Welcome To Another World(Chapter 8&9&10&11) (Page 2)
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「ジェニー・・・!!おのれ・・・!!よくも私の妹を!!」
ステファニーは激怒し、2人のほうを睨みつけた。
「予定通りだな、竜之介」
「ああ。じゃあ今からオレはしのぶ達の援護に行ってくるぜ。どうやらあのデカブツに苦戦してるみてえだからな」
そう言い残すと、竜之介はその場を離れた。
「健闘を祈るぜ、親友・・・」
弁天はポツリと呟いた。
「ま・・・待てっ!!逃げるのかっ!!」
ステファニーはその様子を見て、竜之介を追おうとしたが、
「おっと!おめえの相手はこのアタイがたっぷりしてやるぜ。一人で戦ったらどの程度なのか、見せてもらおうじゃねえか」
不敵な笑みを浮かべる弁天に遮られた。タイマンなら勝てるという確信が弁天にはあった。
「おのれ・・・!!その気に入らない薄ら笑い、今すぐ消してやる・・・!!」
弁天とは対照的に、ステファニーは険しい表情だった。
Chapter 9 また若者が死んだ
「わが青春に悔いなァーーし!」
「お母ちゃあーーん!」
「バッキャロオーーー!」
「うおらあーーー!」
「男なんてえーーーっ!」
メガネ、パーマ、チビ、カクガリ、そしてしのぶの5人は、マシューと戦っていた。
5対1とは卑怯な、などと思うかもしれないが、これでもやっと互角という体たらくなのである。
面堂家から支給された様々な近代兵器を駆使して、休む間もなく波状攻撃をかけているにもかかわらず、
一向にマシューは倒れなかった。明らかに疲れてはいたが、5人の疲労はそれ以上だった。
「ハア・・・ハア・・・ちっくしょう・・・!!化け物かよ、あいつ・・・!!」
「い・・・一体いつになったら倒れるのよ・・・あいつは・・・!!」
パーマとしのぶは明らかに苛立っていた。2人以外も皆そうだった。
「あわてるな、パーマ!しのぶ!オレたちの攻撃は確実にヤツに効いている。もう少しの辛抱だ!!みんながんばれ!!」
メガネの言葉どおり、イラついているのはマシューも同じだった。
(ちくしょう・・・ドブネズミどもめ・・・!!5匹がちょろちょろ動き回って攻撃してくるから攻撃しにくいったらありゃしねえ!!
このままこんな事続けていたら、こっちがジリ貧になっちまう・・・)
前にマシューと戦ったランのアドバイスにより、5人は常に散らばって攻撃し、決して固まって戦わないように努めていた。
ランが言うには、マシューの必殺技は確かに強いが、どれも有効範囲が狭く、一度に複数の敵を攻撃するのは苦手らしい。
離れた所から攻撃を続け、倒れたところを一気に止めを刺すというのがランのアドバイスに基づいたメガネたちの作戦だった。
(何とか奴らを1箇所に集めねえと・・・でもどうすれば・・・)
一方マシューはこのように考えていた。そんな時だった。
「うわあああーーーー!!!」
考え事をしていて動きが止まっていたマシューの隙を突いたチビが、後ろに回りこみバズーカでマシューの背中を撃った。
「うごああーーー!!」
突然のことにマシューは反応できず、背中に砲撃をまともに受けた。彼はうつぶせに倒れ、動かなくなった。
「で・・・でかしたぞチビッ!!みんな今だ!突っ込めーーーっ!!」
その様子を見るなりメガネはこう叫び、作戦通りスパートをかけた。
「いた!あそこだ!!」
メガネたちがスパートをかけようとしていたその時、竜之介がたどり着いた。
しかし次の瞬間、マシューが突然仰向けに向きなおした。そしてにやりと笑った。
「な・・・!?」
5人はバカなという気持ちになった。そしてその直後マシューの体が光ったかと思うと、5人は皆吹っ飛んだ。
これこそマシューの作戦だったのだ。わざと倒れた振りをして、敵が一斉に襲ったところを、
威力は抜群ながらも射程距離が狭い全身から発射する怪光線で倒すというものだった。
作戦勝負はマシューの勝ちだった。この攻撃を受けた5人は、しのぶを除き皆即死した。
「し・・・しのぶ!みんなァーーーっ!!」
竜之介はあわててしのぶのもとに駆け寄った。しのぶももはや虫の息だった。
「しのぶ・・・しっかりしろ!しのぶ!!」
「りゅ・・・竜之・・・介・・・君・・・セ・・・セージは・・・あたる君は・・・」
しのぶは抱きかかえられたまま今にも消えそうな声で尋ねた。
「心配いらねえ。今頃ラムの奴が諸星に薬を飲ませてるはずだ。あいつはじきに回復するさ」
竜之介はしのぶを安心させるように答えた。
「じゃ・・・じゃあ・・・助・・・かるの・・・ね・・・よか・・・った・・・」
これだけ言うと急にしのぶの力が抜けたのか、竜之介はしのぶか重くなったように感じた。
「お・・・おいっ!しっかりしろ!!お前もミラクルセージで助けてやる!!コラ!目ぇ閉じんじゃねえっ!!」
竜之介はしのぶの頬を叩き必死にそう叫んだが、しのぶは竜之介を見つめて微笑んだあと、二度と目を開けることはなかった。
「しのぶ・・・しのぶ・・・!!ち・・・ちくしょお・・・・!!」
竜之介は唇を噛み締め、目から涙を流ししのぶの死を悲しみそして悔しがった。

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