Welcome To Another World(Chapter 12&13) (Page 5)
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「決まってるじゃない!私たちも戦いに参加しに来たのよ!」
ランもまた怒った様子で答えた。しかしあたるは、
「だめだ!危険すぎる!君たちは一刻も早くこの星を出ろ!
奴らも星の外まで君らを追って来ることもあるまい」
と言って彼女たちの参戦に待ったをかけた。しかしランは食い下がった。
「いやよ!私たちも戦うわ!これを見て。これは弁天の遺品よ」
そう言うとランは弁天が使っていたバズーカ砲を前に差し出した。
「私、こう見えても重火器の扱いは慣れているのよ。私だって戦えるわ!弁天の分まで戦うわ!」
しかしあたるは頑として受け入れようとしなかった。
「だめだと言ったらだめだ!早くこの星を出ろ!!これはオレたち地球人の問題だ!!」
「私たちは・・・仲間を殺されたのよ!!」
だめの一点張りを続けるあたるに、ランはこう叫んで抗議した。
「私はね・・・多くの仲間を・・・家族を・・・そして愛する人を一度に奪われたのよ!
レイさんを目の前で失ってから今まで、私がどれだけ悲しくて辛くてやりきれない気持ちだったか、
ダーリンに分かる!?この戦争は私たちと無関係じゃないわ・・・
だから・・・たとえ危険でも・・・どんな結果になるかわからなくても・・・最後まで戦いたいのよ!!
戦うことで・・・この悲しみや、辛さや、やりきれなさを乗り越えたいのよ!!」
「ランちゃん・・・」
「それにダーリンは・・・本気で怒ったお雪ちゃんがどれだけ恐ろしいか、
どれだけ強いか知らないでしょう?」
そう言うと、ランは横目でお雪のほうを見た。
「私たちは、あなたやラムが必死に戦っているのをただ指を銜えて横目で見てるだけの、
待つ女ではありませんわ。
きっとあなたの、いいえ、地球の未来のためにお役に立てますわ」
お雪はそう話すと、凄まじい冷気を体から放出した。真夏の空に雪を降らせてしまいそうな勢いだった」
2人の思いの強さに、あたるはとうとう兜を脱いだ。
「じゃあ、ランちゃん、お雪さん。行こう!ただし、生命の保障はできないよ」
「何度も言わせないで、ダーリン!」
「もとより覚悟の上ですわ」
そう言いながら歩く3人の前に、突如インフェリオル族の大軍が現れた。
「日本ももうほとんど占領した!!あとはもう東京だけだ!!」
「キサマら!スーペリオル族とその仲間だな!?」
「ここで逢ったが100年目!3人とも始末してくれる!!」
大軍を率いていた3人がそう言うと、大軍はあたる達3人に向かって一斉に襲いかかってきた。
「はああああーーーーっ!!」
「グギャアーーーー!!!」
あたるが面堂の刀を持った右腕を大きく振りながら電撃を発すると、瞬く間に10数人の敵が蹴散らされた。
「おんどりゃあーーー!!レイさんの受けた痛み、おのれらの体にもたっぷり味あわせたるぅーーー!!」
「うごおおあああーーーっ!!」
こう叫びながら、ランは弁天のマシンガンとバズーカを手に大暴れした。
こちらも負けじとばかりに一度に大量の敵を倒した。
「お・・・おのれ!!おい、あの女だ!水色の髪をしたあの女を狙え!!」
「うおおおーーーーっ!!」
あたるとランが相当手強いと見るや、敵は狙いをお雪に集中してきた。
お雪を取り囲むように襲いかかった。
「ぐ・・・ぎゃあーーーーっ!!」
その直後、お雪に襲い掛かった者たちは皆悲鳴を上げ倒れた。
お雪が体全身から突き出した氷の槍で串刺しになっていた。
「どきなさい・・・私は今、怒っているのよ・・・!!」
敵を睨みながら呟くお雪の一言一言は、3人の中で誰よりも迫力があった。
「お前ら・・・この星から生きて帰れると思うなよ・・・!!」
あたるがこうすごんだ10分後、その場にいたフィリップ軍は一掃された。
「ラムはフィリップのところにかなり近いようだ。オレたちも急ごう!女の子が危ない!!」
「ええ。ラン、急いでバイクを持ってきて」
「OK!」
その後すぐに、ランはバイクを持ってきた。
「行くよ、ランちゃん!オレを見失わないように、絶対に遅れるなよ!!」
「分かってるわ!」
あたるは前に向かって空を全速力で飛び始めた。ランもその横を遅れないように飛んだ。
空を飛び始めて5分ほどしたところで、ランはあたるに突如話しかけた。
「ねえ・・・さっきからダーリンが言っている女の子のことなんだけど・・・」
「なんだい?」
「その子の名前ね・・・ジャンヌっていうの。実はね、その子・・・フィリップの妹なの・・・」
「な・・・何だって・・・!?」
ランの告白に、あたるは仰天した。
「ど、どういうことなんだ!?じゃあその子もインフェリオル族・・・!?」
「ジャンヌさんは国を裏切り、私たちの仲間として戦うと言ってこちら側にやってきました。
あなたの命を救った薬の原料であるミラクルセージのことを教えてくれたのも彼女ですわ。
彼女は本気です。地球人を守るためなら兄を殺すことも辞さないと言ってました」
「そうだったのか・・・オレが寝ている間にそんなことが・・・」
敵の総大将の妹に命を救われたことを知って、あたるは複雑な気持ちになった。

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