うる星やつら regain one's memory エピソード7 (Page 5)
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 その頃、カロンの部屋でドイルの通信機が鳴り、ドイルが通信機のスイッチを入れ
ドイル 「何事だ、私が今カロン様の所に居る事は知っているはずだが」と言うと、通信してきた兵士は
兵士 「は!申し訳有りません、ただ賊が入り込みまして」と言った。するとドイルは
ドイル 「賊?何者だ」と兵士に聞くと、兵士は
兵士 「実は、良く分からない集団でして・・・」と言うと、ドイルは
ドイル 「集団?」と言うと兵士は
兵士 「はい、女性と子供、老人を含む12人です・・」と言った。それを聞いたドイルは
ドイル 「なんと、騒がしい・・分かった、すぐに行く」と言うと、カロンの方を向き
ドイル 「カロン様、お聞きの通り賊が侵入した様なので少々見て来ます。ラム様の事は、申し訳有りませんがその後で」と言い頭を下げた。カロンは
カロン 「賊か・・・このタイミングで賊とは、気になるな。分かった、報告を待つとしよう」と言った。ドイルは、急ぎ足でカロンの部屋を出ると牢獄へ向かった。
 この騒ぎは、ラウの耳にも入った。
ラウ (なるほど、騒ぎを起こして自ら捕まれば容易く入り込めると言う事か、しかしどうやって脱獄するつもりだろう?とにかく、今動くのは得策ではない。僕と彼女達の関係に気付かれる恐れがある)ラウは、そう思いもう少し様子を見る事にした。
 牢獄に着いたドイルは、一行を見て普段あまり表情を出さない顔に、笑顔を見せた。
ドイル 「諸星あたる・・・まさか、君に会う事になるとはね」ドイルは何故か嬉しそうに言った。あたるは
あたる 「お前、何で俺の名前を知ってる!それと、ラムは何処だ!」と言うとドイルは
ドイル 「ラム様なら心配する事は無い。とにかく君たちの処遇については、少し考えさせてもらうよ」と言うと、スタスタと去って行った。
 ドイルは、カロンの所に報告に行き
ドイル 「賊の正体は、地球から追ってきた諸星あたる達でした」ドイルがカロンにそう言うと
カロン 「諸星あたる?ラムと一緒に暮らしていた?しかし、どうやってここに?」カロンは少し考え
カロン 「まさか、ラウか?」と言った。それに対してドイルは
ドイル 「恐らくは・・・」と言った。
カロン 「しかし、何故?ラウが裏切る事は考えにくいが」カロンは、どうしても納得出来ない様子だ。そんなカロンの様子を見てドイルは
ドイル 「ラウの態度から見て、裏切っている様には見えませんでしたが・・それよりも今は、彼らをどうするかが先決です」と言った。するとカロンは
カロン 「そうだな、では諸星あたるをここに連れて来てくれないか?」と言った。その言葉には、さすがのドイルも驚き
ドイル 「諸星あたるをここに?何を言ってるんですか!そんな危険な事出来る訳ありません!」と言ったが、カロンは
カロン 「心配するな、ちょっと聴きたい事が有るのだ。心配なら、手錠でも何でもしておくといい」と言った。ドイルは、カロンが一度言い出すと後には引かない事を良く知っている。ならば、あたるがカロンを襲ったり出来ない様にするしかないと思い、あたるを拘束した状態で連れて行く事にした。ドイルは、カロンに頭を下げ部屋を出ると、すぐさま牢獄のあたるの所に行った。
ドイル 「諸星あたる、カロン様・・王がお呼びだ」ドイルはそう言うと兵士数名が牢獄に向かって銃を構え、牢獄のドアを開けた。あたるは
あたる 「な、何だ何だ何だ?」といい後退りした。中に居た弁天達は座ったまま動きもしない。そんな中、あたるの手を握る者が居た、ランである。ランは
ラン 「ダーリン、気を付けてね」と言うと何かを握らせた。あたるは、それを素早くポケットにしまった。その直後、あたるはおもむろに椅子に座らされ両手両足を縛られ、更に体は椅子に縛り付けられて文字通り身動きひとつ出来ない状態になった。
あたる 「何だこれは!これじゃぁ、動けんではないか!」あたるの声が虚しく響き、あたるは椅子に座って縛られたまま運ばれて行った。あたるが連れて行かれ、牢獄にはまた静寂が訪れた。
弁天 「おいラン、お前諸星に何渡したんだ?」弁天がランに聞くと
ラン 「超高性能マイクじゃ」と言いランは、小さなサイコロの様な物を取りだし
ラン 「そして、これが受信機」と言った。弁天は
弁天 「へぇ、そんな物まで持ってたのかよ」と笑いながら言うと
弁天 「じゃ、奴等の会話を聞いて脱出のタイミング取るとするか」と言った。
 あたるは、ちょうどカロンの部屋の前に来ていた。
ドイル 「諸星あたるを連れて参りました」ドイルがそう言うと中から「よし、入れ」と声がしてドイルはドアを開けるとあたるを部屋の中央付近に椅子ごと置かせた。あたるは中を見回すと、自分の正面に一人の男が座っているのが見えた。その男は、もちろんカロンである。カロンは椅子から立ち上がると、あたる方に歩いてきて
カロン 「ほぅ、お前が諸星あたるか。にしても、随分と不自由そうだな」と言うと、あたるが

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