BD2 帝国進撃! (Page 4)
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冗談交じりか、面堂は敬語でそう思った。面堂はシューベルとの戦いのあと、あたる達と共に、ゼルクスからおおまかの人物紹介を受けていた。
報告に来た兵士は敬礼の後、ドアを閉め、走り去っていく音が会議室に聞こえた。
「来ましたな・・・」
ライルが指を組んだ手を机の上に置いた。
「おかしい・・・」
「何がですか?」
今度は第八小艦隊司令、ゼブラン・ワルサー中将だ。かつて帝国で宇宙海賊として犯罪を犯し、さんざん悪事を働いた後、
同盟に亡命してきたのだ。同盟では犯罪を犯すことなく、普通の日々を過ごしてきた。しかし宇宙海賊としての血が騒ぎ、
軍に入隊。帝国ハンターとしてリーヤンやライルのように帝国に恐れられる人物の一人である。
第八小艦隊は第九小艦隊と違い、重量艦が多く、中央突破を得意とする。
「帝国軍の量が少なすぎる・・・。かつてこの要塞を攻撃しようとした敵は少なくとも20000隻ぐらいで来ていた。
それを10000隻で来るのはおかしい。何かあるはずだ」
「確かにそうですな。10000隻程度で落とせる要塞では無いことを向こうは知ってるはずだ。こちらが揺動なのか・・・」
ライルは要塞戦を知らない面堂他ゼルクス等に説明するようにわざとらしく言った。
「うーん・・・。まさか・・・」
リーヤンは急に立ち上がると後ろにあるモニター付き電話で総司令室に電話をかけた。
「私だ!浮遊砲台を三台を今すぐ引っ込めろ!逆方向に回すんだ!!」
「それは無理です!一度動き出した浮遊砲台は設定した場所に来るまで止まりません!」
「くそ!」
そういって電話をたたきつけた。
敵を目前にして砲台を逆に向けようとした行為に幹部に驚きが走った。するとロージャンがただ一人冷静な声でリーヤンに尋ねた。
「どういう事です?」
リーヤンはまた椅子に座ると深呼吸して話し始めた。
「これは裏の裏をかいた作戦だ。最初、敵は首都星に侵略する振りをした。私は首都星のレーダーが数を確認できない事を利用して、この要塞の隻数を減らす
作戦だと思っていた。そして敵が真っ正面から来ると思い、敵は案の定、正面からやって来た。そして浮遊砲台を全部正面の敵に向けてしまった。
これが、敵の作戦だった。恐らく首都星に向かった敵軍は急速反転し、こちらに向かってくるだろう。浮遊砲台とは反対の方向からな・・・。
しかも浮遊砲台は一度設定したところまで来ないと操作できない。ストームとインパクトを使ったとしても三十分は身動きが取れないだろう。絶対絶命だ・・・」
要塞に緊張が走った。
「敵が来る前に浮遊砲台を反対側の敵に向けられないんですか?」
何も知らない面堂の発言である。
「無駄だ。浮遊砲台は移動速度が遅い。反対方向に向けるには半日かかる。しかも、現在、浮遊砲台は移動できない・・・」
リーヤンはしばらく黙り込むと、決断を出した。
「前戦に向かった第一から第四小艦隊は反転!要塞から第五、第六小艦隊も出撃し、敵艦20000隻の迎撃に迎え!これは私が指揮する!
第七から第九小艦隊は浮遊砲台の援護射撃を利用しつつ、敵を殲滅せよ!これはロージャンに少将に一存ずる!
第十小艦隊はレーダーもう装備をし、脱出に備えろ!」
「しかし・・・」
「これ以上話している場合ではない!行くぞ!」
その後、要塞後方に新たな敵軍20000隻が、接近していることが分かった。


「警戒!警戒!新たに敵艦20000隻がハイゼル要塞に進行中!総員、戦闘準備!」
要塞内でサイレンが鳴っている。あたる達もこの非常事態について面堂から説明を受けた。
「一番隊から二番隊は前戦に参加、三番隊は敵侵入時の進行妨害をしろということだ」
一番隊はあたるが長、二番隊は面堂で、三番隊はメガネだ。武装隊は上三つの上位を持つ、人間が番隊の組長を務めることになっている。
一番隊にはシュガローと新たに配属されてきたゼルクスもいる。
「第二中艦隊がいない今、我々に勝ち目はない。今回は脱出の為の時間稼ぎだ。総員、心して掛かるように。以上!」
「はっ!」
全員が敬礼し、面堂は答礼をすると、あたるとメガネに招集をかけた。
「なんだ面堂?」
「先ほど、リーヤン元帥から聞いたんだが、どうやら敵艦隊の中の一つにラムさんが居ることが分かった・・・」
「何!?」
あたるとメガネは一歩前に出た。ゼルクスもピッと動いたのに面堂は気付いた。しかしメガネがその注意を逸らすように
次なる質問をした。
「で、どこにいる!?」
「敵艦シリウスだ・・・」
ゼルクスからメガネに視線を向けると声を低くしていった。鼻の上当たりに影ができた。
「し、シリウス!?」
大声を上げたのはゼルクスだ。まだ道場に残っていた。その場で鳥肌を立てている。
あたるはそれを見て、どう言うべきか迷っていた。
「なんか・・・、あるのか・・・?」
「シリウスって言ったら、周りの親衛艦の機動力が帝国最強を誇って居るんです!そう簡単に救出にはいけません!」

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