Welcome To Another World(Chapter 8&9&10&11) (Page 5)
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「弁天・・・!弁天!弁天!!うう・・・・・・」
ラムは泣きそうになったが、声を上げるのを必死にこらえた。
「弁天・・・敵は絶対にとってやるっちゃ!!弁天からもらったこの命、絶対に無駄にしないっちゃ!!」
そう言うとラムは空に飛び立った。フィリップ達の方向に向かっていた。
一方その頃竜之介対マシューの戦いも大詰めを迎えていた。
しのぶ達5人の攻撃を受け続け疲弊しきったマシューは、竜之介の敵ではなかった。
「ぐあああーーーっ!!」
竜之介のとび蹴りを食らい、マシューは倒れた。すると彼は歩み寄る竜之介に対し、
「ま、待ってくれ!参った!もう降参だ!!だから頼む!命だけは・・・命だけは助けてくれぇっ!!」
とうろたえた様子で命乞いを始めた。
「散々人を殺しておきながらよくもそんなことがぬけぬけと言えたもんだな・・・!!」
竜之介はあきれた様子でそう言ったが、そのあまりの惨めな姿に、竜之介は殺意が薄れた。
「・・・しょうがねえ、分かったよ。だがな、オレの気がかわらねえ内にとっとと地球から消えやがれ!
そして二度と地球に来るんじゃねえ!分かったか!!」
そう言うと、竜之介はマシューに背中を向け、歩き出した。
10メートルほど歩いた直後だった。
「うわああーーーーー!!」
サバイバルナイフを手に取ったマシューが竜之介を後ろから刺し殺そうとした。
しかし竜之介はその手をねじり、ナイフをマシューの胸に突き刺した。
「ぐぎゃあーーーっ!!」
叫び声を出し、後方に2,3歩下がった後、マシューは仰向けに倒れた。
返り血を浴びた竜之介はただ一言、
「ケッ、救いようのない野郎だぜ・・・」
と呟いた。しかし、次の瞬間だった。
バアーーン
「うっ!」
ライフルの銃声が響くや否や、竜之介はそう叫んだ。思わず左胸を押さえた左手を見てみると、真っ赤だった。
竜之介の薄れゆく視界に、ライフルを抱えた一人の兵士の姿が映った。
「て・・・てめえ・・・!!よくも・・・!!」
竜之介は血で染まった左手を前に突き出しながらその兵士の方向にふらふらと歩いた。
その姿を見た兵士は恐怖のためか、ライフルを捨て逃走した。
竜之介は5メートルほど歩いた後、うつぶせに倒れた。
「へへへ・・・結構あっけなかったな・・・オレの死に様は。劇的な人生を歩んできたわりには・・・
あーあ・・・せめて死ぬ前に、ブラジャーをつけて、セーラー服を着て、学校に行きたかったなあ・・・」
これだけ言った後、竜之介は力尽きた。
To be continued......

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