うる星やつら ☆赤い花が散る時☆ 第2話 違和感 (Page 1)
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うる星やつら
☆赤い花が散るとき☆
第2話 違和感
ラムは、あたると家に向かって歩いていたが、今朝の花がどうしても気になり
「ダーリン、ウチUFOに戻って着替えてくるっちゃね」そう言うと、あたるの返事も聞かずに飛び去った。そんなラムを見たあたるは
「なんだ?ラムのやつ。あんな慌てた感じで・・・」と言うと
(まさかあいつ、まだ昨日の事を?)と思い少し不安になったが今朝のラムの笑顔を思い出し
(そんな訳ないか)と思い返し再び家に向かって歩き出した。
ラムはUFOに着くとすぐに花を確認した。花は、相変わらず真紅の色に染まっていた。その花を見たラムは
(何でウチは、こんなにこの花の事が気になるっちゃ?)そう思った時、花びらが1つ落ちている事に気づいた。ラムは、何気なくその花びらを手に取ると、たちまち花びらは消えて無くなった。それと同時にラムの中で何かが失われた気がしたが、気づけばラムは何も持っていない自分の手を見つめていた。それを見てラムは
「・・・あれ?ウチ何してるっちゃ?何か持ってた様な気がするけど・・・」そう言うと首をかしげた。しかしすぐに
「まぁ、気のせいだっちゃね。早く着替えてダーリンの所行こうっと」と言って着替えを始めた。
ラムは着替えを終えるとUFOを出てあたるの部屋に向かった。すると途中で因幡と一緒にいるしのぶをみつけ
「しのぶ、何だかんだ言って因幡くんの事手伝ってるっちゃね」と言うと微笑んだ。そして
「せっかくだから2人だけにしてあげるっちゃ」と言うと、あたるの部屋に急いだ。
しのぶと因幡は、花を探しに出たが因幡が方向音痴な為に、なかなか花を落とした辺りに行く事ができなかった。しのぶはたまらず
「ねぇ、さっきはどの辺を探してたの?」と聞くと因幡は
「それが・・・探してた場所が何処かも分からなくなっちゃって」と言って苦笑いを浮かべた。しのぶはそんな因幡に呆れながらも
「仕方ないわねぇ、なら覚えてる景色とかは?」と笑いながら聞くと因幡は
「そう言えばゴミバケツが有りました!」と言った。それを聞いてしのぶは
「随分と、ありきたりな景色」と言って笑ったが、フッと学校でのあたるの言葉を思い出した。
【なぁしのぶぅ、さっき道端に因幡が転がってたぞ】
あたるの言葉にしのぶは、ハッと気づくと
「ゴミバケツが有るのは商店街ね。それであたる君とラムが朝通るとしたら・・・」と言い、スタスタと歩き始めた。しのぶがいきなり歩き始めたので因幡は慌ててしのぶの後を追い
「しのぶさん、どうしたんですか?」と聞いた。しのぶは、振り向きもせずに
「いいから付いてきて」と言った。因幡は
「はい、わかりました」と言うと、しのぶの後に付いて行った。
しのぶは商店街まで歩いて行くと、振り返り因幡に
「この辺じゃない?」と言った。因幡は突然しのぶに聞かれ、あたふたしながら周りを見回すと、倒れたゴミバケツを見つけ、そこに走って行きゴミバケツを指さして
「ここ!ここです!」と言い、しのぶに手を振った。しのぶは因幡の元に駆け寄ると
「ここ・・・なのね」と言うと苦笑いをした。そんなしのぶに因幡は
「でも凄いです、しのぶさん。何で分かったんですか?」と聞くと、しのぶは
「うん・・・まぁ、そんな事いいから早く誰かに聞きましょう。幸い商店街だし、見てる人が居るかもしれないわ」と言った。
しのぶと因幡は商店街の人達に聞いて回ったが、花を持っていた人を見たと言う人は居なかった。それどころか、花そのものを見た人が居なかったのだ。そこでしのぶは因幡に聞いた。
「ところで因幡くん、お花を落とした時気づかなかったの?」しのぶの問いに因幡は、当然と言った顔で答えた。
「そりゃあ気づきましたよ」そんな因幡の答えに、しのぶは拳を握りしめ
「だったら、落とした所を探せばいいんじゃない?」と笑顔を引き攣らせながら言った。しかし、因幡は
「それが、落としたのは分かったんですけど、花がどこに落ちたかは分からなかったんです」と言って肩を落とした。するとしのぶは肩を震わせながら
「だ・か・ら、落とした場所・・・」とそこまで言って、因幡の説明の違和感に気づいた。そしてしのぶは
(ちょっと待って・・・さっき因幡くんは、どこに落ちたか分からないって・・・道で落とせばそんな言い方しないわよね?)と思うと、因幡に
「じゃ、聞き方変えるけど、お花を落とした時、因幡くんどこに居たの?」と聞くと因幡は、空を見上げ片手を空に向かって指を指し
「あの辺ですかね?」と言った。それを聞いてしのぶは納得した、因幡は空から降ってきたのだと。そしてしのぶは
「つまり、因幡くんは空から降って来たのね。そして空の上でお花を落とした・・・」と言った。すると因幡は
「はい、帰る途中で空間の歪みに落ちてしまって、出た所が空の上だったんですよ」といい、苦笑いを浮かべ頭をかいた。そんな因幡にしのぶはため息をつくと
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