Welcome To Another World(Chapter 4) (Page 2)
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愛用のハンマーを取り出し、あたるはフィリップに反撃したが、いずれの攻撃もさっと身をかわされた。
しかも空に逃げられると、空を飛べないあたるはどうしようもない。
フィリップは攻められると空に逃げ、電撃を出すを繰り返したが、
その電撃があたるにクリーンヒットすることはなかった。
あたるはすべての電撃を紙一重のところで避けた。
フィリップの発する電撃は、なるほど家が1軒粉々になるくらいの破壊力だが、
そのスピードがラムのものと比べると遅く、いつも彼女の電撃を食らっているあたるからすれば、
「止まって見える」程度のものであった。
しかし、よけ続けるうちに、あたるの体力は確実に奪われていった。
「たりゃああああーーー!!」
面堂は刀を抜き、ティモシーと刀で競り合った。力勝負は互角であった。
「ぐっ、ぐぐぐ・・・つおあっ!」
両者押し合うと、ともに後方に吹っ飛んだ。
(この男、できる・・・)
面堂とティモシーは共にそう思った。
「でやああああっ!!」
弁天はステファニー、ジェニファーを正面から攻め、ストレートパンチを浴びせようとしたが、
かわされ、逆に、
「せいっ、やあっ!!」
と巧みなコンビネーションで反撃された。
地面に背中から叩きつけられた弁天に、
「死ねぇーーーっ!!」
と叫びながら、2人が手刀で弁天の胸を突こうとすると、弁天と2人の間に氷の刃が飛んできた。
「次は当てますわよ、お2人さん・・・・」
お雪は2人を見つめながらそういった。
「キャアーーーーッ!」
ラン、レイ、それにテンはマシューの口から火炎放射に苦しんでいた。しかし、
「ブモォーーーーー!」
よけてばかりでは埒が開かないと思ったのか、レイは隙を見てマシューに跳びかかり、
背中から力で押さえつけようとした。
「くっ、おのれ!!コ、コラ、離せ!!」
ジタバタ暴れながら、抵抗するマシューをなおも押さえつけ、レイは、
「テン!」
と叫んだ。それを聞いたテンは、
「お母はんの敵め・・・おっちゃんの分もまとめて・・・くらえーーっ!!」
ズゴオォオーーーーー
思い切り息を吸い込み、力の限り炎を吐いた。マシューにクリーンヒットした。
「はあはあ・・・お、思い知ったか・・・」
肩で息をしながらテンがそう言うと、煙の中からマシューが現れた。
「おい、チビ。お前、今何かしたか?へへへ・・・」
マシューの言葉どおり、彼は傷らしいものは何も負っていなかった。
「そ、そんなアホな・・・ワイはフルパワーでやったのに・・・」
すると突然、マシューが両目から光線を出した。それはテンの体を貫いた。
「うわぁーーーーーっ!!!」
テンは悲鳴を上げ、その場に墜落した。
「テ、テンちゃん!」
ランがそう叫ぶや否や、マシューは後ろにいたレイを、
「この虎牛!離さんかいっ!!」
と力ずくで吹っ飛ばした。3メートル先に倒れたレイに襲いかかろうと、
マシューが間合いを詰めると、突然マシューは強烈な爆発音を聞くと同時に、
全身に衝撃を感じた。
「おんどりゃあ、レイさんに何すんじゃい!!」
マシューの目にバズーカを構えたランの姿が映った。すると、
「くそぉー・・・このアマぁ・・・!!ざあけやがってえ・・・!!
・・・気が変わったぜ。この虎牛より先にぶっ殺してやる・・・!!」
まさに鬼の形相で、ランを睨んだ。そして両手を前に突き出し、
「はああああ・・・・・」
なにやら気合をためるようなことを始めた。するとマシューの手が赤くうっすらと光りだした。
やがて光は強くなり、バチバチと大きな音を立てだした。強力なエネルギーのようだった。
あたりには、強い風が吹き出した。
「このアマ、粉々にしてやるぜ・・・!!」
彼はそう言うと、両手をランのほうに向けた。
「あ・・・ああ・・・・・・」
ランは恐怖のあまり、その場にへたり込み、動けなかった。
そんな彼女に、マシューは容赦なく、
「くらええーーーーっ!!」
と叫ぶや否や、強力なエネルギー弾を発射した。すると、
(ラン!)
レイはランの危機を見て、とっさに彼女の前に回り込んだ。
そしてマシューのほうに背を向け、ランを包み込むようにガードした。
ズドオオーーーーン
「レイさぁーーーーん!!!」
ランの叫びと同時に、エネルギー弾がレイに命中した。レイはその場に倒れた。
「れ、レイさん!レイさん!しっかりして!レイさん!!」
ランはレイの体を揺すり、必死に叫んだ。
「ラン・・・腹・・・減っ・・・た・・・」
ランの叫びもむなしく、それがレイの最期の言葉となってしまった。
「レイさああーーーん!!うわあああーーーーー!!!」
ランはレイの遺体にすがりつき、泣き崩れた。そんな様子を見てマシューは、
「ケッ、殺す順番が変わっちまったぜ・・・まあいいか。
一気に2匹もスーペリオル族のクソ野郎を駆除できたんだからな・・・
・・・おっと、ピーピーやかましいあの女も忘れずに始末せんとな・・・」
と残酷無比な言葉を残し、ランの方に歩み寄った。
その言葉どおり、テンもその場で静かに息を引き取っていた。
「ランさん!!」

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