は
 「ラツヤ・イルワには、銀河パトロールも手を焼いていたんだ。奴等なかなか尻尾を出さないから銀河パトロールは思い切った作戦に出た…」と言った所であたるが
 「潜入任務か」と言うと、泉は
 「そう、組織に潜入して確たる証拠を掴み、組織を壊滅させるのが目的。そして僕がその潜入任務に就く事になったんだ。組織は10年以上前からラムさんの事を狙っていたんだけど、ラムさんが鬼星に居る時は手を出せなかった。でも、ラムさんが地球に来た事で組織はラムさんの捕獲に向けて動き始めた。それを知った銀河パトロールはラムさんを守る為にラムさんの監視を開始したんだ。そして、その時に僕は組織に潜入した。そう、組織内部からラムさんを守る為に。しかし、潜入して3年程経った時に予想外の事が起きてラムさんは組織に捕まってしまった。そこで僕は今度はラムさんを解放する事にした。その後の事はさっき話した通りだよ」と言った。泉の話を聞いたラムは
 「10年も前から?何でそこまでうちにこだわるっちゃ?」と泉に聞くと、泉は言った。
 「それは、ラムさんの電気エネルギーが裏マーケットで、とんでもない高値で取引されているからだよ」するとあたるが口を挟んだ。
 「お前はそれを知っていてラムの電気エネルギーを吸いとってたって訳か」しかし泉は

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