Welcome To Another World(Chapter 12&13) (Page 3)
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もしかすると、これがメリッサの言っていた『覚醒』の効果なのかもしれんな・・・いや、きっとそうだ!
しかし、さっきからどうも背中がもそもそするなあ・・・)
あたるは痛みをこらえながら、面堂のもとに急いだ。
このときのあたるは自分の髪の毛の色や長さの変化に気づかなかった。
ランとお雪はあたるが部屋を飛び出したあと、しばらく呆然としていた。
「お雪ちゃん・・・」
しばらくして、ようやくランが口を開いた。
「ラン・・・今の私たちにあの人を止めることはもう、できないわ・・・
でも、私たちにもできることが何かあるはずよ。こうなったら、私たちも戦闘に参加しましょう」
「ええ」
お雪にこう言われてランは返事した。2人は部屋を飛び出しありったけの武器をかき集め、
ランの運転するバイクで戦場に向かった。
「お雪ちゃん・・・気づいてた・・・?ダーリンの頭に2本、角がうっすらと生えていたこと・・・」
「ええ・・・そしてさっきご主人様が扱っていたのは、紛れもなく電撃だったわ・・・
一体どういうことなのかしら・・・?まさか・・・
これがジャンヌさんの言っていた『覚醒』なのかしら・・・!?」
「分からない・・・でももしそうだとしたら・・・ダーリンは鬼族・・・?
私やラムちゃんの仲間だってことなの・・・!?」
2人はこんな会話を交わしながら、弁天や竜之介、しのぶ達が戦っていたところに向かった。
Chapter 13 妹よ、兄は・・・さらば!!面堂終太郎
「面堂・・・オレが行くまで、絶対に死ぬんじゃないぞ!!これ以上の死人はもうごめんだ!!」
面堂邸内は広い。あたるは全速力で空を飛び、面堂のいる方向に向かった。
しかし、面堂がティモシーと戦ってる場所までは、このときまだかなり離れていた。
「ぐおおおおっ!!」
一方その頃面堂は、すばやさで勝るティモシー相手に苦戦していた。面堂の攻撃はことごとくかわされた。
「どうした?パワーは互角でも、スピードでこれほどの差があるのでは、敵討ちなど到底無理みたいだな」
地面に倒れた面堂に向かって、ティモシーは冷たく言い放った。
「お・・・おのれ・・・!!」
しかし必死に立ち上がろうとする面堂の目は、決して諦めた様子は感じさせなかった。
このときの彼の心は、ここで自分が倒れてしまったら、死んだ了子や、
面堂家と地球のために散った他の私設軍隊の隊員に申し訳が立たない、そんな思いでいっぱいだった。
全身泥まみれの血だらけになりながらも、彼は再び立ち上がった。
「・・・分からないな。なぜお前は、いや、なぜ地球人は勝ち目がない戦いを続けようとするんだ・・・
諦めて降参すれば、命までは取らんと言っているのに・・・まったく、説明してもらいたいものだな」
ティモシーはまた例の調子で、冷ややかに言った。
「説明したところでキサマらに分かるものか・・・人間のクズ以下のクソどものキサマらに・・・!!」
こう言い放った面堂を、ティモシーは容赦なく殴り飛ばした。
「うがあっ!!」
殴り飛ばされた面堂は、再び地面に倒れた。
「下等生命体の分際でずいぶんな口を利いてくれるじゃないか・・・
これほどの歴然とした差があるというのに、ましてたった1匹に何ができるというんだ・・・」
そう言うティモシーの顔は、面堂の言うことがよほど気に障ったのか、やや引きつっていた。
「勝ち目がないと分かっていても・・・戦わねばならんときもある・・・了子もそんな気持ちだったはずだ。
だがボクは違う・・・キサマだけは・・・必ずボクがこの場で殺す!!」
「ほざけ!!」
ようやく立ち上がって口を開いた面堂を、またティモシーは殴り飛ばした。
しかし面堂は再び立ち上がった。そして凄まじい形相でティモシーを睨んだ。
「何だよその目は・・・・・・気に入らないんだよっ!!」
そう言うとティモシーは面堂にパンチの連打を浴びせた。しかし面堂は倒れなかった。
「その目を・・・やめないかーーーーっ!!」
こう叫び、ティモシーはとどめの一撃を食らわせた。それでも面堂は倒れなかった。
「何をやっている・・・さっさとキサマの剣でボクを突き殺そうとしてみたらどうなんだ・・・
だがボクはキサマだけは必ずこの場で殺す!そしてラムさんや諸星が残ったキサマの仲間を必ずやっつける!!」
ボロボロになりながらも面堂は叫んだ。その自信たっぷりの物言いに、ティモシーは明らかに怯えていた。
「じょ・・・上等じゃないか・・・望みどおり、この場でキサマを突き殺してやる・・・!!
死ぬのはキサマ一人だ!面堂!!うおおおおおーーーーっ!!」
ティモシーは猛烈な勢いで面堂のほうに突進した。しかし面堂はよけようとする気配すらなかった。
「諦めたか!面堂!!」
そう叫んだ直後、ティモシーの剣が面堂の腹を貫いた。そこから血がにじみ出た。
(や・・・やったぞ・・・)
そうティモシーが思った矢先に、彼は面堂が右手に持っていた刀に自分の左胸を貫かれた。
「うっ!!ぐ・・・ぐおおおおおっ!!」
ティモシーは刺された左胸を押さえながら膝から崩れ落ちた。

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