うる星やつら しのぶのストレンジストーリー(前編) (Page 5)
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 「それは、事故が起こる前か後かは分からないなぁ。ただ言える事は、そのしのぶさんの人生を大きく変える出来事の別の結果の時間軸って事だね」と言った。それを聞いた子狐は
 「だったら、あの事故だよ!」と言った。それを聞いて三四郎は
 「なるほど、だったらまずは世界樹の木の実を手に入れないとね」と言った。すると子狐は
 「世界樹の木の実?それは何処に有るの?」と三四郎に聞いた。三四郎は
 「世界樹は、こことは違う世界に有るんだよ」と答え、更に
 「しかも、その入り口は満月の夜の月がほぼ真上に来る冬至の日しか開かない」と言った。すると子狐は
 「冬至っていつ?」と三四郎に聞き、三四郎は
 「冬至は、12月の下旬だね」と答えた。それを聞いて子狐は
 「今が2月だから、まだまだ先だね」と言って、ガックリと肩を落とした。それを見て三四郎は
 「そうだね、でもそれまで待つしかないよ」と優しく言った。子狐は
 「うん」と答えると、更に
 「また、冬至の頃に来るね。ありがとう三四郎さん」と言って去って行った。
 それから冬至までの間、子狐は幸運を呼ぶと言われてるワイルーロの木の実で御守りを作った。もちろん、しのぶに渡す為だ。そして、季節は流れまた冬がやってきた。冬至近くになり、子狐は再び三四郎を訪ねた。すると三四郎は
 「やぁ、来たね」と言うと、更に
 「冬至は明後日だよ。明後日の夜に世界樹のある世界の入り口が開くから、また明日の夜においで」と言った。子狐は頷くと、三四郎に礼を言って去って行った。  冬至の日、三四郎のもとに子狐がやって来た。三四郎は
 「やぁ、来たね」と言うと、更に
 「じゃあ、これから世界樹のある世界への入り口に案内するよ。ついて来て」と言うと、スタスタと歩き始めた。子狐が、三四郎の後をついて行くと三四郎は、不気味な洞窟の前で止まった。そして
 「ここが世界樹のある世界の入り口だよ。この洞窟は、普段は行き止まりなんだけど冬至の日だけ向こうに抜けられるんだ」と言った。子狐は
 「この洞窟をまっすぐ行けばいいの?」と三四郎に聞くと、三四郎は
 「そうだよ。ただ、一人しか入れないから僕は行けないんだ。だからキツネくん、君だけで行かなければならないよ」と言った。それを聞いた子狐は
 「うん!」と言うと力強く頷いた。それを見て三四郎は
 「うん。大丈夫そうだね、でもこの入り口は朝になると閉じてしまうから気を付けてね」と言った。子狐は、再び頷くと
 「じゃあ、三四郎さん行ってくるね!」と言うと、走って洞窟に入って行った。その後ろ姿を見ながら三四郎は
 「キツネくん、大変なのは木の実を手に入れて帰って来てからだよ……」と呟いた。

               つづく

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