BD2 機動武装隊「青龍組」 (Page 2)
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その三日後、ハイゼル要塞領域に帝国軍艦隊22000隻が侵入を開始した。
「本部より第一艦隊、第三艦隊へ。要塞領域に帝国軍に22000隻が侵入。直ちに出撃せよ。健闘を祈る」
要塞内全てにこの放送が流れた。

第五号客人室
「遂に来たか・・・」
メガネはありったけの武器を作り出し、皆に分けた。その製造方法は定かではない。
「それはいいんだが・・・、もうちょっとましな武器はできんのか?」
それは槍にカエルや蛇、ゴキブリなどの「げてもの」と言われる物が突き刺さっていた。確かに人によってはこれ以上強い武器はいない。
だが、相手は兵士である。そんな物効く人間など指で数えられる数であろう。
「なにをいうか!これ以上がどこにある!だいたい・・・」
「また始まった・・・」
あたるは耳をほじくりながら、呆れた目でメガネを見ていた。熱弁する姿はもう見飽きたのであろう。
「ほっとけ。そのうち言い疲れてたおれるさ・・・」
あたると面堂は背を向けてトイレに行った。しかし・・・。
「こらぁ!俺の話はまだ終わってないぞ!!おまえらな日頃の・・・、しかるに・・・、かくも言うなら・・・」
メガネは二人のエリをつかむと部屋に強引に引きずり込み、座布団に正座させた上で、長台詞が始まった。
(と、トイレいかしてくれっ・・・)
(も、もれる・・・)

「はぁはぁはぁ・・・。解ったか?つまり・・・。こらぁ人のは聞く気あんのか!?」
そこには三時間トイレに行けなかったことで気絶した。
「ど、どうした!?誰に襲われた!?敵はどこだ!?」
あたるはわずかに気が付くと少し、ぴくぴくしていた。
「と、トイレ・・・。無念なり・・・」
そう言って再び気絶した。

医務室
「危ないところでした。いや〜発見が早くて良かったですよ」
「まさかちょっと目を離したときに襲われるとは・・・」
医療室である。メガネが敵に襲われたと勘違いし、あたるの残した「トイレ」の言葉に、まずはトイレに向かった。
そしてだれも居ないことを確認し、部屋に戻るとコーヒーを飲んだ。その後一時間テレビを見て、武器の制作に二時間、部屋に掃除に三十分、
そしてやっと医療室に連れて行ったのだ。
あたると面堂はは意識が回復し、医療班担当とメガネの会話をこっそり聞いていた。
(ちょっと目を離した隙だと・・・)
(三時間半も目を離しとったんかっ・・・)
あたるは木槌を取り出し、面堂は刀を10pほどにきながら、枕に隠れて歯を食いしばり、メガネをにらみつけた。
「お目覚めですか?」
ドアを開け、敬礼の後、入ってきたのはゼルクスだ。外の宇宙空間では激しい戦闘が繰り広げられているにも関わらずのんきなものだ。
ゼルクスは第二艦隊司令補佐なので、要塞待機である。
「何でしょうか?」
医者が代わりに返事をした。あたると面堂は上半身だけを起こすと、ゼルクスの返答を待った。
「いえ、待機と言っても帝国軍は一行に責めてこないし、寝ていたら、リーヤン元帥があなた方の世話をしろとの通信が入りましたので・・・」
「こりゃあ、どうも」
あたるは愛想良く返事した。
「一応要塞のおおまかなところを案内するつもりですが、宜しいでしょうか」
「ま、それもいいな」
面堂とあたるはさっと起きてゼルクスと肩を組んで、すたこらさっさと部屋をを後にした。
「お、おい待て!」
メガネも部屋を出ていこうとしたが、部屋を出た瞬間横に隠れていたあたると面堂に袋たたきにされた。
「死にませんか?」
ゼルクスがやばそうな顔をしてメガネを見ていた。
「殺されるよりましだ」
「殺したんじゃないんですか?」
「死んだんだ」
「・・・」
分けのわからん会話だ。三人はメガネを背に消えていった。床にはメガネが惨い格好で倒れている。

第五号客人室
「ぶは〜。疲れた・・・」
最初の一言を行ったのはあたるだ。それに続いてメガネ、面堂が続く。
「まさか全部回るのに半日もかかるとは・・・」
「でかすぎるんだよ、この要塞は・・・」
あたると面堂はベッドの上で大文字を描いて倒れていた。メガネは椅子に腰掛けて、背もたれに、もたれている。
「おやおや、屋敷がでかいだけの面堂らしからぬ台詞だな〜」
「いやいや、貧乏人にはこの気持ちはわからぬよ」
二人はベッドの上で構えた。メガネは椅子にもたれながら目頭をおさえた。見慣れぬものを見過ぎたせいか極端に、目が疲れたのだ。
「今頃ラムさんは何しているだろうか・・・。俺たちはこんな事をしている暇なんぞあるわけがないのに、何はしゃいでいるのだ。情けない・・・」
「・・・」
あたると面堂は、お互い武器を納め、ベッドの上に座った。ラムの事を忘れ、はしゃいでいた事に激しく後悔した。

翌日
「お目覚めですか?」
「昨日と同じ事言いやがって・・・」
あたるはぼさぼさの頭をかきながら、ベッドから起きあがった。
「今日は何のようだ?」
「はい、実はあなた方にもこの戦争に参加して貰おうと思って・・・」
「え?」
「なんでやねん?」

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