同窓会パニック!カニ先生が泣いた日(前編) (Page 4)
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午後からの授業が、たまたまラムと弁天の嫌いな授業で、天気もよかったことから、2人はエスケープしようとした。
もちろんランも「強制連行」した。
しかし程なくして彼に見つかり、彼は、
「こおらぁーっ!!また君たちかにーっ!!エスケープはいかんがにーー!!」
と叫びながら、カニ歩きで3人を追ってきた。
3人で必死に逃げている最中に弁天が、
「チッ、しつこいヤローだぜ!くらえぇっ!!」
と叫び、バズーカを彼に向かって乱射したが、彼はカニ歩きで軽快にかわし、
「必殺・・・カニタマーっ!!」
と叫んで、ボール状の弾丸で反撃した。弾は3人に見事に命中した。
3人がその場に倒れたところで、
「続いて必殺カニミソーっ!!」
で追い討ちをかけた。ネバネバしていて3人は動けない。さらに、
「とどめは拘束カニシューマイだがにっ!!」
で、3人をほかほかの巨大シューマイにしてしまった。
これで拘束されると、シューマイが冷めるまで身動きが取れない。
「ちくしょーっ!!!」
「おぼえてるっちゃっ!!」
弁天とラムはそれぞれこう言うだけで精一杯だった。横ではランが泣いていた。
3人はそのまま放課後まで、さらし者になった。
その様子をお雪が横目で冷たく眺めていたのは、言うまでもない。
この日の折檻は、いつにも増してひどかったので、ラムと弁天の怒りもいつも以上だった。
ついにラムたちはある作戦を実行することに決めた。
ランは、
「ねぇ、やめましょうよぉ。先生にそんなことしたら、怒られるぐらいじゃすまないわよぉ・・・」
と言ってぐずったが、弁天は、
「うるせぇっ!あそこまでメチャクチャしばかれて黙ってられっかよ!!」
と完全に頭に血が上っていて、後のことなどまったく考えていなかった。
「後は時間をセットするだけだっちゃ・・・」
ラムはただそう言った。
おわかりいただけたであろうか?なんと、爆弾をカニ道楽の身体に仕掛けようというのである。
恐ろしい中学生である。日本で同じようなことをしたら、少年院ではなく、少年刑務所に行くのは確実であろう。
1番身が軽く、今回の作戦の提案者でもあるラムが爆弾を取り付ける役を務めた。
背中に乗り移ると、なにやっとるがにとカニ道楽が尋ねるので、
「背中にごみがついてるっちゃよ。ウチが取ってあげるっちゃ」
と言って、爆弾を背中に取り付けた。そして時限装置のボタンを押した。そして、
「先生、取れたっちゃよ」
と言って、カニ道楽が、
「すまんに」
と言うのを聞いたあと、その場をそそくさと去った。
ラムは弁天たちのところに戻り、
「2分後に爆発するっちゃ」
言うと、弁天は、
「オーシ、早速エスケープしよーゼ!」
と言った。
その声と同時に、3人は教室とは反対の、校舎の出入り口のほうへ走った。
しかし、それに気づいたカニ道楽が、
「君たち、もうすぐ授業だがに。そっちは教室じゃないがに!待たんがに!!」
と叫んで3人を追いかけてきた。
しかし、カニ道楽の身体には爆弾が仕掛けられている。
捕まれば自分たちまで爆発の巻き添えを食ってしまう!
「つ、ついてくるなっ!!」
と弁天が叫んでも、彼はいつも同様、しつこくついてくる。
バズーカを使おうと考えたがやめた。誘爆の恐れがあるからだ。
「も、もうすぐ爆発するっちゃ!それまで2人とも、何とか逃げ切るっちゃっ!!」
とラムが言うと、
「あーん、だからあたしイヤだって言ったのにー!!」
とランが、何を今さらと突っ込みたくなるような泣き言を言った。
3人の必死の逃亡も空しく、
「必殺・・・カニばさみっ!!」
の声と同時に、3人は捕獲されてしまった。そしてタイムリミット。
ついに爆発・・・しなかった。3人は結局、昨日と同じオシオキを受けた。
「おい、何で爆発しねえんだよ!?2分経っただろ?」
と、弁天がラムに尋ねると、
「お、おかしいっちゃねー。不発弾かなぁ?」
と答えた。
そこにお雪が通りかかった。彼女がカニ道楽に、
「先生、何かあったんですの・・・?」
と尋ねると、彼は、
「いつものことだがに。いいから早く教室に入るがに」
と答えた。
お雪はカニ道楽の背中に爆弾が付いているのを見て、ラムたちに向かって、
「あの爆弾、あなたたちの仕業ね?でもあれ、2年後にセットされていたわよ。
そんなに先の未来にセットしてどうするつもり?」
と言った。それを聞いて、3人は「へっ?」と思った。
そしてあきれたような口調で弁天が、
「おまーなー。分と年の違いもわからねーのかよ?」
と言うと、お雪もくすくす笑いながら、
「うふふ、ラムったらうっかり者ねェ」
と言った。ラムは恥ずかしそうに顔を赤くした。
3人(正確には2人か)の計画はこれでおじゃんになった。
3人は回想から現実に戻ると、
弁天「結局卒業するまで・・・」
ラン「オシオキされっぱなし・・・」
ラム「だったっちゃねー・・・」
と、ローテーショントークした後、深くため息を吐いた。

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