うる星やつら―アナザーワールド― ラストエピソード (Page 5)
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「今更何言ってんだ、寒いからさっさと帰ろうぜ」と言って、足を早めた。そんなあたるの態度が照れ隠しだと知ってるラムは、クスっと笑うと再びあたるにしがみついた。あたるは
「おい!そんなにしがみついたら歩きづらいだろが!」と言って腕を振り回した。
翌朝、学校にはあたるとラムの姿が有った。あたるは、ずっと思っていた疑問をラムにぶつけた。
「なぁラム、ところで何であそこに空間の歪みが出来たんだ?」あたるの質問にラムは
「う〜ん、それなんだけど……実はウチにも分からないっちゃ。普通は、歪みが出来てもすぐに閉じる物なんだけど」と言って首をかしげた。その時
ババババババ
と、爆音と共にスクーターに股がったテンが教室に乱入してきた。そして、一直線にあたるの所に行くと
「おい、アホ!今日こそ覚悟せいや」と言った。するとあたるは
「なんだ?ジャリテン。またフライパンで叩かれたいのか?」と言ってニヤリと笑った。しかしテンは
「今日はワイが笑う番や」と言うと、何やら銃の様な物を取り出した。それを見たあたるは
「そんなオモチャの銃にビビるとでも思ってるのか?」と言ったが、テンは
「笑って居られるのも、今のうちや」と言うと銃をかまえた。それを見たラムは
(あ!あれは!)と思ったが時既に遅し、テンは既に引き金を引いていた。銃からは煙が噴射され、その煙はあたるを包み込んだ。それを見たラムは
「な、なんて事を……」と言った。やがて煙が晴れると、そこに居たのは……
ピンクのカバ
それを見た皆は絶句して言葉も無かった。ピンクのカバは、勿論あたるである。あたるは、みんなが驚いてあたるを見ているので
「ん?どうした?」と言ったが、メガネがあたるの顔をいじくり回して
「本皮だ」と言うと、クラス全員が
「おぉぉ!」と言った。それを見ていたテンは
「ざまぁ見さらせ!お前は今日1日その姿で過ごすんや!ほな、さいなら」と言うと、スクーターで去って行った。
面堂は、去って行ったテンを見ながら
「あの銃は何なんですか?」とラムに聞くと、ラムは
「あれは、《みんなで変身、愉快な動物園銃》だっちゃ」と言い、更に
「動物に変身出来るオモチャの銃だっちゃ」と言った。それを聞いた面堂は
「あ、あれがオモチャの銃……」と言って、茫然とした。一方あたるに現状を説明しようとメガネはあたるに深呼吸をさせ
「いいかあたる。気をしっかり持つんだぞ」と言うと、あたるを鏡の前に連れていった。あたるは鏡に映ったピンクのカバが自分だと分かると
「カ、カ、カバやーーー!」と言って、青ざめて気絶した。それを見たメガネは
「ピンクが青ざめて、赤紫色。一応利にかなってる」と言った。
放課後、ランはレイに会う準備をしていた。出掛ける寸前に、何かを思い出し
「いけない、いけない、あれ忘れてた」と言うと何かの機械を手に取り
「これ忘れたら大変!前にうっかり忘れて、ピグモンの前の空間閉じ忘れた時は大変な事になっちゃったから。これは、絶対にラムちゃんに知られない様にしなくちゃ!」と言って、ルンルン気分で出掛けて行った。
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※パラレルワールド※
あたるは一人、学校から自宅に向かって歩いていた。元の世界に戻ってもラムの事が頭から離れず、ラムがどうなってしまったのか気になって仕方なかった。あたるは
(ラムは、無事なんだろうか?)そう思っていると、後ろから
「あたるはん」と声が聞こえ振り向くと、そこには
赤のシルクハット
赤の燕尾服
黒い丸サングラス
赤の蝶ネクタイ
腹巻き
と言った、異様な出で立ちの錯乱坊ほどの身長の男が居た。それを見たあたるは
「あんた誰?何で俺の名前知ってるの?」と言うと、その男は
「わての名は、夢邪鬼言うねん。名前知ってるとか細かい事は気にせんといてな」と言うと、軽く帽子を下げた。あたるは夢邪鬼と名乗る男に
「その夢邪鬼が俺に何の用だ?」と言うと、夢邪鬼は
「あんさん、会いたいお人おるんとちゃうか?」と言ってニヤリと笑った。
fin
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