GSサクラお払い大作戦 (Page 3)
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「そうじゃな」
「そ、そうですね・・・」
「それじゃ!サクラ先生・ラム。後で迎えに行きますから、がんばってください!
 ささっ、火暮さん。ここに居ては危険です。向こうへ向こうへ・・・」
「『お約束』しとらんと、はよ来んか貴様ーー!!!(ドバキャ)」
おもいっきし殴られた後、サクラ先生は俺を引きずって歩き出した。
「あ゛ーー!やめてーー!!!やっぱりホラーな雰囲気はビビるんですよー!な?ラム?(ずるずるずる)」
「ウチは別にヘーキだけど・・・」
サクラ先生に引きずられながら、俺達3人は屋敷へと入っていったのであった。

「・・・部長、あの人達、大丈夫なんでしょうか?・・・」
「・・・わからん・・・」

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屋敷の中は、湿っていて薄暗く、今にも何か出てきそうな気配だった。

「ん〜・・・この気配は・・・
 寝室でペンを片手に心臓発作を起こして病院に運ばれたものの善処の甲斐なく午後12時14分に死んだ霊!!!」
「い、いきなりそこまで分かるのけ!?」
「依頼書にそう書いてあっただけじゃ。霊能者にハッタリは付ものでな。」
「サクラ先生・・・よその霊能者が聞いたら怒りますよ・・・」

資産家が死んだ部屋は、屋敷の2階にあるようだ。
今まで怪我した霊能者のほとんどが寝室近くで発見されている点から、
地縛霊は寝室近くに出没すると断定してよい、という結論に達した。

「さて・・・奴をおびき出して退治する方法じゃが・・・」
「何か作戦でもあるんですか?サクラ先生」
「ある。これまで除霊に失敗したGSを見てみたんじゃが、どれも皆、
 男の方のやられ方が尋常ではない。・・・・とゆーわけで諸星・・・」
「はい?」
「おぬし、『おとり』になれ!」
「え?・・・えぇ゛ーーー!?ちょ、ちょっとーーー!!!」
「ダーリン、がんばるっちゃー!『男』を見せるっちゃー!」
「そ、そんな〜〜!殺生なーーー!!!」

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・・・暗い・・・寒い・・・怖ひ・・・

・・・結局引き受けさせられることになってしまった、可哀想な俺であった・・・

にしても、歩くたびに床はきしむし、昼とは思えぬ暗さで、いかにも幽霊な出てきそうな気配がする。
いかに素人の俺でも、全身の鳥肌が立つのだ。

そもそも『地縛霊』とは、その場所で、憎しみ・怨念・恨み・欲などを持ったまま死に、
その念が絡み、永遠に負の世界よりその念を発し、多くの災いを起こす凶悪なる霊魂のことである。
そこに居る人と、想念・魂神と調和が取れない時、その地縛霊は凶悪なる負のエネルギーをもって人に襲いかかり
多くの災い・災難・事故・病死などを引き起こし、低き世界に引きずり落とそうとする。
地縛霊は憑依はせず、永遠に負を発し続けるらしい。
事故死の現場、戦場の跡、または人が多くの恨みをもって死んだ場所などに多く発生するようだ。

・・・ん?ということは、あの霊は寝室に何か心残りでもあるのだろうか?

などと考えながら歩いていると、寝室に着いてしまった。
息を呑んで、中をのぞいて見る。
・・・・何もない・・・・
と、その時であった。古びたベットの上に、いかにも『幽霊』と呼んでちょーだいと言わんばかりの、
ゆらゆらっとした霊体が現れたのは。

《誰じゃ貴様はーー!!!なめとったらあかんぞコラーー!!!》
「あ゛あ゛ーーー!!!やっぱ出たーーー!?」

非常識にも、その地縛霊は乱暴な言葉でメンチを切ってきたのである。

《帰ーれっちゅーとんのにズカズカ上がってきくさって!貴様どないな教育受けとんねんコラ!不法侵入やぞ!!》
「わー、スンマセン!スンマセン!!!」
《いてこますぞ貴様!死ねーー!!!(ぐぉぉっ!)》
「ひーー!!!」

言うやいなや、霊はものすごいスピードで襲い掛かってきた。
が!甘い。『三十六計逃げるにしかず』これは私の座右の銘でもある。
体当たりしてくる地縛霊をひらひらとかわすことぐらい、朝飯前なのであった。

《ハァハァハァ・・・ぬぅ、おのれ、人間離れした身軽さなんぞ持ちおって・・・》
「ニャーッハッハッハ!甘い甘い。そんな攻撃じゃこの諸星あたる様に傷一つ付けることなど不可能じゃい!」
「自慢することか!(バキッ)」
「いてっ!」

高笑いする後ろから、サクラ先生からおもいっきし突っ込まれた。
いつのまにやって来たのだろう。

「貴様がこの屋敷の元の主、御寸釘宗太朗(ごすんくぎ・しゅうたろう)か!?」
《なんじゃ貴様達はー!?何しに来たー!?》

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