BD2 帝国進撃! (Page 5)
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ゼルクスの顔には焦りが見える。しかしあたる達は表情一つ変えなかった。それを見たゼルクスは気持ちを落ち着かせ、
さらに口を開いた。
「それでも行きますか?」
「行くと言ったら?」
少しゼルクスは黙り込んだ。
「僕は止めません・・・」
面堂は少し驚いた。外は戦闘が始まっているのか、道場が時々揺れた。神棚がゆれ、今にも堕ちそうな感じだ。
「どうしてそんなに肯定的なんだ?」
「そのラムさんというのは僕の先祖なんです・・・」
「は〜!?」
「でもココは異次元だ。異次元のラムさんの子孫なわけだから我々には関係ない・・・」
メガネは少し焦りながらも、そのことを否定した。
「実はそうともいえん」
外から入ってきたのはサクラ、しのぶ、竜之介だ。
「サクラ先生、しのぶ、竜ちゃん・・・」
「どういう事です?ココは異次元だとサクラ先生自身がおっしゃったじゃありませんか?」
面堂はあくまで紳士的に答えた。
「ココは地球ではないことはもう分かっているな?つまり、あそこにあった友引町も偽物じゃ」
「!」
「つまり、ココは本当に未来の世界の可能性がある」
100%だとはサクラも断定できなかった。それになぜ未来に来たのか、その謎も出てきた。


「何か呼んだっちゃ?」
ラムが監禁室でシュガローに尋ねた。耐電性ロープで今度は人でもほどけないような結びで、シュガローにも
ほどけなかった。
「いえ、何も・・・」
シュガローは手に写真を持っていた。それを先ほどから眺めている。
「何見てるっちゃ?」
ラムはロープを縛り付けられたままその写真を覗こうとした。シュガローは顔を赤くして、写真を隠した。
「何で隠すっちゃ?」
「いえ・・・、何でもありませんから・・・」
「何でもないなら何で隠すっちゃ?いいから見せろ!」
ラムは両手が効かないままでも足を器用に使って写真を取り上げた。そして写真を指にはさんで目の前に持ってきた。
シュガローはそれを取り返すべく飛び上がったが、ラムは空に飛んで、シュガローはそのまま顔面ごと床にぶつかった。
「なーんだ、家族の写真だっちゃ・・・」
社長のような顔をした男とその家族が四人ほど写っている。シュガローはそのウチの一人だ。後ろには巨大な豪邸が写っていた。
「は、ハイ・・・そうです」
「何で隠す必要があるっちゃ?」
「いや、なんとなく・・・」
シュガローが写真を隠した理由は見られたくないからではなく、ラムがシュガローの目の前に顔を持ってきたことにあった。
それを見たシュガローは緊張し、とっさに写真を隠してしまったのだ。
ラムは写真に写っている社長男がどこか見覚えのある顔に思えた。
「ん、これは・・・」
ラムはその男の胸にある家紋をよくよく覗いてみた。
「これは・・・、ひょっとこ・・・?」
〜続〜


この世界での階級
1、元帥 2、大将 6、大佐 9、大尉  13、曹長 17、上等兵  
     3、中将 7、中佐 10、中尉 14、軍曹 18、一等兵 
     4、少将 8、少佐 11、少尉 15、伍長 19、二等兵
     5、准将      12、准尉 16、兵長




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