Welcome To Another World(Chapter 4) (Page 3)
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面堂がランのピンチを見て、助けに向かおうとしたが、
「おっと、お前の相手はこのオレのはずだ!」
と、離れたところにいたティモシーが突然彼の前に立ちはだかった。
(はっ・・・速いっ!!)
面堂はこのとき、ティモシーはまだ本気ではないのではと思った。
「うっ!!ぐあっ!!」
その頃弁天はステファニー、ジェニファーのコンビネーション攻撃に苦戦していた。
(だめだわ・・・今私が氷のつぶてで攻撃したら、弁天にも当たってしまう・・・)
後方で構えていたお雪は、弁天が接近戦で戦っている姿を見て、
援護射撃をためらっていた。
「ちゃあーーーーっ!!」
「うわああーーーーーっ!!」
一方ラム対メリッサは、空中でのスピードに勝るラムが、わずかだが押し気味に戦っていた。
「うっ!!」
ものすごい勢いで地面に叩きつけられたメリッサに、
「今度はお前が覚悟する番だっちゃ!!ウチの仲間の敵、受けてみるっちゃーーっ!!」
とラムは空中から猛烈な勢いで追い討ちをかけた。しかし、
「お・・・おのれ!!てえええいっ!!」
とメリッサが叫び、目を光らせると、突然ラムは動かなくなった。
「うっ、な・・・何だっちゃ・・・これは・・・う・・・動けないっちゃ・・・!!」
体を動かそうと、必死にもがくラムに向かって、メリッサは、
「うふふ、どう?私の必殺技、金縛りの術にかかった気分は!!」
と薄笑いを浮かべながら言った。
「ハア・・・ハア・・・」
その頃あたるは、フィリップの電撃をかわし続けていたものの、かなり疲れていた。
「ハッハッハ!どうした諸星あたる?逃げてばかりではオレには勝てんぞ!」
そう言われたあたるは、
「こっ・・・こりゃ、この卑怯者!空に逃げてばかりおらんと、オレと真っ向勝負せんかい!!」
と息を切らしながら叫んだ。
「フン!卑怯だと?負け犬の決まり文句だな。ほほう、その様子だとキサマ、
もうよける体力も気力も残っとらんようだな・・・」
フィリップは肩で息をするヘロヘロのあたるをあざ笑うかのように言った。
(ちっきしょう・・・こいつ始めからこれが狙いだったのか・・・!!)
あたるが頭の中で思ったその時であった。
「フィルーーーッ!今よーーーっ!この女を抹殺するチャンスよーーーっ!
金縛りで動けなくしたから、今のうちにあなたのその手の爪でこの女の体を貫いちゃいなさいよぉーーーー!!」
メリッサのそう叫ぶ声が聞こえた。それを聞いたフィリップは、
「でかしたぞ!メリー!!そのまま金縛りをやめるなよ!!」
と言って、ラムに襲いかかった。
「やばい、ラムッ!!」
あたるもそう叫び、残された力を振り絞り、懸命にラムのほうに向かって走った。
「ふはははは!!ラムッ!!このオレの爪の恐ろしさ、たっぷり味わうがいい!!
もっとも、あまりにも一瞬の出来事で、味わうことさえできんかもしれんがな!!
でやあああーーーーっ!!!」
フィリップがこう叫びながら、電撃のエネルギーを溜め込んだ右手で、
ラムの体を貫こうとしたその時であった。
「危ないっ!!ラムうーーーーっ!!」
あたるはそう叫ぶと、とっさにラムの前に立ちはだかった。
「ダ、ダーリン!!」
突然の出来事に、ラムは思わず叫んだ。
ズバアァッ
「グワアアアーーーーーーッ!!!」
肉が切り裂かれる音と同時に、あたるは断末魔の時のような悲鳴を上げた。
辺りに真っ赤な血が花弁のように飛び散り、そのままあたるは地面に激突した。
「諸星!!」
「ご主人さまっ!!」
「ダーリン!!」
周囲にいたほかの仲間は口々に叫んだ。あたるは左の脇腹にひどい裂傷を負い、
そこからかなりの出血をしていた。ピクリとも動かない。
「ダーリン!!ダーリーン!!」
金縛りにもがきながら必死に叫ぶラムを尻目に、フィリップは、
「チッ、諸星あたるめ。余計なことをしおって・・・まあいい。
いずれはこいつも殺すことになるのだからな。
だがまずはラムを殺すのが先だ!ハッハッハ、ラム!わずかに寿命が延びたな!
では改めて・・・死ねぇーーーーー!!!」
と叫び、襲いかかろうとした瞬間だった。雨が降ってきた。
「うっ。こ、これは・・・!!まずい!みんな、引き揚げろーーっ!!」
そう言うと、フィリップを含め、6人はみんなUFOに逃げ込んだ。
メリッサが術を解いたことで金縛りから解放されたラムは、
「待つっちゃーーーっ!!」
と彼らの後を追いかけようとしたが、弁天に、
「待てっ!!今は奴らを追いかけるよりも、こっちの体勢を立て直すのが先だ!
諸星を早く手当てしねえと・・・あいつかなり血を流してるぞ!!」
と言われ、踏みとどまった。そのとき始めてあたるが予想以上の大怪我をしたことを知った。
「それにしても、彼らが雨が降り出した瞬間、突然逃げ帰ったというのが気になるわね。
もしかしたら、雨が彼らの弱点の鍵を握っているかもしれないわ・・・」
遠ざかるUFOを見ながらお雪がそう言った、その時であった。
「ハッハッハ、キサマら!いいことを教えてやろうか!?
オレの爪の中にはなあ、遅効性の猛毒が含まれているんだ!!

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