GSサクラお払い大作戦 (Page 4)
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「問答無用。数々の悪行、もはや見過ごせぬ。このワシが黄泉の国へと送ってしんぜよう。」
《・・・な・・・》
サクラ先生はそう言い放つと、除霊用の武器であるお払い串を静かに天に掲げ、
ゆっくりと左右に振り出した。
「はらったま〜きよったま!はらったま〜きよったま!・・・」
《・・く、くそっ・・・》

苦しそうな声を上げると、地縛霊はスゥっと消え去っていった。

「消えた?やっつけたんですね!?」
「いや、まだじゃ。一時的に逃げただけで、まだ近くに潜んでおる・・・」
「サクラ、この部屋の下、小さな部屋があるっちゃ。一階にはそんな部屋なかったはずだっちゃ!」

ラムは何やらまた怪しげなセンサーを見ながら、床の下を指した。

「ほほぅ・・・隠し部屋というわけか・・・フンッ!(ドカッ)」
サクラ先生がベットを一蹴りすると、ホコリが舞った後、隠し扉が見つかった。
どうやらこの扉から、下の隠し部屋にいけるようだ。
とゆーことは、地縛霊はこの扉を守っていたわけである。これはますますクサくなってきた。

「よし、行くぞ。あと、諸星。霊相手では役に立つかわからんが、一応これ持っておけ。」
「へ?」
サクラ先生がリュックから取り出して俺に渡したものは、拳銃だった。
「こ、これは、コルトパイソン!?」

『コルトパイソン』
世界最高の量産リボルバーと言われ、ダブル・アクションの機構は優秀で品質水準も非常に高い。
また極めて丈夫なので寿命の続く限り、.357マグナム弾を目一杯発射する事が出来る6連発リボルバーである。
また、ベンチレーテッド・リブバレルのスタイルも美しいのも特徴の一つである。
ただ、値段が高い事でパイソンを使用できない警察も多く、この銃を持つ事は一種のステータスと言われている。
『シ○ィーハ○ター』で冴○リョウが使っていた銃もこれであった。
なんか面堂がやたら詳しく話してたのを覚えている。なんでだろう・・・

「ちょ・・・サクラ・・・それ・・・・」
「銀の弾丸が入ってるから、効くかもしれん。」
「いや、そーじゃなくて・・・なんで持ってるっちゃ?そんなもの。」
「この前ちょっと面堂の家から一丁失敬してきてな。」
「でもサクラ先生・・・これって銃刀法・・・モガッ・・・」
「それ以上言うな!よし!それでは行くぞーー!」

・・・違反だよなぁ・・・

心の中で続きを言い、俺とラムもサクラ先生の後に続いた。

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隠し部屋は、机と本棚しかない部屋であった。

「・・・何もないっすね・・・」
「・・・うむ・・・」
「あ、詩集だっちゃ。作者は・・・御寸釘宗太朗?」
「え?この本棚いっぱいにあるの、全部そうなのか?・・・」

さっそく俺達3人は、御寸釘が残した詩集を読んでみた。
内容はあえて言わないが、読まれたらかなり恥ずかしいことば長々と書き連ねてある。
なるほど、これを見られたくないという一心から、怨念と化し、地縛霊となったのであろう。

《こらー!貴様らーー!!!よ、読むなそれをーー!!!》
どこに隠れていたのか。
先ほどまで逃げていた地縛霊が、突然姿を現した。

「今じゃ、ラム!!!」
「了解!電撃〜〜10万ボルトー!(ドババババッッ!!!)」

すかさず、ラムが電撃を食らわした。
気のせいだろうか、いつも俺に喰らわしている電撃より弱いような気がするのだが・・・
(すると何か?俺は地縛霊より始末が悪いってか?)
それでも結構効いているようだ。地縛霊は身動きが取れなくなったようだ。

「よ、よし、俺も。喰らえー!(ズドォォン・・・)」
俺も先ほどサクラ先生から拝借したコルトパイソンで、銀の弾丸を撃ち込んだ。

・・・スカッ・・・

「あ、あれ?」
「う〜む・・・やはり幽霊相手では銀の弾丸は効かんか・・・」
「分かってるなら最初から言ってくださいよーー!!」
「しょうがない、使いたくなかったんじゃが・・・諸星、リュックから破魔札を出せ!」
「は、はひ・・・」

俺はリュックから錯乱坊特製の破魔札を出すと、サクラ先生に渡した。

『錯乱坊破魔札』
どこからともなく沸いて出ては迷惑をかけるあの錯乱坊であるが、
やはりサクラ先生の叔父だけあって霊能者としては超一流らしい。
この破魔札は、その妖怪坊主が霊気を込めて書いた、特製のお札だそうだ。
いざというときの『必殺除霊兵器』である。(錯乱坊印が入っているのが本物)

受け取るやいなや、サクラ先生は何やら唱えだした。


「いまわしき黄泉の使者よ!!何故生者に害を為すかっ!?我、サクラ、自然の理と正義の名において命ずる!!!」
《や・・・やめ・・・》
「退け!悪霊!!!退散!!!!!!(バシッッ!!)」
《ぐわぁぁ・・・ぁ・・・》
「汝の魂に、幸あれ・・・」

こうして、錯乱坊破魔札と共に、地縛霊:御寸釘宗太朗は成仏していったのであった・・・




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