BD2 帝国進撃! (Page 3)
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第一話のほうで荒れ果てた町が存在したのは、そこに帝国軍の歩兵部隊が侵入し、その戦場となったためです。
地下には同盟軍の基地が存在しています。そこで鑑の修理や燃料の補充、けが人の治療、ストレスを溜めないための
娯楽施設、兵員の個室、希望者は兵員の家族が住んでいます。そのほかは軍の機関として機能しています。
また、大気圏のすぐ外には移動可能な浮遊砲台が五台が存在し、艦隊との連携した強力な波動砲撃を加えます。
そして極めつけとして、北極上空と南極上空には巨大な浮遊砲台が存在し、その破壊力は普通の波動砲の十倍に値します。
南極の砲台は分散型で、指定した距離まで来ると三百六十度の全方向に分散し、広範囲に渡って小さな波動が無数に襲いかかります。
一方北極の砲台は直進型で、巨大な波動が、せまい範囲ながら、驚異的な破壊力を見せます。
ただし、両者とも一回使うと冷却、充電に時間がかかり、次を撃つのに、三十分かかります。
南極砲台はストームと呼ばれ、北極砲台はインパクトと呼ばれています。

会議室
そこには各小艦隊の司令が集まっている。しかしなぜか第二中艦隊のはずのゼルクスがいた。それはリーヤンがゼルクスの保護者
である以上、第二中艦隊に連れて行くわけには行かなかったため、リーヤンがゼルクスに命令という形で第一中艦隊に移動した為であった。
他には砲撃部の人間もいる。
面堂が入ってきた後、リーヤンが入ってきた。他の会議出席者がそれに合わせて起立した。面堂も所定の席に立つと、
リーヤンの敬礼に合わせて、全員も敬礼する。
「ではこれより、会議を始めます」
リーヤンの隣にいるのはフレリーのようだ。飾り気のない優しそうな女性である。二十代後半のようだ。
(ほ〜、なかなかの美人だな。後で口解いてみるか・・・)
「提督、帝国軍は現在首都星に向かっているはずです。我々ハイゼル要塞軍の出番は無いはずです。ココは、護衛の第二中艦隊と
第十一中艦隊、それから迎撃に向かった第六、第八中艦隊に任せるべきでは無いでしょうか?」
第一声を放ったのは、第九小艦隊司令、ライル・チョリフ中将である。一つの小艦隊で帝国軍3000隻を相手にし、勝利を得た同盟軍の英雄の一人だ。
第九小艦隊は小回りの利く艦が多く、敵を包囲殲滅、又は後ろに回り込む事に長けている。
性格はまじめで規則正しく、信頼する上官に忠誠を誓うほどの人間ではあるが、頭の固い人間ではない。五十代前半と言った所であろう。
ハイゼル要塞内では規則を取り締まっている。
「私が心配なのはその首都星に向かったのはおとりではないかと言うことだ」
その後、リーヤンは面堂に話したのと同じ事を会議室の全員に告げた。一同は驚いたが、リーヤンの言うことは筋が通っていた。
「なるほど・・・、確かに首都星に向かった敵は我々に気付かれぬよう、恐らく大きく遠回りをしたことでしょうな。
そしてその事に気付かなかった我々は慌てて要塞の艦隊を出撃させ、鑑数の減った要塞を大群を用いて殲滅する・・・。
本土の連中はこの作戦にまんまと騙されたと言うわけですか」
「冷静な判断をしていれば気付くことだ。いくら要塞が難攻不落だからと言って、こんな鑑数が少なかったら勝てるはずがない。
無論、本当に敵がこちらに来ればの話だがね」
「元帥は首都星に向かって欲しいのですか?」
「そりゃあ、そうだよ。こっちは兵力が圧倒的に少ないんだ。出来れば首都星に向かってそこで迎撃の第六、第八中艦隊と
護衛の第十一、第二中艦隊に戦って貰いたいね」
しばらく沈黙が続いた後、面堂が少し控えめに手を挙げた。
「あの〜、戦闘時における作戦会議じゃ無かったんですか?」
全員があっと言うような表情をして、咳払いなり、書類を整えるなりして、やっと会議の姿勢になった。
しかし会議と言うが、だいたいがリーヤンの立てた作戦を考えて、それを説明する。
いわば、作戦の報告会で、後は戦闘に置いて臨機応変に対処するのがリーヤン率いる第一中艦隊のやり方なのだ。
しかし、会議を始めようとするとドアが開き、一報が入ってきた。
「失礼します。帝国軍約10000隻の艦隊がこちらに向かっています!方向は帝国第二惑星方面!」
「分かった。浮遊砲台で迎撃。その後、第一から第四小艦隊4000隻をそちらに向かわせろ。浮遊砲台と4000隻あれば十分だ」
指示を出したのはリーヤンではなく、第五小艦隊司令、ロージャン・エベル少将である。ロージャンもゼルクス動揺、戦争孤児で、
まだ子供だったリーヤンの家に養子になり、そして幼なじみとして、リーヤンを後押ししてきた。この男がいたからリーヤンは実力以上の物を発揮できたのだ。
「こら、勝手な指示を出すな・・・」
リーヤンは呆れた声でそう言う。
「でも、最初からそうするつもりだったんでしょう?」
リーヤンは返す言葉がつまった。実際そうしようとしていたのだ。
(さすがは幼なじみだな。よくわかってらっしゃる)

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