うる星やつら ☆赤い花が散る時☆ 第1話 真紅の花 (Page 3)
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 「みんな、ごめんっちゃ。心配させちゃったっゃね」と言った。するとパーマが
 「ラムちゃんが謝る事ないよ!悪いのはあたるなんだから」と言って、あたるに
 「おい、あたる!ラムちゃんに謝ったのか?」と言うとあたるは
 「は?何で俺が謝らにゃならんのだ」と言うと、面堂達は一斉に
 「何だと?」と怒りを露にしたが、それを見てラムが
 「まぁまぁ、みんな。ウチもこうして居る訳だし、ダーリンを許してあげて欲しいっちゃ」と言った。ラムの言葉を聞いた5人は
 「まぁ、ラムさんがそう言うなら・・・」としぶしぶ引き下がると、あたるは
 「そうそう、部外者の君たちは大人しく引っ込んでなさい」と言った。面堂達5人は歯を食いしばって悔しがっていたが、あたるはそれをよそ目にしのぶの所へ行き
 「なぁしのぶぅ、さっき道端に因幡が転がってたぞ」と言い、ラムも
 「何かを探してるって言ってたっちゃ」と言った。するとしのぶは
 「え?因幡くんが?」と言い、ため息をつくと
 「また何か落としたのかしら。相変わらずドジね」と言った。それを聞いたラムは
 「しのぶ、助けに行かないっちゃ?」と言い、しのぶの顔を覗き込むと、ラムと目が合ったしのぶは
 「な、何で私が手伝いに行かなくちゃいけないの?」と言って目を逸らした。それを見てラムは
 「ふーん、しのぶと因幡くんはお似合いだと思ったっちゃけどね」と言った。すると2人の会話を聞いていたあたるは
 「何を言ってるんだ!しのぶとお似合いなのは俺に決まっとろうが」と言うと、しのぶに抱きつこうとしたが、しのぶは
 「誰があんたとお似合いよ!!」と言いながら机であたるを殴った。それを見ていたラムは
 「ダーリン!全然懲りてないっちゃね?」と言うと倒れてるあたるの所へ行き、気絶しているあたるの首を前後へと揺さぶった。しのぶは、そんなあたるとラムの様子を見て深いため息をつくと、窓の外を見て
 (因幡くん、大丈夫かしら)と思った。

 その頃因幡は、半ば探し物は諦めて公園のベンチに座り1人愚痴をこぼしていた。
 「だいたい、何でいつも僕が運びものをしなくちゃいけないんですか?僕が方向音痴で、すぐに落し物をするのも知ってるのに」と言うと、ハッとなり
 「まさかこれは、僕を困らせる為にわざとあんな仕事を任せてるとか?」と言った。そして大きなため息をつき
 「でも、もしアレが誰かの手に渡ってしまったら大変だよなぁ」と言って、また落し物を探し始めた。

 学校も終わり、しのぶは家に向かって歩きながら
 (因幡くん、探し物見つかったかしら)と思っていると、道の真ん中に見覚えのあるうさぎの着ぐるみを着た人が倒れていた。しのぶはそれが因幡だと一目見て分かり、すぐに駆け寄ると
 「因幡くん?」と声をかけた。するとそのうさぎの着ぐるみは顔を上げ、しのぶを見ると
 「あ、しのぶさん」と言うと申し訳無さそうに笑顔を作り
 「また、行き倒れちゃいました」と言った。しのぶは呆れた様な顔で
 「全く、因幡くんも変わらないわね」と言うと、倒れてる因幡に手をさし伸ばし
 「喫茶店でも行こう」と言って、ニコリと笑った。
 喫茶店に入り一息つくとしのぶは因幡に聞いた。
 「ねぇ、今度は何を落としたの?また鍵?」しのぶの質問に因幡は飲み物をストローで吸い上げながら答えた。
 「いやぁ、今回は鍵じゃないんです」因幡の答えに興味津々のしのぶは
 「え?じゃ何なの?」と更に聞くと、因幡は言いにくそうにしていたが、しのぶの顔をみると決心したのか話し初めた。
 「本当は、人に喋っちゃダメなんですけど・・・しのぶさんならいいか」因幡は、そう言うと笑顔になり話を続けた。
 「探しているのは花なんです」それを聞いたしのぶは、因幡の予想外の探し物に戸惑いながら
 「花って、あの花?」と取り留めのない質問をした。すると因幡は
 「はい」と答え、更にしのぶは
 「何で花を探してる事を喋っちゃダメなの?」と当然の疑問を投げかけた。それを聞いて因幡は、小さなため息をついて話しはじめた。
 「それが・・・ただの花じゃないんです・・・あれをもし人が見つけてしまったら大変な事に・・・」因幡の言ってる事が良く分からないしのぶは
 「大変な事って・・・花でしょ?」と聞いた。しかし因幡は深刻な表情で
 「ただの花じゃないんです・・・見た目はただの綺麗な花なんですけど、実はとんでもない力を持った花なんですよ」と言って頭を抱えた。そんな因幡の姿を見てしのぶは
 「だったら、わたしも一緒に探してあげるから」と言った。そんなしのぶに因幡は涙目になりながらしのぶの手を取り
 「しのぶさん!ありがとうございます!」と言った。そんな因幡にしのぶは微笑みかけると
 「それで、その花ってどんな花なの?」と聞き、因幡は答えた。
 「見た目は、虹色の綺麗な花です」しのぶは、それを聞くと
 「虹色の花なんて・・・もう誰かに拾われてるんじゃないの?」と言った。すると因幡は

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