友引町を奪還せよ-act1- (Page 3)
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「コースケ!こっちに誰か埋もれてるんだ、手伝え!」
あたるはがれきのをどけようとするが、なかなか動かなかった。
コースケはなにかないかと周りを見渡すと、ちょうど「くのじ」に曲がった頑丈そうなパイプを見つけた。
(あれだ!)
コースケは、てこの原理で持ち上げ、中の人を助け出した。
「社長!」
あたる達の会社の社長だった。
「ありがとう助かったよ、本当にありがとう」
社長はあたるとコースケに深く礼を言った。
「それより君たちの家は大丈夫かね、早く家に連絡した方がいいんじゃないか?」
「いえ、大丈夫です。UFOの向かっている方向とは違いますから」
するとコースケがちょんちょんとあたるの肩を叩いた。
「あのUFO進路変えたぞ。あの方向は・・・友引町だ!」
あたるはどこからともなく双眼鏡をだした。
「くそ!」
崩れたがれきの中につっこんで強引に外に出ると近くにあったバイクで友引町に向かった。
「あー、俺のバイク!」
「スマン!出来るだけ原型をとどめて返す!」
バイクの主にとんでもないことを言ってそのまま全速力で友引町に向かった。
あたるの乗ったバイクが交差点を過ぎると後ろからパトカーがつけていた。
「そこのバイク止まりなさい!」
「今回だけ許してくれ、急ぎのようがあるんだ!」
すると運転をしていた警官が窓から顔を出した。
「そんな言い訳が通じるとおもってんのかー!貴様のような暴走する馬鹿に警視庁交通課は聞く耳持たーん!!
貴様みたいに若いくせにバイクで暴走する奴があるからこの世から犯罪が消えんのだ!!その様な若者が現代社会に無用な混乱を招き
そして社会は衰退していくのだ!!我々はその衰退を防ぐべく働いておるのだ!!おとなしくお縄につけい!!」
あたるははっとした。そしておそるおそる後ろを向いた。
(まさか・・・)
メガネであった。今や現代警視庁交通課の新米刑事である。
「メ、メガネ!?」
「あたるか!?なに速度違反しとるか!」
「ラムがあぶねーんだ、今回は見逃してくれ!」
再び前を見るとさらにスピードを上げた。
「おい、もっとスピードを上げろ、逃げられるぞ」
メガネの上司が言った。
「・・・。」
「おい、きこえとんのか、スピードをあげろ!」
「そんなこと言わなくてもスピードはあげますよ・・・」
メガネは不気味に低い声で言った。
「だが、あいつことなどどーでも良い!今はラムさんの事が先決だー!!」
パトカーはスピードを上げるとあっという間にあたるを追い越した。
「何をわけのわからんことを・・・」
メガネは上司をにらんだ。
「訳のわかん事だと・・・!貴様今の発言は聞き捨てならん!俺が運転しとる車にその様な者の搭乗資格はない。ここからでていけー!」
そう言って助手席の窓を開けるとそこから放り投げた。
「何するかー!!」
上司の言葉に耳を傾けずメガネは運転席の窓から顔を出し、あたるに叫んだ。
「あたる、乗れ!そのバイクはガソリン漏れしとる!」
たしかにガソリン漏れしていた。
「げ!」
メガネは後ろの座席の窓をあけるとさけんだ。
「ここから中に入れ!」
あたるは中腰の状態で飛ぶタイミングをはかった。そしてパトカーから五十センチぐらいに近づくと
車に飛び乗り窓にしがみついた。
「くっ!」
あたるは何とか窓から中に入り込んだ。そして座席に着くとふーっと溜息をついた。
すると後ろの方で爆発が起きた。あたるがのっていたバイクである。
「どうすっかな、あのバイク。人から借りた奴なんだ・・・」
「おい、今はそんなこと考える場合ではないぞ」
「ああ、そうだな・・・」
あたるとメガネを乗せたパトカーは友引町にむかった。

諸星宅
ラムは居間でくつろいでいた。
「なんだか騒がしいっちゃね」
ラムは二階に登り自分の部屋から周りを見渡した。
(!・・・あ、あれは!)
ラムは驚いた。鬼星で今問題となっている犯罪組織の盗んだUFOが友引町のあちこちに浮遊していたからである。
(何で地球にいるっちゃ!?)
ラムはとっさに押入を物色しバズーカ砲をとりだした。
そして屋根にむかって発射した。真上にいたUFOの一つにあたり降下していった。
(やったっちゃ!)
しかしそのUFOは諸星宅にそのまま堕ちてきた。
「こっちに来たっちゃ!」
ラムは窓から外にでた。しかしそのUFOは諸星宅をかわしラムの方向に飛んできた。
「効いてなかったっちゃ!?」
バズーカ砲は効いてなかった。ラムはさらに遠くに逃げようとしたが、そのUFOは光線銃撃してきた。
ラムは素早くかわしていったが量が多く、さらに妊娠中なので動きが鈍くなっていたため避けるのは困難な状態だった。
そのうち右肩にあたりそして腹部へ命中した。ラムは意識が遠のいていった。
(ダーリン・・・)

パトカー
「ラム!」
あたるはぴくっとした。
「どうしたあたる」
「いや、今ラムの声が・・・ラムに何かあったのかもしれん。もっと速度を上げろ!」
「これでも最高速度だ!」
「くそ〜・・・」
あたるは貧乏揺すりをしていた。

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