Welcome To Another World(Chapter 8&9&10&11) (Page 3)
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自分があともう少し早く着いていたら・・・そう思うととてもやりきれなかった。
「おい!いつまでセンチメンタルしてるんだ?泣き虫野郎・・・」
竜之介を見下しながらニヤニヤと笑い、マシューは言った。
その言葉を聞いた瞬間、竜之介は憤怒し、マシューに飛びかかった。
「てめえーーー!!オレは女だあーーーー!!!よくも・・・よくもしのぶ達をーーーーっ!!!」
Chapter 10 了子の最期。兄、怒る!!
(待ってろよ・・・了子・・・!今すぐこの兄が助けに行くからな・・・!!それまで無事でいるんだぞ!!)
面堂は雑魚を蹴散らしながら、了子が率いている面堂家私設軍隊の戦っている面堂邸近くの戦闘地まで急いでいた。
その頃了子はあたるの体を狙うティモシー率いる大部隊を相手に善戦を続けていた。
「味方がやられてもひるんじゃだめよ!撃ち続けなさい!!」
了子はここまで実によく兵隊たちを指揮し、数で勝るティモシーの部隊相手に効果的にダメージを与えていた。
(ちいっ、あの小娘め・・・なかなかの切れ者だな・・・数ではこちらが勝っているというのに・・・
このままではこちらが全滅してしまうかもしれん・・・なんとかせねば・・・)
ティモシーは面堂軍団をなかなか攻略できないことに苛立ちを感じていた。
「おい、あの娘だ!あそこで指揮しているあの娘を狙え」
「だ、だめです!あの娘、自分の部下を指揮しながら自分もしっかりガードしていて・・・手が出せません!」
ティモシーの命令に部下はこう答えた。
「だったらオレがやる!ジャマール!今からオレに代わって部隊を指揮しろ。そして敵の注意をオレからそらせ!」
そう言うとティモシーは戦車の上から降りた。その姿は了子の目にも見えた。
「指揮官が代わった・・・?さっきの男は一体何をするつもりなのかしら・・・?」
了子がそう言ってティモシーの動きを目で追おうとした瞬間、了子の足元にライフルの弾が飛んできた。
命中はしなかったものの、そのために一瞬ティモシーから注意がそれた。
了子が再びその方向を見てみると、ティモシーは茂みにでも隠れたのか、いなくなっていた。
(さっきの男を見失ってしまった・・・でも今はそんなこと気にしてはいられないわ・・・)
了子は不安を感じながらも部隊の指揮を続けた。敵はそろそろ全滅に近くなった。
その頃面堂は息を切らしながら必死に走っていた。そしてようやく了子たちが戦っている戦場に着いた。
そんな面堂の目に、衝撃的な光景が映し出された。ティモシーが了子の後ろからライフルで狙いをつけているではないか。
「了子ォ!!後ろだ!!伏せろぉーーーーっ!!」
面堂は叫び、あわてて了子のほうに向かった。しかし、手遅れだった。
ティモシーの放った3発の銃弾はすべて、了子の左胸を貫いた。
「あ・・・ああああっ!」
了子は悲鳴を上げたあと、その場に倒れた。
「りょ・・・了子ーーーっ!!」
「お嬢様ーーーっ!!」
面堂と兵士は皆叫んだ。面堂が真っ先に了子のところに向かった。
「わ、若!!いつお戻りになったのですか!?」
面堂の姿を見て1人に兵士が了子のほうに近づきながらそう言った。
「何をしとる!?敵はもうすぐ全滅する!敵を取り囲め!一斉に攻撃をかけろ!!」
面堂はそんな兵士を手で払い、こう命じた。しかし面堂は胸中穏やかではなかった。
「了子!しっかりするんだ、了子!!」
「お・・・にいさま・・・来て・・・くれたんですね・・・」
了子を抱きかかえたまま面堂が必死に呼びかけると、了子はかすかな声でしゃべりだした。
「お兄・・・様・・・諸・・・星様は・・・」
「大丈夫だ!今頃はラムさんが持っていったミラクルセージの力ですっかりよくなっているはずだ!!
了子、お前も絶対に助かる!だからお前もがんばるんだ!!了子!!」
今にも絶えそうな声であたるのことを気にかける了子を、面堂は必死に励まし続けた。
「今・・・まで迷・・・惑ばかりかけ・・・てごめん・・・なさい、お兄・・・様・・・」
了子は死を覚悟したのか、今までの兄に対する仕打ちに対するざんげを始めた。
「な・・・何を弱気になっとるんだ!気をしっかり持つんだ!」
面堂はそれでも励まし続けた。
「お兄・・・様・・・ありが・・・と・・・」
「う」を言おうとする前に、了子は息絶えてしまった。
「りょ・・・了子?了子!?おい、しっかりしろ!!おい、目を開けろ!!了子!了子ぉーーー!!」
面堂がどんなに叫んでみても、了子はもう何も言わなかった。彼が妹の亡骸に頬を摺り寄せて泣いていたその時であった。
ドォーーーン・・・・・・
面堂の後ろのほうからとてつもなく大きな爆音が聞こえた。
振り返ってみると、面堂家の軍隊も、ティモシーの軍隊も全員息絶えていた。
さらによく見回してみると、バズーカを構えたティモシーの姿があった。彼の仕業に間違いなかった。
「気が済んだかい?面堂」
ティモシーは面堂を見つめ、そう言った。
「ティモシー・・・キサマ一体何を考えているんだ!!ボクの家の軍隊はともかく自分の仲間まで殺すとは・・・!!」

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