Welcome To Another World(Chapter 8&9&10&11) (Page 4)
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面堂は振り返りものすごい目でにらみ返しながら言った。
「このバズーカは破壊力が調整しづらくてな・・・お前さんの仲間だけを狙ったのだがうまくいかなかった」
ティモシーは淡々と答えた。この言葉を聞いて面堂は一瞬ぞっとした。
目的のためなら仲間さえも平気で犠牲にするティモシーの残酷な性格をまざまざと見せ付けられたからだ。
「でもちょうどいいじゃないか。これでオレとお前と1対1で決着をつけることができる。
第2ラウンドといこうじゃないか、面堂・・・オレもお前と同じく剣で戦うぜ」
そう言うと彼は、左の腰に提げていた剣を抜いた。そしてご丁寧にもそれ以外の彼の武器をすべてその場で壊した。
「いいだろう!了子と、今までキサマが殺したすべての人間たちの敵・・・キサマの体で取らせてもらう!!」
面堂は鞘に刀をさしたまま居合抜きをするために全力で走り間合いを詰めた。
「はぁーーーーーっ!!」
Chapter 11 弁天、そして竜之介、絶命!
「ぐああーーーっ!!」
弁天はステファニーに棒で殴られ、10メートルほど飛ばされた。
妹のジェニファーの死の悲しみを怒りに変えて戦うステファニーに、弁天は予想外の苦戦を強いられていた。
「うっ!!ぐおっ!!」
仰向けになった弁天はステファニーに馬乗りされ、タコ殴りにされた。
「このアマァ!!調子に乗るんじゃねえーーーっ!!」
弁天はステファニーの両手を掴み、起き上がってヘッドバットを食らわせた。そして彼女の顔面に強烈なパンチを浴びせた。
弁天はさらに追い討ちをかけようとしたが、空中で体勢を整えたステファニーのカウンターの餌食となった。
弁天はビルの残骸でできた大きな壁に背中から叩きつけられた。そして動かなくなった。
(し・・・死んだか・・・?だが念には念を入れて、きっちり止めを刺しておかねばなるまい・・・)
ステファニーは自身もかなりのダメージを受けていたため、ふらつきながら弁天のもとに歩み寄った。
そして弁天のそばにたどり着いたステファニーが右手を熊手のような形にし、弁天の心臓をえぐり取ろうとした瞬間だった。
ズドォーー・・・・ン
弁天は背中に隠し持っていたバズーカを突然取り出し、それを発射した。至近距離にいたステファニーの腹を貫いた。
ステファニーは膝から崩れるようにその場に倒れ、そのまま絶命した。
「悪いな。おめえ個人には何の恨みもねえけどよ、アタイはこの地球が、地球の奴らが気に入ってんだ。
おめえたちがそんな奴らを抹殺しようってんなら、こうするより仕方ねえんだ・・・」
弁天はステファニーの遺体を見つめながらこう呟いた。その時だった。
「べんてーん!」
30メートルぐらい離れたところから彼女の名前を呼ぶラムの姿が現れた。こちらに向かって走ってきていた。
「へへへ・・・ちょっと来るのが遅えんじゃねえか・・・?ラム・・・」
ラムの姿を見て、弁天は気の抜けた声でそう言った。
しかし、その時、弁天の目に信じられない光景が映し出された。それを見て弁天は仰天した。
壊れたビルの残骸に隠れたフィリップ軍団の兵士の生き残りが、マシンガンをラムのほうに向けているではないか。
「ラムーっ!!来るなーっ!!来るんじゃねぇーーーっ!!」
弁天はそう叫びながらラムのいる方向に全力で走り、ラムのところにたどり着くと、彼女を突き飛ばした。
次の瞬間だった。
ズガガガガガガーーン
「ぐおわあああーーーーーっ!!!」
マシンガンを構えていたのは1人ではなかった。弁天は3方向からのマシンガンの一斉射撃を食らい、蜂の巣にされた。
「ぐはぁっ・・・・・・!!」
口からは吐血し、全身からもおびただしい量の出血をし、その場に仰向けに倒れた。
「弁天!弁天!!しっかりするっちゃ!!」
弁天の体を揺すりながら必死に呼びかけるラムにも、狙撃隊は容赦なくマシンガンを撃ってきた。
「うわあああああーーー!!」
ラムは空中にジャンプしてかわすと、電撃を3連発して瞬く間に3人の敵を倒した。
その後もラムは必死に弁天に呼びかけた。
「弁天!弁天!!」
すると弁天が口をパクパクさせた。
「ラ・・・ム、諸・・・星・・・は・・・」
「ダーリンはもう大丈夫だっちゃ!助かったっちゃよ!!」
弁天の必死の問いかけにラムは答えた。
「そう・・・か・・・よかっ・・・たな・・・・・・」
弁天は消えそうな声でそう言った。
「弁天も今すぐ助けてやるっちゃ!今からミラクルセージを飲めば助かるっちゃ!!」
ラムはそう叫んだが、弁天は、
「無理さ・・・アタイは・・・死ぬ。自分の・・・体の・・・ことは・・・自分が・・・一番・・・よく・・・」
と答えたあと、咳き込み血を吐いた。
「な・・・何弱気になってるっちゃ!弁天らしくないっちゃ!!それより、もうしゃべっちゃだめだっちゃ!!」
ラムは必死に弁天を励ました。
「へ・・・へへ・・・おめえと・・・諸星の・・・結・・・婚式に・・・出れねえのが・・・心残りだ・・・ぜ」
微笑んでいるのにどこか悔しそうな顔でそう言った後、弁天は息を引き取った。

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