うる星やつら ☆赤い花が散る時☆ 第1話 真紅の花 (Page 2)
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 「なんや!びっくりするやないか」と言うと、あたると一緒にラムが居ない事に気づき
 「なんや?ラムちゃんはどないしたん?」と言ったが、すぐにニヤニヤと笑いながら
 「また喧嘩したんやな?どうせお前が他の女にちょっかい出してラムちゃん怒らせたんやろ」と言うと、更に
 「少しは、反省したらええのや!」と置きセリフを言うと、窓から飛び去った。あたるは、テンの言う事に一言も反論せずに、ただ空をみつめ
 (まぁ、すぐに戻ってくるさ…)と思ったが、妙な胸騒ぎを感じた。
 その頃ラムは、UFOの中で
 (どうしてダーリンはウチの事だけを見てくれないっちゃ?もしかして、本当にウチの事…)と思い、不安を募らせていった。そんな時
 「ラムちゃーん」とテンがUFOに入って来て
 「また、あたると喧嘩したんのんか?」と尋ねるとそれを見たラムは
 「あ、テンちゃん」と言って、ノロノロと飛んで来るテンを抱き寄せると
 「実は、そうなんだっちゃ」と言うと、悲しそうな顔で続けた。
 「ウチ、ダーリンが分からないっちゃ。何で他の女の子ばかり気にするのか…」
 それを聞いてテンは
 「あたるの奴、慌てて帰って来て、ラムちゃんが居らんのが分かると途端に静かになったで。あいつも少しはラムちゃんの大切さが分かったんやろ。たまにはいい薬や」と言った。テンの話を聞いてラムは
 「本当だっちゃ?」と言うと、急に笑顔になり
 「やっぱりダーリンは、ウチの事想ってくれてたっちゃね」と言ってテンを抱きしめた。
 翌朝ラムは、あたるの部屋に向かって飛んで行くと、途中の木の枝に妙な花が引っかかってるのを見つけた。ラムは、その花の所に行くとその花を見つめた。その花は虹色に輝いており、明らかに地球上の物ではない事が分かった。
 「綺麗な花だっちゃね」と言い、その花に手を伸ばして花を手にした。すると、さっきまで虹色に輝いていた花はみるみる色が変わり、真紅に染まった。それを見たラムは
 「え?どうしたっちゃ?」と言って花を手放そうとしたが、何故かその花を手放してはいけない気がして、花をUFOに持ち帰り鉢にいけた。
 ラムはその花を見てると不思議な感覚になり、昨日のあたるとの喧嘩が馬鹿らしく思えてきた。ラムは花をテーブルの上に置くと、再びUFOを出てあたるの元へと向かった。 ラムがUFOから出て少しした時、花は真紅の花びらを一枚落とした。

 ラムがあたるの部屋に行くと、あたるの姿は無かった。ラムは下に降りて茶の間に行くとそこには何となく元気の無さそうなあたるの姿が有った。それを見てラムは
 (やっぱりテンちゃんの言う通りだったっちゃ)と思い、茶の間に入り
 「おはようだっちゃ」と元気よく挨拶をした。するとあたるの父と母は
 「あ、ラムちゃん、おはよう」と挨拶を返したが、あたるはチラッとラムの方を見ると
 「なんだ、帰ったんじゃないのか?」と言って、ガツガツと朝食を食べ始めた。ラムは一瞬ムカッときたが、すぐに気を取り直し
 「ダーリンが居るのに帰る訳ないっちゃ」と言うと、あたるの横にチョコンと座った。あたるはラムの方を見向きもせず
 「そうか、そりゃ残念だ。やっと心置き無くガールハントが出来ると思っておったのに」と言った。しかしその横顔は、どこかホッとしてる様に見えた。ラムはそれが分かっただけで充分だった。
 あたるとラムがいつも通りに学校に向かっていると、突然道路横のゴミバケツがガタガタと動いた。それに気づいたラムが
 「ダーリン、このゴミバケツの後ろに何か居るっちゃ...」と言い、それを聞いたあたるはゴミバケツに近づくと
 「おい!出てこい!」と叫びながらゴミバケツを蹴飛ばした。すると何と、ゴミバケツの中から人が出て来たではないか。その人物はモゾモゾと動きながら立ち上がると、あたるとラムを見て
 「やぁ、あたるさんとラムさんじゃありませんか」とへらへらした笑顔で言った。その出で立ちは、うさぎの全身スーツと言う独特の姿でそれを見たあたるは
 「お前は因幡じゃないか」と言い、続けてラムが
 「こんな所で何やってるっちゃ?」と聞いた。すると因幡は
 「いやぁ、ちょっと落し物をしてしまいまして」と言って頭を掻いた。それを聞いてあたるは
 「お前は本当にドジだな」と言うとスタスタと歩き出し
 「まぁ、頑張って探すんだな」と言って後ろ向きで手を上げた。ラムはあたるが行くのを見て
 「ごめんっちゃね、一緒に探してやりたいけど・・・」と言って、申し訳無さそうにあたるの後を追った。それを見て因幡は
 「はぁ、まいったなぁ。早く見つけないとまた怒られちゃうよ」と言いながら周辺を探し始めた。

 学校に着くと、すぐにラムの所に面堂・メガネ・パーマ・カクガリ・チビがやってきて、あたるを押し退けると
 「ラムさん、やはり帰ってはいなかったんですね!」と面堂が言い、続いてメガネが涙を流しながら
 「ラムさん!良く思い留まってくれました!」と言った。するとそれを聞いたラムは、苦笑いを浮かべながら

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