友引町を奪還せよ-act3- (Page 3)
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「コースケに聞いてくれ・・・」
あたるはジュースを飲みながらコースケを指さした。
「おい、コースケ、どうした起きろ」
メガネはコースケの胸ぐらを振りながら言った。コースケの目は死んでいた。
「き〜さ〜ま〜、コースケに何をした!?返答次第ではただではスマンぞ!」
「ええい!自分の責任を人になすりつけるなー!!!」
コースケはフリーズ状態からやっと蘇生した。その場の流れから状況を読みとった。どう読みとったかは定かではない。
「実はな、かくかくじかじか・・・と言うわけだ」
コースケはかれこれと説明した。あたるはメガネの反応に妙に緊張していた。
「なるほど・・・、あたる!」
メガネは納得するとあたるの方にずかずかと迫ってきた。
「貴様の命と引き替えにラムさんを助けに行け。ラムさんがそれで悲しむなら俺が慰めてやる!だから行け!」
「何を言うか、貴様に慰められるぐらいならこの手でラムを殺した方がましだ!」
「なんだと〜!」
メガネの額には血管が見えた。さらに目はもう人間の物ではなく、飢えた獣に等しかった。そのときあたるの耳に
「次のニュースです。今日、△△病院の×○容疑者が無免許で逮捕されました。診断した患者の殆どが嘘で、死を宣告された遺族の方々は、
ほっと胸をなで下ろしていました。現場の・・・」
っと言う何ともぬけぬけとした言葉が聞こえてきた。あたるはメガネを吹っ飛ばしてテレビにしがみついた。
「こっ・・・こいつは・・・」
「どうしたあたる」
コースケがひょいっとあたるの横に顔を出した。あたるの顔には汗が出ていた。
「こいつ、俺を診断した奴だ」
コースケははっとした。
「ってことは・・・お前の頭にある塊は・・・」
息を飲み込んだ。
「ない!」
「じゃあこれでラムちゃん助けに行けるじゃねえか!」
「ああ・・・」
あたるは嬉しくてたまらなかった。しかし・・・
「だったら、お前の頭の違和感とやらはなんだ」
メガネは吹っ飛ばされた際、ぶつけた後頭部をさすりながら言った。
「そう言えばそうだ・・・。あたる、一応病院言ってこい」
「あ、ああ・・・」
あたるは何もないことを願った。病院に向かい、玄関のところについたところであたるは、あることに気付いた。
「お・・・おれ・・・」
「どうした?」
メガネとコースケはどきっとした。
「保険証を持っていない!」
「だったら、早く取ってこい!!」
二人はあたるを吹っ飛ばした。あたるは実に三年ぶりに吹っ飛ばされたのである。
「う〜ん、こんなに痛かったかな」
あたるは空中で腕を組みながら考えた。そう考えているウチに降下し始めた。予想落下地点はコースケの家だった。幸いあたるは保険証を
常に持ち歩いていたためコースケ宅にあるのである。
「お〜」
最初はやっとたどり着いたという感じの声だった。しかし頭が下にあることに気づき
「おわーーー!」
っと絶叫した。どか!バキ!ばりばり!つるん!どんがらがっしゃーん!!と屋根を突き破り、屋根裏にある柱をおり、天井をぶち破って
コースケの妻がかけていたワックスに足を滑らせ壁に激突した後、壁に人型に跡をつけた。
「いてて、すいません今すぐ出ていきますから・・・」
そう言ってあたるは荷物を物色し保険証をとりだした。コースケの妻は何もしゃべれなかった。驚異的な生命力に驚いたのである。
「じゃあ、迷惑をかけました」
あたるは軽く頭を下げた。
「はあ・・・、それより大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ、お嬢さん・・・」
あたるは思わず手を取った。ガールハントの癖が再発したのだ。しかしラムの事が頭をよぎった。
「ラ、ラム・・・」
何かを振り払うように頭を横に振ると、
(こんな事をしとる場合か、急がねば・・・)
「じゃあ奥さん続きは後ほど・・・」
と爽やかに歯を光らせ、玄関から去っていった。コースケの妻は
「なんなの・・・」
と床にぺたっと座り込んだ。
あたるは病院を目指した。何かを決意したようだった。
「よう、待たせたな」
「あれだけぶっ飛ばされたら検査する必要も無かろう。いくぞ・・・」
「でも一応検査した方が・・・」
コースケは心配しながらあたるの方を見た。
「あ、あれ・・・あたる?」
あたるの姿はない。既に病院に入っていた。
数十分後
「何もなかったな」
あたるは安心した。
「しかし、なんなんだ頭の違和感って?」
「さあな・・・」
そう言って頭に手をやった。
「ん?」
あたるは何かねちょっとしたものを触った。
「こ、これは・・・ガム!?」
するとあたるの頭の違和感は消えた。するとメガネはヤバイっといった動きをした。あたるはこれに気付くと
「さて、説明して貰おうか・・・、メガネ君?」
あたるはもはや事情聴取する刑事である。コースケもまねする。
「さあ吐け。楽になるぞ・・・吐かないと牛丼はお預けだ」
メガネはうっとした。
「じ、実は・・・」
メガネは渋々と喋った。
「なに〜、結婚の腹いせにガム投げつけた〜!?」
「もはや裁判をする必要もないな。死刑だ」

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