うる星やつら regain one's memory エピソード8 (Page 6)
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 不審者あたるは、いつの間にか寝ていたらしく目が覚めた時は既に朝だった。あたるはもう出勤したらしく、部屋には誰も居なかった。不審者あたるは、あたるとラムの事を知る為に聞き込みをする事にした。まず最初に見かけたのは錯乱坊であった。まだ公園でテント生活をしてる様だったが、関わるとろくな事が無いと思い通り過ぎると、突然後ろから「待たれよ」と呼び止められた。呼び止めたのは、当然錯乱坊である。
錯乱坊 「はて?お主どこかで会ったような」と言った。不審者あたるは
不審者あたる 「き、気のせいでは?」と言った。その時、因幡から聞いた注意事項を思い出した。
因幡 『あたるさんいいですか、絶対に正体を知られない様に気を付けて下さい。正体がバレたら、その時点で試練は失敗になりますから』あたるは因幡の言葉を思い出し、急いでその場を去ろうとすると
錯乱坊 「これ、待てと言っておる。お主を呼び止めたのは理由があるからじゃ」と錯乱坊が言った。不審者あたるは、無視したところで余計に怪しまれると思い話を聞く事にした。
不審者あたる 「なんだっちゅうんじゃ?」あたるが錯乱坊に聞くと、錯乱坊は
錯乱坊 「そんな風に顔を隠しても、わしにはわかるぞい」と言った。不審者あたるは
不審者あたる (ま、まさかバレたのか?)と思い、冷や汗が背中を流れるのを感じた。錯乱坊は、続けて言った
錯乱坊 「お主の顔、救いようの無いほど悪い!!!」
  ドガッバキバキッグシャ!
 不審者あたるは、近くに転がっていた鍋で錯乱坊をボコボコにした。すると錯乱坊は
錯乱坊 「わ、わしが言いたかったのは、救いようの無いほど悪い相が出ていると・・・」と言った。不審者あたるは
不審者あたる 「毎度毎度、紛らわしい言い方しおって!」と言って鍋をほうり投げた。しかし錯乱坊は
錯乱坊 「お主の様な凶相の持ち主は、あの諸星あたる以外に見た事はないのじゃが、お主、諸星あたる・・・」錯乱坊がそこまで言った時に、不審者あたるは逃げる様にその場を後にした。錯乱坊は
錯乱坊 「最近の若いもんはせっかちじゃのう。人の話を聞こうともせん、せっかく諸星あたるには関わるなと忠告してやろうと思ったのに。と言いつつ合掌」と言って合掌した。
 不審者あたるは、公園を後にして
不審者あたる 「人に聞くのはリスクが高すぎる。まして、この格好じゃ怪しまれて警察を呼ばれかねん」と言って再び家に戻った。そして不審者あたるは
不審者あたる 「しかし、よわったぞ。状況がまったく理解できん、かと言って俺自身やラムに聞く訳にもいかんし、どうすれば」と考えてるうちにまたしても眠ってしまった。再び目を覚ました時には、日はすっかり暮れていた。あたるの部屋には、既にラムが居て何か袋を持って飛んだり跳ねたりしている。何やら嬉しそうだ、不審者あたるは
不審者あたる 「ラムのやつ何だかはしゃいでるみたいだが、あの袋はなんだ?」と言って、様子を伺った。あたるはまだ帰って来ない、その時ラムが
ラム 「ダーリン、おそいっちゃねぇ」と言って、袋の中を見た。その時あたるの母の声がした
あたる母 「ラムちゃん、今日はあたる帰りが遅くなるって電話が有ったから、ご飯にしましょう」ラムはそれを聞いて、さっきまでとは売って代わり残念そうに袋を部屋に置き、下に降りて行った。不審者あたるは
不審者あたる 「まさか、俺は毎日こんな感じなのか?だとしたら、ラムは・・・」そう言うと、木を降りて茶の間の様子を伺う事にした。茶の間では、あたるの母、父、それにラムの3人で食卓を囲んでいた。ふと、あたるの母が言った
あたる母 「あたるは、毎日何処に出掛けてるのかしら」と言って、更に
あたる母 「ラムちゃん知らない?」とラムに聞いた。ラムは、箸を止め
ラム 「ごめんなさい、ウチ知らないっちゃ・・・」と言った。するとあたるの母は
あたる母 「あ、ラムちゃん責めてるんじゃないのよ、ラムちゃんなら知っているかと思ってね」と言った。ラムは、うつむいたまま
ラム 「ごちそうさまでした」と言って、自分の茶碗を片付けて2階に上がった。それを見ていた不審者あたるは
不審者あたる (自分の親ながら、なんて無神経なんだ!)と思い、再び木に登りあたるの部屋を見る事にした。部屋にはラムがさっきの袋を胸に抱いて座っていた。ふいにラムが
ラム 「ダーリン喜んでくれるかなぁ」と言って袋の中を見た。不審者あたるは、袋の中身が気になって仕方なかったが今出て行く訳にはいかないので、グッとこらえた。あたるの部屋の時計は、既に9時を廻っている。
不審者あたる 「ったく、俺は何処で何してるんだ!」不審者あたるがそう言った時、突然ラムが窓から顔を出しキョロキョロと辺りを見回して
ラム 「誰か居るっちゃ?」と言った。不審者あたるは、咄嗟に

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