リバースリバース〜先祖をたどれ(1) (Page 3)
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ラ「ダーリン大丈夫け?」ラムの顔がパッと明るくなった。
あ「ラム・・・ここどこだ?」はっきりしない声であたるが言った目がとろんとしている。
ラ「ダーリンの家だっちゃよ」
あ「俺どうしたんだ?たしか映画を見に行ってたはずじゃ」だいたいはっきりしてきたらしくがまだ目が変である。
ラ「〈電撃で気絶してたなんて言ったら怒られるっちゃ)帰りに転んで気絶してたっちゃ」少し慌てて言った。いつものあたる
なら怪しく思ったかもしれないが、まだボケてるらしい。
あ「うーん思い出せないなー」間延びした声であたるは言った。
ラ「今日は安静にしているっちゃ。サクラもそういってたっちゃ。」
あ「何、さくらさんがいてててて」サクラと聞いて急に元気になったあたるを見てラムはあきれた。
ラ「ほら、まだ治ってないっちゃ。今日はゆっくりしてるっちゃ。」ふとんをあたるにかけながら言った。
あ「そうだな〜なんかだるいし」すっかり元に戻ったみたいであたるは大きなあくびをした。するとラムがあたるの口の中に
あるものを見つけて飛びついた。いきなりの事にあたるはびっくりした。
あ「だいしたんだ?」口を無理に広げられてるためうまくしゃべることができない。しかしそんなことは気にせず
なにかとても珍しいものでも見るようにまじまじとラムは何かをみつめている。そして不意にラムが言った
ラ「ダーリン牙が生えてるっちゃ」すこし興奮ぎみでうれしそうな声をだしラムが言った。
あ「なんらって」あたるはなにがなんだかさっぱりだ。
ラ「だからダーリンに牙が生えてるっちゃ!!」またラムがさっきより大きな声であたるに教える。
その言葉を聞いてやっとどうなっているのかがわかったらしくあたるはラムの手を振り払い自分の手で触ってみた。
たしかに異様にとがっている歯が手にあたった。
ラ「ほら」ラムが鏡を持ってきた。あたるはラムの手から鏡をもぎとるようにとって
いそいで鏡を覗き込んだ。映っていたのはまぎれもないとがった歯、牙が生えていた。
あ「やいラムいったい俺に何をした」怒りながらラムに言った。あたるはまたラムが変な事をしたと思ったのだ。
たしかにラムはよくあたるの体に異変を起こさせるような事を数多くやってきたが今回はなにもやってない。
ラ「うちはなにもしてないっちゃ」首を振りながら答える。
あ「うそをつけこんなの普通にしててなるはずがないわ」さっきより大きい声でラムを怒鳴りつける
ラ「ほんとうだっちゃ。うちは気絶しているダーリンの看病しかしてないっちゃ。」ラムも必死にうったえるがあたるは信じようとしない。
あ「それが怪しい。どうせ気絶しているうちに得体の知らない薬でも飲ましたんだろ」少し興奮気味になりやみくもにラムを疑った
ラ「ちがうっちゃ!!ダーリンなんでそんなに疑うっちゃ。」自分の言ってる事が信じてもらえないのがくやしくラムは涙目になっていた。
あたるはこれにはさすがにとまどった。少し落ち着いて怒鳴るのはやめた。
あ「それはラムがすごくうれしそうな顔していってたから」すこしバツ悪そうにラムに言った。
ラ「だってダーリンに生えてきた牙とうちの牙がまったく同じだからうれしくて」それをきいたあたるが変な顔をした
あ「同じだーラムちょっと見せてみろ」ラムは口を開き牙が見えるようにした。あたるはラムの牙を見ながら
片手で鏡を持って自分の牙を見比べていた。なんともいえぬ奇妙な光景である。
あ「うーんたしかにまったく同じだ・・・」信じられんというようにあたるが言葉をもらした。
ラ「だからダーリンはうちと同じ鬼族なのかなーと思ったらうれしくて」それを聞いたあたるはすぐさま答えた。
あ「そんなアホな話があるか、俺の父さんも母さんも地球人だろうが」たしかにそうであるあたるの父も母も
牙も角もまったくない普通の地球人である。しかしあたるのこの状態は事実である。
ラ「ダーリンのお父さんお母さんが地球人でも先祖に鬼族がいたかもしれないっちゃ」これを聞いてもしやって言う気が
あたるの中で生まれたがすぐ押し込んで言葉を発した。
あ「そんなばかな事があるか、第一ラムたちが地球に来たのははじめてではないのか?」
ラ「たぶん来た事ないと思うけど・・・」自信なさそうに小さくラムが答えた。これじゃあわからんなとあたるが思っていると
ラムが続けてこういった。
ラ「でも鬼族にする薬とか方法なんかないっちゃよだからこれしか考えられないっちゃ」今度ははっきりと自信をもった
ような声でいったあたるこう思った。
あ「ラム、その自信のありげな声おまえ方法やら薬やら探して俺にしようと思ったな。」じーとあたるはラムを見た。ラムは目をそらせながら
たどたどしくこういった。
ラ「そ、そんな事ないっちゃよ・・・ただ少し興味があったから調べただけだっちゃ」
あ「まあいい今はそれどころじゃない、仮にそうだとしても父さんも母さんもなんの変わりも無い地球人じゃないか?」

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