うる星やつら regain one's memory エピソード5 (Page 5)
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ラム (ダーリン、待ってて必ずウチが助けるっちゃ)そう心に強く思い目を閉じた。


 その頃、ラウはどうやってラムを連れ去るかを考えていた。色々と策は浮かんだものの、どれも上手く出来る自信が無くただ無駄に時間を費やしていた。そんな時、またしても通信機が鳴った。相手は勿論ドイルである。
 ジジジジ 
ドイル 「ラウか?首尾はどうだ?」ドイルは相変わらず冷静な口調でラウに状況を聞いた。ラウは
ラウ 「はっ、未だ結果は出ておりません」と答えると、自分の顔から血の気が引いて行くのを感じた。それを見たドイルは
ドイル 「随分と顔色が悪いが、よもや失敗などしていないだろうな?」と言い、ラウの顔を見つめた。ラウは、もう耐えきれず
ラウ 「申し訳ありません!実は、薬がもう無くなってしまいました」と、本当の事をドイルに告げた。するとドイルは
ドイル 「ふっ、やっと喋る気になったか」と言い、ニヤリと笑った。ラウは、全てバレていた事を知り改めてドイルの恐ろしさを実感した。ドイルは
ドイル 「で、誰に打ったのだ?」とラウに聞くと、ラウは 
ラウ 「実は、大きな猫と、化け物の様な人間、そして諸星あたるであります」と言った。それを聞いたドイルは
ドイル 「ほぅ、諸星あたるに当たったか。ならば、あながち失敗とも言えないなぁ」と、言った。ラウは、訳が解らずオタオタとしていたが
ドイル 「ならば、ラム様を我等が星までお連れしろ」と言うドイルの声に、我に返りビシッと敬礼をした。ドイルは
ドイル 「いいかラウ、恐らくラム様は意識の無い状態であろうが、くれぐれも粗相の無い様にな」と、それだけ言うと通信を切った。ラウには、何故ラムが意識の無い状態なのか?何故ドイルがそれを知っているのか?それは分からないが、今度失敗したら只では済まないと言う事は良く分かっていた。
 ラウは、ラムの様子を探ろうとあたるの家の近くで待機していた。すると後ろから「お前誰や?こんな所で何しとんのや?」と声をかけられ、驚いて振り返るとそこには、鬼族の子供がこちらを見て浮かんでいた。
ラウ (こ、こいつは鬼族)ラウは、そう思うと身構えた。ラウは、どんな相手にも全力である。たとえ相手が幼児でも・・
もちろん、声の主はテンである。今朝ラムがUFOに来る前に、既に出掛けていたのだ。そして暇をもて余してる所でラウを見つけたのである。テンは、ラウが身構えたのを見て
テン 「お?なんや、わいとやるつもりか?」と言うと
テン 「ちょうど、暇で遊び相手が欲しかったんや。いいで、相手したる」と言ってテンも構えた。ラウは
ラウ (こんな子供でも、相手は鬼族。どんな能力持っているか判らん、ここは戦うべきではないな)そう思うと
ラウ 「あぁ、ゴメンね坊や。つい、仕事上のクセでね。後ろに立たれると、つい反応してしまうんだよ」と言って警戒を解いた。しかし、ラウの背中は冷や汗でビッショリだった。テンは、ラウの言葉に
テン 「仕事上のクセって、お前もしかしてスパイか何かか?」と言って、目を輝かせた。ラウは
ラウ (マズイ!こうもあっさり見抜かれてしまうとは)と思い焦って誤魔化そうとテンを見た時
ラウ (ん?待てよ、この目の輝きは・・・そうか、なるほど。いくら鬼族とは言っても所詮は子供。スパイに憧れてる訳か)そう思うと
ラウ 「やぁ、君は鋭いなぁ。その通り、僕はスパイさ」と言った。テンは更に目を輝かせて
テン 「ほな、極秘任務かなんかか?」と興味津々だ。ラウは
ラウ (こいつ、鬼族と言う事はラム様の関係者のはず。こいつを利用すれば)
そう思うと
ラウ 「いやぁ、君にはまいったなぁ。この僕に気配も無く近づくし、僕の正体もあっさり見破った。君には、一流のスパイになる素質がある」と言った。それを聞いたテンは、もはやラウの術中にはまっていたのである。更にラウは
ラウ 「そうだ!君、僕のもとでスパイの勉強しないかい?君なら、僕と同じ超一流のスパイになるのも夢じゃないよ?」と、畳み掛けた。するとテンは
テン 「先生!」と、完全にラウの術中にはまってしまった。


 その頃、ラムのUFOではちょうどラムがあたるの精神にアクセスする所だった。
弁天 「じゃぁ、ラム。いくぜ!」弁天がそう言うと、ラムは
ラム 「弁天、頼むっちゃ」と言い、覚悟を決めた。ランと、お雪も見守る弁天が装置のスイッチを入れ、ついに装置が起動した。僅かな衝撃があり、ラムは意識を失って行った。
 次にラムが目覚めたのは・・・廊下だった。どこまでも続く長い廊下、どこまで続いているのかはまるで分からない。その廊下の両脇には、無数のドアが有る。ラムはは、改めて自分の姿を確認した。右手には、何やら銃の様な物。左手には、小型の端末の付いたリストバンド。弁天に見せてもらったままの姿、間違いなくあたるの精神へのアクセスに成功したのだ。ラムは

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