うる星やつら regain one's memory エピソード5 (Page 9)
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ラム 「ダーリンだっちゃ?」と聞いた。あたるは
あたる 「ちょうどいい所に、この縄ほどいてくれ」と言ってラムを見た。ラムの目には本物のあたるに見えたが、本能が警戒してる。ラムは
ラム (本当にダーリン?)そう思って戸惑っていると、あたるが
あたる 「何グズグズしてる!この部屋にはアイツも居るんだぞ!」とラムに言った。ラムは、あたるの言葉に押される様にロープをほどこうと椅子の後ろにまわった。するとその時「やめろ!!!」と何処からか声がした。ラムがそちらを見ると、そこにはもう一人のあたるがこちらを見ている。 
ラム 「え?どうして?」ラムは困惑しながら二人のあたるを交互に見た。姿や声は、どちらもあたるそのもので見分けがつかない。その時一人のあたるが
あたる 「ラム、今すぐこの部屋を出てアクセスを解除しろ!」と言った。後から現れたあたるである。 
  ※今後、椅子に縛られたあたるをあたるA、後から現れたあたるをあたるBとします。
 それを聞いてあたるAは
あたるA 「ラム、騙されるな!あいつは、お前を追い出そうとしてるんだ!」と言って、あたるBに
あたるA 「お前、俺をこんな所に縛り付けつてラムを誘き出すなんて、なんて卑怯なやつだ!」と言った。するとあたるBは
あたるB 「ほざけ!お前こそ、俺に化けて何か企んでるんだろうが、そうは行くか!」とあたるAに言った。
あたるAB 「ラム、こいつの言う事なんか信用するな!」二人のあたるは同時に言った。するとラムは
ラム 「あーっもうっ!どっちが本物だかウチが見極めるっちゃ!」と少々切れぎみに言った。すると
あたるAB 「よし、お前ならどちらが本物か分かるはずだ」とまたしても二人同時に答えた。するとあたるBが
あたるB 「お前は、黙っとれ!」と言った。それに対してあたるAも
あたるA 「お前こそ、黙っとれ!」と言った。それを聞いてたラムは
ラム 「二人供!ウチの質問にだけ答えるっちゃ!いいっちゃね?」と言うと二人のあたるは、同時に頷いた。まるで双子である。
 ラムは、まずあたるAに質問した。
ラム 「ダーリン、ウチの事好き?」ラムがそう聞くとあたるAは
あたるA 「こんな時に何聞くかと思えば、好きに決まっとろうが!分かったら早く縄をほどいてくれ」と言った。次にラムは、あたるBに
ラム 「ダーリン、ウチの事好き?」と同じ質問をした。あたるBは
あたるB 「やぶからぼうに、何を言い出すんじゃお前は!そんな事より一刻も早くこの部屋からでろ!」と言い、ラムの手を掴むとドアの方に引っ張って行こうとしたが、ラムはそれを拒み
ラム 「どっちが本物だか分かったっちゃ」と言って銃を構えた。ラムの狙ったのは、あたるAだった。
あたるA 「お、おいラム!お前なんでこっちに」あたるAは、信じられないと言った表情でラムを見た。ラムは
ラム 「そんな顔したって騙されないっちゃ」と言い、続けて
ラム 「ダーリンが素直にウチの事好きなんて言うはずないっちゃ」と言った。あたるAは
あたるA 「アホ!こんな緊急時に、そんなつまらん意地張るか!」と言ったが、ラムは
ラム 「益々、お前じゃないっちゃ。ダーリンは緊急時だからこそ余計に意地張るっちゃ」そう言うと、あたるBを見て
ラム 「ダーリンは、そう言う人だっちゃ」と言った。それを聞いてあたるBは
あたるB 「ラム・・・」と言った。
ラム 「だから、お前が偽物だっちゃ!」と言い、引き金を引いた。
  カチッ
 軽い音がしたと思うと、あたるAは徐々に消えて行った、不敵な笑みを残して。部屋は、徐々に元の姿を表しそこは一面桜の花の咲く公園になった。
 ラムは、あたるの方を向き
ラム 「ダーリンの本当の気持ち分かったっちゃ」と言って満面の笑みを浮かべた。するとあたるは
あたる 「本当の気持ち?」と、ラムの言った意味が分からない様だ。ラムは
ラム 「あれはダーリンの精神に入り込んだナノマシーンだっちゃ。つまりアイツの思考は、ダーリンそのものだっちゃ」と言って、更に
ラム 「ウチの質問に対するアイツの答えは、ダーリンの本心だったっちゃ。だからウチ、ダーリンに好きって言ってもらったって事だっちゃ」ラムは、そう言うとあたるに抱きついた。あたるは
あたる 「な、何言ってんだ!そんなのアイツの助かりたい為の適当な答えに決まっとろーが!」と言った。それを聞いたラムは
ラム 「そう言う事に、しておいてやるっちゃ」と言うとニコリと笑った。
 ラムは、改めて腕の端末を見たが、もうシグナルは無かった。ラムは
ラム 「じゃぁ、ダーリン。ウチ戻るっちゃね」と言った。あたるは
あたる 「あぁ・・・」と言ってラムを見つめた。ラムは腕の端末を操作している。やがてラムの体は光に包まれた。その時あたるは
あたる 「ラム!」と声をかけた。ラムは、振り返ると
ラム 「・・・・」何か言った様だが、言葉が聞き取れない。あたるは、そんなラムに

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