パーマが言い終わらないうちにカクガリが手を滑らせ大きな音を立てて木から落ちた。 「何だ今の音は?」 「犬を放せ、逃がすな」 犬の鳴き声と共に人の声が聞こえてくる。 カクガリは一度樹上の我々を仰ぎ見ると、林の中に走り込んでいった。 それもワザと騒がしく木々の枝を揺らしながら・・・。 みるからに獰猛そうなドーベルマンと面堂軍の兵士が逃げるカクガリを追いかけていく のが木々の間から一瞬垣間見えた。 「・・・お前の犠牲は無駄にしないぞ・・・。行こうパーマ、カクガリの作ってくれた 時間を生かすのだ」 私とパーマは洋館への潜入に成功した。 つづく