Welcome To Another World(Chapter 6) (Page 5)
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実際はウチやウチの隣にいるこのお姉ちゃんに負けないくらい大きいっちゃよ」
ラムは弁天を指し示しながら少女に言った。
「へえー。じゃあいっぺん見せてよ。でなきゃあたし信じられなーい!」
少女は竜之介にそうせがんだ。
「しょうがねえなあ・・・じゃあ、ちょっとだけだぞ」
そう言うと、竜之介はサラシを取り始めた。その様子を少女とオールバックの男が眺めていたので、
「何でてめえまで見てやがるんでいっ!!」
と白い学ランの男を空のかなたにぶっ飛ばした。そして、サラシを取り終わった。
「どうでい!これで信じるか?」
竜之介はあられもない姿を少女にさらし、そう叫んだ。
「うわあーっ、すっごーい!ほんとだ!ねえ、どうしたらお姉ちゃんたちみたいにおっぱいが大きくなるの?」
竜之介の胸を見るや否や、少女はそう尋ねてきた。
「えっ?何でっておめえ・・・そんなこと言われてもよー・・・」
竜之介が答えに詰まっていると、ラムが、
「いっぱい食べていっぱい寝て、そしていっぱい恋すればいいっちゃ!」
と横から答えた。こうやって3人の胸の話で盛り上がってしまっていたので、
「あの・・・ちょっといいですか?皆さん、大事なことを忘れてませんか?」
面堂が脱線をストップさせた。5人は自己紹介を始めた。
「あたし、アンジェラっていうの!さっきは本当に助けてくれてありがとう」
「へえー、変わった名前だなあ。オレは竜之介、藤波竜之介だ」
「リューノスケ?あなたのほうがよっぽど変わってるじゃない!じゃあそっちのトラジマビキニのあなたは?」
「ウチ、ラムだっちゃ!よろしくー」
「ボクは面堂終太郎だよ。同じく、よろしく」
「アタイは弁天様よお。それにしてもおめえ、こんなところで何してんだ?」
弁天は自己紹介すると、アンジェラに質問した。
「この先にあるジェームスの森って所に、ミラクルセージっていう薬草があるらしいのよ。
それを採りにここまでやってきたの」
アンジェラがそう答えると、ラムが血相を変えて、
「ア、アンジェラ!それ、本当だっちゃ!?ミラクルセージは本当にあるっちゃねっ!?」
と叫び、アンジェラに詰め寄った。
「本当よ!だって私の村の人で、それを使って命が助かった人がいるんだもん。
でもなんでそんなに驚いたの?」
アンジェラがそう聞くので、弁天は今までのいきさつを彼女に話した。
「・・・なるほど、ラムの愛しいだんな様の命を救うために、わざわざ表世界から来たってワケね」
弁天の話を聞いたあと、アンジェラはそう言った。
「ところで、君はミラクルセージを誰のために使うつもりなの?」
面堂はアンジェラに尋ねた。
「半分は私のパパのためなんだ。パパね、最近この世界ではやっている伝染病にかかっちゃって・・・
薬を買おうにも、ウチは貧乏だから・・・だからミラクルセージを使ってパパを助けようと思って」
アンジェラはそう答えた。
「小さいくせになかなか感心じゃねえか、アンジェラ。でも半分はって何だ?残りの半分はどうしたんだ?」
弁天がそう尋ねると、
「残りの半分は自分のためなの。うふふ、私ねえ、あなたやラム、それに竜之介のようなボインに憧れているの。
もし大人になっても今みたいにペチャパイのままだったら、セージを使って大きくしようと思ってるの」
とアンジェラは答えた。女3人はそろってずっこけた。
「そ・・・そんなことのために・・・」
竜之介は呆れ顔でそう言った。
「そんなこととは何よ!この世界ではねえ、女の美しさの大事な要素の1つなのよ、胸の大きさは。
あんたたちだって、道中で散々男から声かけられたんじゃない?」
アンジェラはそう答えた。そう言われると、竜之介たちは村での出来事を思い出した。
「心配しなくても、あんたもそのうちに大きくなるっちゃよ。ウチだってあんたぐらいのときは・・・」
ラムは慰めるように言った。その後だった。
「ねえ、セージ採りに行くんだったらさあ、あたしも一緒に連れて行ってよ!
あたしねえ、セージのありかを示した地図持ってるのよ。連れて行って損はないと思うな。
もちろんセージが手に入ったら、山分けでいいわよ」
1人では心細いからと、アンジェラはこう申し出た。
「どうするっちゃ?弁天・・・」
「まあ、悪い奴じゃなさそうだし、いいんじゃねえか?」
こうしてアンジェラが、セージ発見隊に加わった。
To be continued......
Toshio

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