Welcome To Another World(Chapter 14&15&16) (Page 5)
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あたるにこう言われ、ラムが今まで抱いていたあたるへの負い目が全くの杞憂であったことが分かると、
ほっとした表情になった。
「ダーリン・・・ありがとだっちゃ・・・今まで本当に楽しかったっちゃ・・・
ウチは・・・ダーリンの妻であったことを・・・誇りに思うっちゃ・・・」
ほっとした表情であたるを見つめながら、ラムは呟いた。
「ラム!何を弱気になっとるんだ!気をしっかり持て!」
あたるは大丈夫とラムに言い続けたが、自分の体は自分がよく分かる、この時ラムはそう思っていた。
「ダーリン・・・あいつを・・・やっつけて・・・スーペリオル族の・・・底力を・・・見せ・・・て・・・」
こう言うと、ラムは目を閉じたまま、動かなくなった。
「ラム・・・!ラムッ!!ううっ・・・」
あたるはラムのほうを見て、そう言った。
「ご主人様・・・」
さぞかし嘆き悲しんでいるだろうと思い、慰めの言葉をかけようと、お雪はあたるの顔を覗き込んだ。
しかしその顔を見たお雪はぎょっとした。その表情は悲しみではなく、怒りで満たされていた。
「お雪さん・・・ランちゃん・・・ラムのことを頼む・・・」
お雪とランを見てそう呟くと、あたるは即座にフィリップのほうに向き直った。
「フィリップ!キサマ一体どこまで性根が腐っているんだ!!実の妹ばかりか、
自分の婚約者まで殺すなんて・・・!!その上ラムも、それに多くの地球人を・・・!!
キサマ・・・一体何人殺せば気が済むんだ!!」
怒りをぶつけるあたるに、フィリップは平然と答えた。
「オレはな・・・この地球だけでなく、銀河系すべてを統治するんだ・・・オレは宇宙の王になるんだよ。
手始めに、スーペリオル族は皆殺し!それに逆らうものも皆殺し!オレに従う者だけ生きる自由を与える。
・・・オレは王になるわけだ・・・その王を守るためなら、従者は自らを犠牲にして当然だろ・・・?
メリッサもあの世で、きっと自らの行いに満足しているだろうさ」
これを聞いて、あたるは激怒した。
「ふざけるなァ!!それが自分の妻になる筈だった者に対して言うセリフか!!夫婦ってのは、そんな関係じゃねえ!!」
あたるはフィリップにものすごい剣幕で怒鳴りつけた。
「お前の夫婦観とやらがどんなものであろうと、もう誰にもオレの計画は止められん。
オレはこの星に地上の楽園を造るんだ・・・インフェリオル族、いや、そんな呼び方はもうやめよう。
そうだな・・・太陽族!そうだ、それにしよう!その太陽族が幸せに暮らせるような楽園をオレは築くんだ」
フィリップは自らの理想を恥ずかしげもなく話した。
「黙れ!!お前の仲間はもう死んだ!!お前は今、一人ぼっちだ!!一人ぼっちで何ができる!?
そして今ここで、キサマも死ぬ!この地球を、オレのふるさとをキサマなんかに渡してたまるか!!
そして、弁天様や竜ちゃん、メガネにパーマにチビにカクガリ、しのぶに了子ちゃん、面堂、
サクラさんに一応チェリー、お前の手にかかり悲惨な最期を遂げたジャンヌやメリッサ、他の多くの人々、
そしてラムの敵を取らせてもらう!!」
こう叫ぶと、あたるは面堂の刀に自らの電撃を通らせた。
「ほざけェ!!キサマごとき下等生命体一匹に何ができる!!ここで返り討ちにしてくれるわ!!」
フィリップはこう言い返した。
「お雪さん!ランちゃん!ラムを連れて、できるだけ遠くに逃げろ!!巻き添えを食うぞ!!」
あたるは後ろにいたお雪とランにそう促した。
「分かりましたわ!ラン、行きましょう!」
「ダーリン・・・絶対に・・・死なないでね!!お願いよ!!」
2人はそう言うと、ラムをバイクの荷台に乗せ、空に飛び立った。あたるは2人に対し、親指を突き立てて返事した。
「ハーッハッハッハ!!スーペリオル族は一匹残らず逃がさんぞ!!」
3人が逃げるのを見て、フィリップは電撃で攻撃しようとした。しかしあたるは彼の手を掴み阻止した。
「お前の相手は・・・このオレのはずだ!!」
スーペリオル族とインフェリオル族、決着の時がついに来た。
To be continued......

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