うる星やつら チェンジ・ザ・ライフ 第1章 はじまり (Page 1)
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        うる星やつら
      チェンジ・ザ・ライフ
      第1章   はじまり

 あたるが友引高校を卒業して3年経ったある日、あたるは気分転換しようと一人旅をしていた。実は、あたるとラムは高校卒業して2年程で別れてしまったのだ。理由は、些細な事からすれ違いが多くなり、ある日あたるが勢いに任せて
 『出てけーーーーー!!!』と口走り、ラムも意地になり
 『わかったっちゃ!もう、ダーリンとはサヨナラだっちゃ!!!』と叫び、号泣しながら飛んで行ったきり今現在も戻らないのが現状だった。あたるは、しばらく方々探し回ったが結局ラムを見つける事は出来なかったのだ。あたるは、未だにラムの事を思い出しては、あの日の自分の発言を後悔していた。電車の窓から外を見ながらあたるは
 (ラムは、もうとっくに自分の星に帰ってるハズなのに何故俺は何時までもラムの事が忘れられんのだ)と思い席を立った。あたるは
 (ちょっと気晴らしに次の駅で降りてみるか)と思うと、電車のドアの前に立った。間もなく電車は駅に着き、あたるは電車から降りると改札に向かった。あたるは改札を抜け、駅の構外に出る階段を降りている時フッと一人の女性に目が止まった。その女性は一瞬階段の横を通りすぎただけだったが、あたるは何かを感じ慌てて階段を駆け降りた。そしてあたるは近くを見渡したが、それらしき女性は見当たらない。その女性は、グレーのショートヘアで白のサマーセーターに水色のショートパンツ姿だった。あたるは、その女性の着ていたサマーセーターを思い出して
 (あれは…あのサマーセーターは俺がラムに買ってやって、ラムが出ていく時に着ていた物と同じだった様な…もしかして、さっきのは……ラム?)と思った。
 あたるが、女性が向かった方向を探していると
遊歩道の所で立ち止まり空を見上げる女性を見つけた。彼女は間違いなく、さっき見た女性だった。あたるは彼女に近づきながら
 「ラム!!」と叫んだ。すると、その女性はゆっくりと振り返った。あたるは振り返った女性の顔を見て
 「ラム!お前、ラムだよな?」と言った。女性は、驚いた表情で
 「ダ……ダーリン?」と、やっと声を絞り出す様に呟いた。あたるは、その言葉を聞きゆっくりとラムに近づいた。ラムはすっかり変わってしまっていた。表情は以前の様な眩しさは無く、笑顔を忘れてしまった様に陰が有った。ラムは近づいて来るあたるに
 「ダーリン…どうしてここに?」と言うと、あたるは
 「実は俺、今一人旅の途中なんだ。気分転換にと降りた駅の階段で偶然お前を見かけたから追いかけて来た」と言うと、ラムの手を掴み
 「さぁ、帰るぞ」と言って腕を引っ張っり駅の方に歩こうとしたが、あたるの手とラムの手はスッと離れてしまった。あたるが振り返るとラムは、一歩も動いておらず、それを見たあたるが
 「どうした?」とラムに聞くと、ラムは
 「ダーリン、ごめんっちゃ…うち、うちダーリンと一緒に行けないっちゃ……」と言いうつ向いてしまった。するとあたるは
 「一緒に行けないって…どう言う事だ?」とラムに聞いた。ラムは、そんなあたるの顔を見るとすぐに目を反らし
 「うちは、うちはダーリンと一緒に居た頃のうちじゃないっちゃ…」と悲しみに満ちた顔でラムは呟いた。あたるは
 「何があったか知らんが、俺はお前を連れて帰る!」と言い、再びラムの手を掴んだ。しかしラムは、あたるの手を払うとあたるの目を真っ直ぐ見つめ、大きな目に涙を浮かべながら
 「うちの…うちの事は忘れて欲しいっちゃ!!」と言って、走り去ってしまった。あたるはすぐに追いかけたが、ラムは複雑な路地に入り込み、あたるは結局見うしなってしまった。息を切らしながらあたるは
 「くそ!ラムのやつ…何で逃げるんだ……」と言って立ち止まり
 (それにしても、あいつ俺と一緒に居た頃とは変わってしまった様な事を言っていたが、一体何が有ったというんじゃ)と思った。あたるは周囲を見渡すと
 「それにしても、ラムのやつ何で走って逃げたんだ?いつもなら飛んで行くのに」と言って首をかしげた。
 あたるは駅の方に引き返すと
 (偶然とは言え、やっとラムを見つけたんだ。ここで諦める訳に行くか!)と思い、バスの待合所に行くと
    (ここで待ってれば、きっとまたラムに会える気がする)と思って、ベンチに腰を下ろした。
 時間は流れ、やがて日は落ち辺りはすっかり暗くなっても、あたるは待合所を動こうとしなかった。あたるは
 (手がかりがここにしか無い以上、ここで待つ以外に方法はないな…とは言え、再びラムが現れる保証はない。だからと言って、俺は諦めたくない!もう一度ラムに会って、ラムの口からちゃんと訳を聞かねば)と思った。しかし無情にも時間は過ぎ、やがて東の空が明るくなってきた。夜が明けたのだ。
 あたるは朝日を見ながら

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