友引町を奪還せよ-act1- (Page 2)
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 面堂邸
終太郎は連日の事件で疲れ果てており仮眠室で寝ていた。
すると黒メガネが猛烈な勢いでドアを開けた。
「若!緊急事態です!太平洋南部より多数のUFOらしき反応を確認しました!鬼星に問い合わせたところ犯罪組織が数ヶ月前に
鬼星艦隊から盗み出した物で戦闘用ではありませんが、超高速のため我が面堂家の戦闘機では捕捉は難しい物と思われます!」
黒メガネは全速力で走ってきたらしく疲れ果てた声で言った。
終太郎はすぐさま起きると司令官の制服に着替えた。
「おい貴様、今僕は司令官だ。若というのは仕事が終わったときだ。今後気をつけろ」
「はっ!」
起こしに来た黒メガネに一言注意すると司令室に向かった。扉を開けると司令用座席に座った。
「目標の首都圏到達時刻は!?」
「約二十分後です!」
「自衛隊の邀撃機は!?」
「何処もあがっていません!」
「第一から第三の空挺部隊は出撃準備!」
無数の戦闘機が整備工場から整備委員に滑走路まで誘導された。
「第一第二空挺部隊離陸準備完了しました」
「第三空挺部隊同じく離陸準備完了しました」
「全機離陸!自衛隊がでるまで足止めだけでもするんだ。一応自衛隊につなげ。出るまで続けろ」
「了解!」
(自衛隊でも捕捉は無理かもしれんが・・・)
「自衛隊三沢基地、つながりました」
終太郎は受話器を取った。
「こちら面堂邸、太平洋南部より鬼星の犯罪組織の物と思われるUFOが多数接近しています。現代こちらの邀撃機が向かいましたが、
捕捉は難しい物と思われます。応援を要求します」
「こちら三沢、現代離陸準備中です。上がり次第向かいます」
そういって終太郎は電話を切った。
五分後
「第1空挺部隊接触しました。第二第三部隊は三十秒後に接触します」
「第1部隊より無線はいります」
「速すぎます。捕捉はしましたが追いつけません」
無線の声は苦しそうな声で言った。
「第二第三部隊威嚇攻撃を許可する。接触次第発砲しろ。ただし反撃のそぶりがあった場合はすぐにその場を離脱しろ」
面堂は相手の正体が分からない以上不用意に攻撃を受ける訳にはいかなかった。
「指令!目標は急降下しています。十三秒後にレーダーから消えます!」
(海に潜る気か!?くそ、今から海挺部隊を出しても間に合わん!)
UFOは陸が近くなると海面から姿を現した。低空のため海上に強力な衝撃波を放っていた。
陸上にでると衝撃波で町は崩壊し、さらに海上で起きた波が町を襲い二次被害を出していた。

あたるの会社
あたるは会社の窓から外の景色を眺めていた。
車が下をひっきりなしに通る音、冷たい北風によって飛んでいく落ち葉、雪を降らせそうな黒い雲・・・。
ひじをつき、つまらなそうな目で眺めていた。すると急に胸騒ぎがし始めた。
(なんだ?この胸騒ぎは・・・)
ふとラムのことが頭に浮かんだ。
(ラム・・・?)
あたるはラムに何か起きるんじゃないかと不安になってきた。そのうち昼休みの時間になった。
「おいあたる、昼飯喰いにいこーぜ」
そう言ってコースケはあたるの肩を叩いた。
「あ、ああ・・・」
あたるとコースケは食堂でラーメンを食べていた。コースケは会話を進めていくが、
あたるは「ああ」とか「ふーん」としか答えずずっと考え込んだ顔をしていた。
コースケは不思議に思った。
「どうしたんだよあたる、おい」
コースケはあたるの肩をつかむとあたるは驚いてラーメンを喉に詰まらせた。コップ一杯急いで飲み干した。
「なんかおかしいぜ、おまえ」
「ああ、なんか胸騒ぎがすんだよなあ。なにか大変なことが起きそうで・・・」
「いきなり食堂が爆発して会社のビルがなぎ倒れるとか?」
「気にするな、ただの思い過ごしだ。さて食後の運動にガールハントでもしてくるか」
「おまえ、結婚してんだろ、いい加減止めた方がいいぜ。つーか止めろ」
コースケはあたるの肩をつかんだ。
「たとえ妻子ある身でもガールハントは一生止めるきはない!」
あたるはコースケの手を振り払うと背を向けた。しかしコースケは予想していた物と違う反応を示した。
「・・・お前今なんて言った?」
「だから妻子ある身でも・・・」(しまった!)
あたるは口を紡いだ。
「おまえ、子ども出来てたのか!」
コースケはあたるにアップで近づいてきた。
「い、いや、まだ妊娠中だ・・・。それよりアップは止めろ!」
「なぜ俺に言わない!?」
「だってメガネとかに知られたら俺は一生怯えて暮らさにゃならんではないか・・・」
「メガネには黙っといてやるよ」
「他の二年四組の奴に言うつもりだろう?」
「当たり前だ」
あたるは木槌を振り上げた。
「や、やめろ、冗談だ!」
そのときいきなり食堂の端っこ側から爆発がおきた。正確には衝撃波が襲った。
「なんだ、何が起きたんだ!?」
一面パニックに陥っていた。しかしあたるとコースケは場慣れしているせいか冷静に辺りを把握した。
あたるはがれきのしたから手がでているのをみつけて走り出した。
「何処行くんだ、あたる!」

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