BD2 機動武装隊「青龍組」 (Page 5)
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「それもそうだな、スマンがゼルクス、審判をやってくれ」
あたると面堂が立ち上がると、シューベルともう一人の隊員も立ち上がった。
(複数戦は我々三人がもっとも得意とする分野。三十秒で片付けてやる)
シューベルはそう言う企みで複数戦を許可したのだ。せこいと言えばせこい。
「両者戦闘準備!」
ゼルクスが右手を挙げ、
「初め!」
の声と同時に右手を振り下ろした。ドカ!バキ!ペン!
「な〜にが手練れだ。弱いじゃないか」
面堂は刀をしまうと少ししか乱れていないオールバックの髪を整えた。
「これなら教師共と張り合った方がなんぼかマシじゃ」
あたるも木槌をぽいっと捨て、重なって気絶している三人を見た。
「全くだ。卑怯な手を使わずともかてたな」
メガネは上半身裸で、しかも下は空手胴着の袴だ。いつの間に着替えたのだろうか。
端のほうで見ていた他の隊員は唖然とした顔で、あたる達三人を見ていた。手練れに無傷で勝った事にも驚きだが、
いつの間にか面堂は刀を、あたるは木槌を、そしてメガネは袴を着ていた事に驚いたのである。
「ま、これで青龍組のナンバーワンからスリーは俺たちのものだ」
珍しく、三人の意見が合致した。

帝国軍第十三艦隊司令鑑「シリウス」
捕虜監禁室
「ん〜、ん〜」
ラムはその頃、この戦艦シリウスの捕虜室に閉じこめられていた。そこには二、三人の同盟兵もいる。ラムは電撃が危ないと言うことで
耐電式ロープで体を縛られ、ガムテープで口を塞がれていた。
「大丈夫ですか?」
一人の兵がラムに話しかけてきた。ラムを縛っているロープとガムテープを取ってくれた。
「最初から取ってほしいっちゃ」
「すいません・・・」
意外と気弱な兵士だ。よくこんな状況下で生きて行けたものだ。
「私の名は、シュガロー・メンダー少佐です。武装機動隊青龍組のものです」
「青龍組?」
ラムにはわっぱり解らない。その後シュガローは同盟と帝国の五十年来の戦争について詳しく話した。
あたる達とだいたい同じ内容のことを聞くとラムはあたるがどうしたのか聞いてみた。しかしシュガローには知るよしもない。
「ラムちゃん・・・。重い・・・」
さっきからラムに座られっぱなしで、しかもラムはロープをちぎろうとして何度も放電していたため、テンは気を失いつつあった。
「て、テンちゃん!ごめんちゃ!」
ラムそう言うとテンを抱き上げた。
「はははは・・・、こんぐらいなんでもあらへん・・・」
明らかに無理をしている。これも男の意地というものなのか。
「とにかく、ここを脱出しないと・・・」
〜続〜



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